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2017.12.18

アースアイズの目指すAIの未来予想図(アースアイズ株式会社 澤登舞美氏)

最終更新日:

この記事は2017年 アドベントカレンダー企画「AIの未来予測」の記事です。寄稿してくださったのはアースアイズ株式会社の澤登舞美さんです。

はじめに

初めまして。アースアイズ株式会社で広報を担当しております、澤登です。

アースアイズでは、事件・事故を未然に防ぐという観点から、不審な行動を検知・通知するAIを搭載した防犯システムの開発・販売をしています。

今回は、「AIの未来予想図」という素敵な企画に参加できるとのことで、アースアイズが目指すAIの未来についてお話させて頂きたいと思います。

私たちが目指すAIの未来

私たちが目指すAIの未来は『個人のパートナー』になることです。例えば、部屋で探し物をしているときに「ここにあるよ!」と教えてくれたり、慌てて出かけようとした際に「鍵閉め忘れているよ!」と注意してくれたり、1人1人に合った実用的なコミュニケーションの実現を目指しています。

現在、世界中で人間のパートナーとしての役割を担うAIの開発が進み、人間からの簡単な質問に答えてくれたり、特定のキーワードをトリガーに踊ったり歌ったりするものが身近になってきたように思います。しかしながら、コミュニケーションという視点で見れば一方通行でしかなく、『個人のパートナー』となるAIの実現には少し時間がかかりそうです。

AI化とは……(アースアイズの場合)

私たちが思うAI化には、「物事の状況をしっかりと把握すること」と「段階を踏んだ成長」の2点が必要だと考えています。

①物事の状況をしっかり把握すること
人間や動物は、外部からの情報を「五感」で捉え「脳」で判断し、行動しています。同じように、AIが五感に近い情報を捉えることが出来れば、より総合的な判断をすることが可能になり、様々な場面で使える汎用性の高いAIとなります。

(例)
・五感センサー搭載AI ⇒映像、匂い、音の種類・方向、お声掛け=総合的な判断が可能
・五感センサー未搭載AI  ⇒何か1つのことに特化した専門的なAI

②段階を踏んだ成長
AIの成長に必要な5つの段階を私たちはピラミッド状の階層で以下の図のような表現しています。

周知のとおり、AIの学習には蓄積したデータが必須であり、判断が複雑になればなるほど膨大なデータが必要となりますが、この図では、下層に「行動的な判断」が必要となる項目を置き、上層により複雑な「感情的な判断」が必要となる項目を置いています。

  • 危険を察知する(状況を察知する)

「危険」か「危険じゃない」かの判断を行う

⇒ex.キッチンで「焦げ臭い匂い」がしたら「危険」と判断する

  • 生活に活用する

判断した情報の中から使用者に対して通知をする

⇒ex.「検知した事」を知らせる。

  • 便利さを追求する

情報の中から使用者にとって便利と思われる情報を判断し、対処する
⇒ex.IoT機器と連動させ、家電製品等にコマンド(指示)を出す

  • 情報交換する

それぞれのAIが持っている情報データを、総合的なデータベースとして蓄積し、汎用性の高いAIを構築する

  • パートナーになる

一般的な判断だけでなく、個人の趣味嗜好や行動パターンに考慮した判断を行う

⇒ex.近隣のおすすめのレストランを聞かれたときに、Aさんは肉料理が好きだが一緒に行くBさんの好みは知らないので肉も魚も選べる店にする。

五感センサーを使い状況を察知するための情報を集め、1つ1つの段階をしっかり固めつつAIをステップアップさせることが必要だと考えています。

ちなみに、アースアイズの現在位置は、下から3番目の「便利さを追求する」という段階にステップアップしたところです。予想を予想で終わらせるのではなく実現に向けて引き続き、「危険を察知する」「生活に活用する」という部分も固めつつ、頂点目指して邁進していきます。

アースアイズとは

アースアイズは、防犯カメラと五感センサーとAIの組み合わせで事件・事故を未然に防ぐことをコンセプトとした製品です。

近年、ニュースでも設置した防犯カメラの映像から犯人逮捕に至った事件が取り上げられていたり、街中のいたるところで設置されている防犯カメラを目にしたりします。セキュリティ対策と言えばまずは防犯カメラというほどかなり身近なものとなりました。しかしながら、現状の防犯カメラは「録画装置」でしかなく起きてしまったことを見返すことしかできません。また、警備員の人員不足も深刻です。

そこで、アースアイズでは人の代わりにAIが「危険を判断」して人間に即時お知らせしてくれます。

アースアイズの特徴

  • 奥行きが分かる(空間のグリッド化)

従来の防犯カメラは平面映像でしかなく奥行きという概念がありませんでした。そのため、人の目視での判断が必要だったり、検知システムでは人の重なり方によっては誤検知が発生してしまったりすることが多くありました。

その問題を解決するために、アースアイズでは距離センサーを搭載し、空間をcm単位でグリッド化することで「人の位置」や「重なり」「背景の奥行き」まで把握することが可能になりました。

  • AIによる不審行動検知・自動通知

独自の不審行動のデータの蓄積と行動心理学に基づく不審行動をアルゴリズム化しているものをAIとしています。アースアイズを導入することで、人間がモニターを監視していなくても不審行動などを検知した際に自動でビューワやスマートフォン、タブレットで通知を受け取る事が出来ます。従来のカメラでは、実現が難しかった事前対応が可能になり、事件・事故を未然に防いだり、最小限に抑えたりすることがアースアイズでは実現できます。

  • 既存のカメラとの連動(ee2)

2017年9月中旬頃、受注開始となった『ee2』という製品では「センサー」のみのIoT型となっており、活用ニーズに合った組合せが可能です。例えば、設置済みのカメラ(ONVIF対応のIPカメラのみ

※ONVIF:ネットワークカメラ製品のインターフェースの規格標準化フォーラム)との連動させることで、カメラを入れ替えなくても次世代型のセキュリティシステムの導入が可能になります。

終わりに

現在、アースアイズの多くは全国の小売店様で導入いただいており、ロス対策やマーケティングの用途でご活用いただいています。今後は、ニーズが高い介護分野を皮切りに、工場・倉庫・マンション・神社仏閣・鉄道(駅ホーム)など様々な分野にチャレンジし、社会の安心に貢献していきます。

採用について

そんなアースアイズでは、一緒にお仕事をしていただく仲間を現在募集しております。

(職種)
・サービスエンジニア

(仕事内容)
・全国の小売店を中心に、システムの設置工事・サポート・メンテナンス等をお願いします。

◎設置工事の現場に立会い ※設置位置などの指示や調整
◎システムのセットアップ ※動作チェックやセンサーなどの調整
◎お客様への使い方のご説明
◎システム稼働後のお客様サポート
◎メンテナンス・問い合わせ対応 など

詳細は、アースアイズ株式会社採用ページの手順に従ってご確認いただければ幸いです。

earth-eyes.co.jp
» 募集職種:サービスエンジニア - earth eyes®
http://earth-eyes.co.jp/?p=285

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