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2017.12.26

自動着色人工知能 vs 美術家!?

最終更新日:

【人工知能 vs 美術家 〜機会と人間、あなたはどちらのセンスが好み?〜】

芸術家はもういらない?

AI(人工知能)の発達が目まぐるしい昨今ですが、アート系AIといえばレンブラント・ファン・レインという画家の新作を描いた事が話題ですね。
とあるテレビ番組では芸術家などもう必要ないのでは?という討論までされていました。

「若手の芸術家の誕生を待つよりも、人工知能に過去の大芸術家のタッチを学ばせて描かせた方が価値があるし早い!」という意見や、
「人が描くから意味や価値がある。芸術家本人の生い立ちや家庭環境、生きてきた経験を含めて作品なんだ。」という意見も。

また、人工知能の誕生で失業する人が出るとか、
はたまた人間にとって人生は「生活の為に働く」事よりも、「死ぬまでの時間を有意義に過ごす事」が重要になり、アートやスポーツが今以上に求められるのではないかという説も。

なかなか賛否両論ありますが、

・・・いや、実際人間とAIまだ戦ってなくね???

めちゃくちゃ賛否両論分かれて皆討論してるけど、
・・・誰も戦ってなくね???

ってことで、百聞は一見に如かず!
人工知能 vs 人間でどちらの作品が良いのか対決してみましょう!

とはいえ、 レンブラント・ファン・レインの新作を描いたAIはレンブラントだけの絵を描けるように
特別にプログラミングされたものなので、
より現実的にするべく今回は性能的にもスタンダードな「ペイントチェイナー」というAI使って対決します。

これは線のみの絵を入れるとこのようにそれに合わせて色を塗ってくれるというものです。

多種多様なイラストにAIが臨機応変に自動で着彩してくれます。

かかる時間はおよそ3分程度。

そして対決相手の人間は私、美術家トウマでございます。
ドドンッ

流石に天才イケメンはんなりキュート美術家の私といえど、人間が3分で着彩できる範囲は限られているので5分・30分・1時間でどのくらい時間をかければAIを超えれるのか実験してみたいと思います。

公平に審査するべく、3人のインターン生にイラストを頼みます。

一人目、こちららんらんさん作。

う〜〜〜〜ん!!!!
微妙!!!!
本当に微妙!!!
「私A型の男の人と性格合わないんですよね〜」って話した相手がたまたまA型だった時の空気くらい微妙!!!

二人目インターン生のあつしさん作。

好きな人のスカしっ屁が聞こえてしまった時くらい絶妙!!!
とっても気まずいタッチですねぇ〜〜〜!!!

三人目インターン生、やべさん作・・・・????!!!!!!

・・・・え??なになに・・・
何??これ???怖いんだけど・・・

しかも「何描いていいか分からない」って言うから、「じゃあ理想の女性で」って言ったんだけど・・・
これ女性なの??
いやそもそも人間なの???


・・・・・顔から腕生えてるやん!!!
絶対人間じゃないでしょ!!!
怖過ぎるよ。理想の女性っていうか世の中の女性をこうしてやろうみたいな事??
そういう話??なんかヤバイ過去でもあるの???

・・・・まぁいいや・・机離しておこう・・・。
それは置いといて、AIの着色は何を使って描かれているのかは分からないので、私は色塗りにオーソドックスな色鉛筆を使用します。

いざ陣乗に勝負ッ。

黙々と・・・・仕事に集中する私。

AIをもササっと着色を終わらせ
!!!完成!!!

1枚目
まずはAIの作品から・・・

さすがです。
ちゃんとなんの絵なのか認識して肌色、髪の毛と色を分けています。
そしてAIの中でこの男の子はおっちょこちょいなのか頭から流血していますね!
髪の毛にジワッと血が滲んでいます。
素晴らしい描写です。

そして次は私トウマの5分かけた作品がこちら・・・

5分では満足に塗り込むことも不可能です・・・。
わたわたと塗りましたが見比べても分かるようにAIの方が確実に綺麗に着色されていますね。

圧巻です。
気軽に使えるこのサイトでこのクオリティーができるということは、もう少し性能の良いものを使うだけで更に凄い作品ができそうですね。

次は2枚目こちら。

さっきよりかは認識が甘いようです。

どれが顔でどれが髪の毛か分かっていないようですが、それなりに淡く塗られています。

そして私。30分。

心なしか首元の陰影のつけ方がAI、私共に似ている気がします。
たまたまかもしれませんが陰影まで認識できるようになればもっと良くなりますね!

さぁ、最後はあの問題作・・・
理想の女性が顔から腕が生えているやべくんのイラストです。
これはAIも困ったのではないでしょうか。
顔認識はおろか、一体なんの生物かも分かりません。
私も1時間着彩をしていましたが魂が抜かれそうでした・・・・

おおーーっっ!!!
割とイメージに合っている気がする!
もっとグチャグチャになってしまうかと思っていましたが、顔は認識できているようです。

しかもこの色合い・・・化け物を表現しようとしてるようにとれなくもない・・・
いやぁ絵もさることながらAIも負けじと良い雰囲気を出してきましたね!

・・・後半もうがっつりノイローゼだった。
人生で顔から腕が生えてる女性のイラストと1時間見つめ合う事なんてないもの。
精神崩壊だもの。

さて、皆さんはどちらの着色がお好みでしたか?

あなたはAI好みですかか?
はたまた人間好みでしたか?

私の感想としては、
AIの利点は芸術に関わらず「完成が早い」事です。

現段階の事だけを考えると、AIがなんとなく目新しいものを作ることは可能だと思います。
「こんなの初めて」「これは新しい」 そう感じさせるのに必要なのは「過去の情報量」が大きく関係してきますし、
それを一瞬でインプットでき全てを均等な配分で混合させる事のできるAIに新感覚の作品を作るのは簡単な事でしょうし、
人類にとってAIは新たなジャンルのアーティストではないかと考えています。

ですが、現段階のAIに意外性やオリジナルかつそこに価値がつくものを作らせるのは難しいとも感じています。
皆さんが「これが3億円の絵?馬鹿な!」「こんなのラクガキじゃないか!」と感じるアート作品がこの世には沢山ありますよね?

そういった作品に価値がつくのは見た側の感性であったり、芸術家当人の人生や経験、人間性を含め価値が付いている作品も沢山あるのです。
世の中にはまだ「なぜ支持されるのか」「なぜ価値が生まれたのか」原因がハッキリしていないことがあります。
それは人間が息をし、誰かを愛し、孤独を感じ、
人間と人間が混じり合った時に起こる摩擦であり、運命であり、その何十年と一瞬の中での動きにこそに「美」があるのではないかと私は考えます。

今回は「人類の期待と希望を背負うAI」と 、「日々自分の存在を模索する私」との戦いでした!
今後も新ジャンルアーティストとして活躍するであろうAIにワクワクします。
そしてAIが発達した世界で人類がどう生きるのかも楽しみですね。

ちなみに私はAIに嫉妬なんか全然してませんから、
この作品はしっかり保存して額縁に入れておきますね!

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