初心者のためのAI教科書 ~ビジネスにAIを導入するまでのプロセス 前編~

こんにちは。AINOW編集部のみかみです。
みなさん、仕事でこのようなケースで困ったことはないですか?

・「取り敢えずAIを導入してほしい」と言われたけど何から始めればいいか分からない
・AIの導入を検討したけど机上の空論になってしまった
・AIの導入を提案したいけど、提案書がまとまらずに苦戦している

今回は会社に人工知能(AI)を導入するためにどのようなことを考えるべきか、“はじめの一歩”から導入までのプロセスを、前編後編に分けて教科書的に書いていきます。もちろん、企業によって環境が異なるため一概にお手本になるようなケースはありませんが、AI導入までの参考にしていただけましたら幸いです。

AI導入までの基本的な流れとは

会社にAIを導入するまでの基本的な流れを説明します。

  1. 既存業務・事業にAIで何ができるかを知る
  2. AIを導入するための定義を作成する
  3. AIに学習させるデータを理解する
  4. データを整え、アルゴリズムを開発する
  5. 開発したAIを評価する
  6. これを繰り返し、AIの精度を向上させる

簡潔に流れを書くとこのようになります。しかし、大半の会社はこのように上手く流れに乗り運用することが難しい…となってしまいます。この記事を読みながら自分の会社にも当てはめることができるように、より詳細に具体例を交えながら説明していきます。

1.既存事業にAIで何ができるかを知る

新サービスを作るのではなく、会社の既存業務・事業に2つにAIを導入したい場合、以下の2つが考えられます。

  • RPA(業務効率化)
  • 人間が手作業でやっているような所謂「面倒くさい事務作業」を機械によって自動化してしまおう!ということです。

    (例)
    Excelのデータ手入力、定型化した電話・メールの問い合わせ対応、書類作成、経費精算、コピー&ペーストを繰り返す作業 など

  • データを用いたマーケティング支援
  • ユーザー情報を分析し、自社のマーケティング活動を推進しよう!ということです。

    (例)
    ・実店舗でカメラを用いて画像認識・顔認識を活用した顧客情報の把握
    ・ユーザーごとに販売促進をするような24時間対応チャットボットの活用

    「現社員より優秀なAIを用意すること」や、「単純な統計モデルを用いて売上や利益を予測すること」はAIを導入してもできないことや意味のないことになってしまいます。今一度、自社でやりたいことがAIによって行うことができるか?本当にAIが必要か?を考え直してみましょう。

    2.AIを導入するためには何が必要か?(導入前段階)

    AIでできることを理解し、自社にAIを導入したい!と上記で再確認できたら、次は「AIを導入するためには何が必要か?」を考えましょう。

    AINOWは、誰でも1時間でAIを設計できる「AI Lean Canvas」を公開しています。
    toCのAIサービス開発に使える!という好評でした。このフレームワークは自社の既存事業にも適用できるので、一度目を通していただければ幸いです。


    (参考:誰でも1時間でAIを設計できる「AI Lean Canvas」を作ってみました!)

    既存業務・事業にAIを導入する前に必要なものは以下の通りです。

    • 既存事業・業務の定義
    • AIに学習させるデータ
    • 費用対効果の算出

    では、ひとつずつ具体的を交えながら説明していきます。
    わかりやすくするために、今回はケース例をあげます。

    課題
    「メーカー企業の営業部門において、定型化している問い合わせメールの返信に時間を割いているため、残業時間の削減が難しくなっている。」

    既存事業・業務の定義

    既存事業・業務の定義をしなければ、自社の環境にAI導入をすることが考えるのが難しくなります。AI導入の土台となるので、しっかり考えていきましょう。

    課題から考える解決策は「AIが返信メール文章の自動生成をしてくれる」が理想となりますね。
    では、課題解決のために現状の既存事業・業務を定義してみましょう。

    ・自社の誰が喜ぶのか?

    課題を解決することで、自社の誰がメリットを受けることになるのか考えましょう。
    具体的な人数やその業務に現在かけている時間を出すことも大事です。

    (例)
    社内にいる営業部の社員50人

    ・その人がなぜ喜んでくれるのか?

