あきこちゃんが最強将棋AI「Ponanza」を搭載した裏側 対談企画 マイクロソフト×ローソン

みなさんはローソンの公式キャラクター「あきこちゃん」をご存知でしょうか?

あきこちゃんとはローソン公式キャラクターで、ローソンでアルバイトをする大学2年生。ローソンTwitter店に勤務しているそうです。
ローソンのLINE公式アカウント上でも気軽に会話することができます。

ぜひTwitterでフォローしてあげてください!

2018年2月、あきこちゃんは将棋のスキルを得て進化を遂げました。なんと2017年5月の第2期 電王戦で佐藤天彦名人に勝利した将棋ソフト「Ponanza」のスキルを搭載したんです。

実際にあきこちゃんと将棋を刷る画面(左)あきこちゃんとのLINEの画面(真ん中)対局開始前の画面(右)

Ponanzaとは
メイン開発者はこの記事にも登場する山本一成さん。

2013年3月に第2回電王戦第2局で佐藤慎一四段に勝利し、現役プロ棋士に公の場で勝利した世界初の将棋ソフトとなった。2013年11月には、第1回将棋電王トーナメントで優勝し、初代電王になった。


しかし、なぜあきこちゃんに将棋スキルを搭載したのでしょうか?そもそもなんでPonanzaをあきこちゃんに?

あきこちゃんはマイクロソフトが開発したりんなちゃんの機能を搭載しています。

りんなちゃんのTwitterもぜひフォローしてみてください。

あきこちゃんへのPonanzaの導入にはマイクロソフトが関係しているのでしょうか。
そんな疑問を解明すべく、あきこちゃんの裏側を支えるローソンのエンジニアの岩立拓也さんと、りんなちゃんの研究にも携わったマイクロソフトの冨田恭平さんに編集長の亀田がインタビューしました。

冨田 恭平さん・・・2014年東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。2014年マイクロソフトディべロップメント株式会社入社後、ソフトウェアエンジニアとしてWindowsのIMEやCortanaの開発に携わる。2017年からはAI and Research Groupの「りんな」チームにて、ローソンクルー♪あきこちゃんを含む複数の対話型AI開発を担当している。

岩立拓也さん・・・2010年に千葉大学情報画像工学科を卒業。ソフトウェア開発会社を経て2016年にローソンデジタルイノベーション株式会社に入社。LINEあきこちゃん他さまざまな案件でエンジニアとしてLawsonのマーケティング部門をサポートしている。

なぜあきこちゃんにPonanzaが搭載されたのか

AINOW編集長 亀田:あきこちゃんが将棋ができるようになったきっかけは、マイクロソフトのりんなちゃんの機能が搭載されていることに関係しているんですか?

マイクロソフト 冨田:会話する部分の機能はマイクロソフトのりんなですが、将棋は違います。ローソンのあきこちゃんのために新しく機能を導入しました。あきこちゃんにはオセロをするリバーシ機能がありますが、これはりんなのリバーシ機能と同じです。

亀田:では、なぜ将棋AIが入る流れになったんでしょうか?

ローソン 岩立:マーケティング部のシニアマネジャーの白井が漫画「3月のライオン」が好きで、ずっと「あきこちゃんに将棋を入れよう」と言っていたんです。りんなちゃんは将棋ができないので、強い将棋のAIをお借りしようと思っていました。

ローソンは、もともと電王戦に2回程協賛していました。その会場で白井がPonanzaの開発者の山本さんに会っていて、名刺交換だけしていたんですよね。

その後、山本さんとマイクロソフトの藤原さん(冨田さんと同じ「りんな」チーム)が終電までファミレスでパフェを食べているときに、藤原さんから将棋AIをいれたいと布石を打っていてくれたんです(笑)

その後日、私と山本さんと白井を含めて食事をする機会があって、そのときにはじめて「ローソンのあきこちゃんで将棋をやりたいと思っていて…」と伝えたら山本さんが「いいっすね!」と快諾してくれてスムーズに決まりました。

亀田:それで将棋というチョイスなんですね(笑) 朝日杯(朝日新聞社主催の将棋の棋戦)で将棋AIが注目された時期でタイミングがちょうど良かったですね!

岩立:ほんとうにたまたまでした(笑) 開発に時間がかかっていたときに、朝日杯に協賛することが偶然決まって、「これはいいやーっ」と思い、出すことができました。将棋をやりたいということ自体は白井が1年くらい言っていましたね。

亀田:タイミングってスゴイですね。あきこちゃんは負けたことってあるんですか?

