特集:これじゃ食えない! 会計士・税理士・弁護士 2016年1月12日特大号

◇資格だけでは「もう食えない」

◇勝ち負けの差がより鮮明に

 

秋本裕子/酒井雅浩

(編集部)

 

 会計士、税理士、弁護士は今も難関試験で知られるが、ただ資格を手にしただけで「食えた」時代はもう終わった。仕事の内容は激変している。何に取り組むべきなのか――。

 2015年12月、「士(さむらい)業」と呼ばれる人の一部で、ある調査結果が話題になった。それは、野村総合研究所が公表した「人工知能(AI)やロボットなどによる代替可能性が高い100種の職業」。人工知能で代替可能な仕事の一つに「会計監査係員」、つまり会計士が挙がったからだ。
 ある大手監査法人の公認会計士は、「人工知能で決算数値の矛盾や異常値も見つかりやすくなるだろう。会計士の仕事の多くはコンピューターでもできるし、人間以上の成果を出すかもしれない」と認める。

 会計士だけではない。税理士や弁護士の仕事も、同様にコンピューターで代替できる部分があると言える。過去の判例やデータに裏付けられた知識や経験がモノを言う職業だ。その分、大量のデータを蓄積し、瞬時に必要な情報を取り出すことができる、あるいは省力化できるという目的から、コンピューターが大きな役割を果たしていく可能性は高い。

◇厳しさ増す事業環境

 

 高度な知識を必要とする難関資格の代表格とされる会計士、税理士、弁護士を取り巻く環境は近年、厳しさを増している。

 最近、特にクローズアップされているのは公認会計士だ。東芝の不正会計を見抜けなかったのは「重い注意義務違反に当たる」として、金融庁が15年12月22日、監査を担当した新日本監査法人に課徴金21億円、3カ月間の新規契約禁止、業務改善命令の行政処分を科すと発表した。監査法人への課徴金は08年の導入以来初めてという重い処分だ。

 11年に発覚したオリンパス事件以降、監査の質強化に取り組んできた中で起きた問題。監査の質や会計士の能力がさらに問われる事態になった。特に問題を起こした新日本については、「離れる上場企業が増えるのではないか」(関係者)という存続の危機にまで追い込まれている。

 大手監査法人の若手会計士は、「上場企業の業績が改善する中、仕事量は増えたのに会計士の数が足りない。東芝問題で会…この記事の続きを読む

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