    「自社の誰が喜ぶのか?」で該当する人物が、AIを導入することによってどのような効果を得ることができるかを考えましょう。現状の課題点と、なってほしい理想の状態を、具体的な数値を用いて書き出してみます。

    (例)
    ・定型化した問い合わせメールを返信する1日平均〇分の時間をほぼなくすことができるから。
    ・メール返信時間を短縮させることで、他の仕事に時間を割くことができたり、残業時間を短縮することができる。

    ・なぜAIを活用するか?

    AIを導入することによって、どのようなメリットが出てくるかを考えましょう。課題解決はAIを導入することによって実現可能になるか(わからなかったら、前述の「既存事業にAIで何ができるかを知る」に戻りましょう)や、どれくらい便利になるかを書き出してみましょう。

    (例)
    ・AIが受信したメールの内容を理解し、定型化されたメールの返信内容を作成してくれる。
    ・人間が行う作業は、自動作成されたメールの内容を送信前に最終確認するだけになる。

    ・どのようなAIを提供するか

    どのような分析手法で課題を解決することができるでしょうか。画像認識音声認識、自然言語処理のように技術面から考えてみましょう。

    (例)
    ・よくあるメールの問い合わせ内容を学習させるための機械学習が必要
    ・テキストを解析して文章を生成するために、自然言語解析が必要

    ・AIの効果をどうやって知るか

    効果測定の方法を先に考えておきましょう。せっかくAIを導入したにも関わらず、効果が分からなくなり「AI導入のためにかけた負担の方が大きかった…」ということを避けるためです。

    (例)
    ・作業時間の短縮
    今まで〇時間かかっていたが、AIを導入することにより〇時間に短縮する
    ・人件費の削減
    ・自動作成した文章の精度

    自動化に用いるためのデータ

    ここまで、「既存業務・事業を定義し、AIを導入することによってどういう効果を得ることができるか」ということを考え出してきました。次は、自動化に用いるためのデータを理解しましょう。ここではAIに自動化に用いるためのデータの一部を挙げていきます。

    • Excel、CSVに入力した顧客データ
    • webサイトから取り出してファイルに出力したデータ
    • 画像認識に用いるデータ

    自動化に用いるためのデータの形式や中身を理解することができたでしょうか。「自社にあるデータの整理が難しい…」「データが不足しているが、対処法が分からない」といった場合でも、データの整理に強い企業を『社内にAIを導入するまでのプロセスを考えてみた(後編)』で紹介するので、読み続けていただると幸いです。

    費用対効果の算出

    当たり前ですが、AIにかかる費用と、AIを導入した場合の利益・時間的効率を算出しましょう。AIを導入するための重要な説得材料になります。

    人間でやった場合とAIがやった場合を比較します。
    上記の例は「業務効率化」について考えているため、時間対効果も考えていきます。

    人間がやった場合
    (定義)
    ・1人当たり1日平均〇通のお問い合わせメールがくる。
    ・1通当たり返信の文章を作成するのに現状〇分かかる。
    ・営業部の社員は〇人。
    ・1人1時間当たり時給を〇円とする。AIがやった場合
    (定義)
    ・初期開発費用は〇円。
    ・開発時間は〇時間。
    ・学習時間は〇時間。
    ・AIによってメールの返信内容を確認する時間が1通当たり〇分に短縮。
    ・1人1時間当たり時給を〇円とする。

    このように、定義から費用対効果を算出して、人間とAIのどちらが費用対効果が高いか示しましょう。

    AI導入でつまづきがちなポイント

    「ここまで考えたが、社内では解決できないようなことが発生し、この先にすすめる気がしない…」という一般的につまづきがちなポイントを出してみます。

    • 開発技術が自社にない
    • 既存業務・事業の定義が不足している
    • データの整理が不足している

    ここでつまづいてAI導入まで踏み出せない…という方にむけて、AINOWでは「AI導入受注企業リスト」を作成します。
    続きは『社内にAIを導入するまでのプロセスを考えてみた(後編)』の公開までお待ちください!

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