冨田:ほとんど勝っています(笑) 勝率はほぼ100%です。人間が対戦しているかはわからないので、あきこちゃんとあきこちゃんを戦わせて負けている場合もあるかもしれません。ソフトウェアを使って勝負している可能性もありますので、人間が戦っているかはわかりません。しかし100%に近いですね(笑)

亀田:強すぎますよね(笑)どれくらいの期間で開発したんですか?

冨田:期間では2ヶ月ちょっとです。本当の注力したのは1ヶ月くらいです。あきこちゃんを可愛くするのが大変でした。

亀田:早いですね。Ponanzaってそう簡単に組み込めるんですか?

冨田:Ponanzaはプログラムなので、それをサーバー上でホストするようなサーバーを作りました。そのあと、大量のトラフィックをさばけるシステムを作って完成しました。

亀田:確かに同時に戦う数が多いですよね。そもそも、なんでチャットUIの中に将棋をいれた効果はありましたか?

冨田: りんなもそうですが、コミュニケーションを楽しんでいただくことが大事です。会話だけでなくて、ゲームも提供することであきこちゃんとのコミュニケーションをもっと楽しむことができます。

岩立:ゲームは定着率がいいんですよね。スタンプを増やしてもブロックされてしまうことが多いので、「このアカウントをいいよ〜」ということを伝えたかったんです。

亀田:楽しめる要素があるとブロックしようとはなりませんからね!これから将棋以外でやっていこうと思っていることはありますか?

岩立:検討中のものはあります。ゲームの横展開は具体的には上がっていません。Ponanzaが強すぎて誰も勝てないので、誰でも勝てる将棋はいいかもしれないですね(笑)

亀田:確かに強すぎますね。ここまで勝てないと思っていましたか?

岩立:ここまで強いとは思いませんでした。今まで100数回しか負けたことがないです。レベル的には6段の方がだいたい10分くらいで勝てるくらいです。逆にもう少し強くしなくてはいけないんじゃないかと思っています(笑)

亀田:強さは調整しているんですか…?

冨田:強ければ強いほどマシンパワーを食います。相当な人数が使うので、そこで少しは調整しています。

一般の方がたくさんくるので、強いサーバーを用意しなくてはいけません。でもサーバーが落ちたことはまだありませんよ。しかし、りんななどを処理しているサーバーに比べると、すごいサーバー負荷ですね(笑)モニタリングしていたら常にCPUが振り切っている状態でした。特に初期はお昼休みの時間帯がピークでしたね。

亀田:調整している割には強すぎですよね。ローソンさんはAIの取り組みははじめてだったんですか?

岩立:受発注システムや立地判断などはAIを使っています。社内でAIAI言ってはいますが、チャットボットなどユーザの方と関わる部分でAIを使ったのは初めてです。

亀田:はじめてだったんですね!ユーザとのコミュニケーションとして、あきこちゃんのチャットUIを取り入れたメリットはありましたか?

冨田:アンケートの回答率が良いことですね。アンケートがランダムで発生して会話の中に差し込むのですが、たくさんの方が回答してくれます。特に感想などをちゃんと応えてくれることがありがたいですね!

亀田:お二人とも、ありがとうございました!


あきこちゃんが将棋を打つようになった裏側には、偶然のタイミングなどの奇跡があったんですね。話がぱぱっと進んで2ヶ月で導入に至るとは、さすがマイクロソフトさんとローソンさんのスピード感はすごいなと感じました。今度はぜひ山本さんにもお話を聞いてみたいですね。あきこちゃんは、将棋だけでなくオトクな情報の発信や、普通の会話まで、さまざまなコミュニケーションを楽しむことができます。ぜひ友達登録してみてくださいね。そして、ぜひPonanzaとの勝負も楽しんでみてください。ぜひ勝ってください!

あきこちゃんはこのQRコードからも追加できます!

2018.3.1 取材・編集:おざけん

おざけん

人工知能・AI専門メディア AINOWデスク ┃ カメラマン
┃ Twitterでも発信しています。@ozaken_AI ┃ AINOWのTwitterもぜひ@Ainow_ai┃
出演: 日経CNBC「日経カレッジ・ラボ」日本テレビ 「ZIP!」など┃

AIが人間と共存していく未来を作りたい。そのために発信していきます!

無料メールマガジン登録

週1回、注目のAIニュースやイベント情報を
編集部がピックアップしてお届けしています。

こちらの規約にご同意のうえチェックしてください。

規約に同意する