WEEKLY人工無脳 (2018.6.18~6.24)

 

 

 

①「空の目」として暴力行為を検知するAIドローン

ドローン視点からの空撮動画で人を撮影し、「暴力行為」を行っている人間を検知するシステム。

群衆の中から暴力行為が特定されれば、サッカー場のフーリガン対策に有効かもしれない。

とか書いてますが兵器臭がすごい。

この群衆監視システムが検知できるのは「首を締める」「殴る」「蹴る」「撃つ」「刺す」などの暴力行為で、被撮影者の人間の姿勢推定情報を元に判断するようです。学習データには暴力行為の「演技」をした動画を使ったそうなので検知精度にもまだ難ありで、対象人数が増えると検知精度が下がったり、「ハイタッチ」を暴力行為として検知したりするそう。

人間の行動すべてを精査に分類することは難しそうですが、「暴力行為」のように目的を限定して機械検知を行うことはこれからまだまだ増えそう。第9回にも「万引き前の行為」を検知するカメラシステムの話がありましたが、次は人間のどんな行動を検知してくれるのか楽しみ。

②FacebookからPose系の最新作がオープンソースとして公開

毎回デモ動画がかっこよすぎるPose系のやつ。FBから”DensePose”が公開されたそうです。リアルタイムの推定動画が完全にSFのワンシーン。
これまでの体の姿勢情報(ボーン情報)から更に進化し、ピクセルレベルで人体位置が取れるそうです。「腕は腕でも、腕のどこか」ということまでわかっちゃう。そしてこれがオープンソース。すげーなー。
DensePoseのライセンスはAttribution-NonCommercial 4.0 Internationalなので商用利用は禁止です。お気をつけを。

③アマゾンはAIから仕事を奪われてるのではなくAIと「協業」を始めている

未だ勢いを失わないAmazon様、本業のECサイトは在庫管理もレコメンドもなんなら商品のピックアップまでアルゴリズムやロボットに任せて、手が空いた人間は新しいビジネスモデル作成(Prime AirやWhole Foods Market関連)をやっていて、まさにAI時代の働き方をし始めてるという話。

タイトルは「仕事を奪う」という言葉を使ってますが、全然反対で、単純作業は機械に任せて人間は意思決定の伴うクリエイティブな仕事をするという、これこそまさにAI社会で実現したい人間もラクで楽しく働くためのスタイルではと思ってます。そろそろ「奪われる」という言葉を使うのを止めませんかという感じ。

④携帯電話ネットワークによる動態人口予想

スマホの電波が今どのアンテナ基地局とつながっているかという携帯電話ネットワークの情報を元に、個人を特定できない形で250~500メートル四方の人の分布を推計して人の動きを予想する実験の話。実験を実施するという話で、結果などはこれから。
ドコモ回線だけで7千万回線以上あるそうなので、全キャリアで実験せずとも十分に動態推定はできそうです。

都内などであれば人の位置情報はかなり正確にこのネットワークで把握できるはずで、こういった情報を生かしてどんどん便利なサービスを作ったり街のデザインに生かしてほしい。災害時などにもきっと役に立つはず。

⑤こういうの出始めたら終わりだと思ってたらもう終わっていたという話

札幌市の業務用ソフト会社が従業員の「笑顔度」によって出勤登録を行うシステムを開発し話題となっているというネタ。
圧倒的な闇を感じるやつ。

社員の顔画像分析を行い「笑顔度」を算出。それが一定値以上じゃないと出勤登録できないらしいです。

導入した理由は

「弊社の出退勤管理システムを利用しているサービス業とやりとりする中で、『やはり従業員は笑顔が重要だな』と感じたのが、開発のきっかけです。

それでなんで出勤登録のときに笑わないといけないの?というのは多くの人の感想でいろんなツッコミがあったらしいです。それに対して開発会社の社長は

厳しい意見にイー・カムトゥルーの上田正巳代表はこう説明した。「(ネットの意見については)なるほどという感じです。ただサービス業ではやはり笑顔が必要ですよね。数値は自由に設定できるので、会社の運用次第だと思います」

おう、、、

⑥アイドル顔生成最新作がもはや実在アイドルの宣材写真レベルでビビる

アイドル顔生成といえば、すぎゃーんさんですが、すぎゃーんさんではない京都の会社が作ったGANによるアイドル顔生成。
すぎゃーんさんも褒めてますね。

百聞は一見にしかず、ということでこちらを見てください。生成が綺麗すぎて「??」ってなる。人の顔生成もここまできてたのか。

学習画像はきっとAKB系の宣材写真を使ったのだと思われますが、それにしても綺麗過ぎる。なんだこれ。具体的にはどうやって学習させているのか気になります。同社は同じく二次元キャラ生成もやっているそうで、そちらも半端じゃなく綺麗。(gifがこちらにありました)

⑦人工歯をGANでデザインするクールな取り組み

引き続きGANネタですが、これもすごいイカしてる。
失った歯をGANでデザインし、より効率的に、かつ個人にあった歯を作成する技術の取り組みについて。

人工歯は、これまでテンプレート歯みたいなものから歯科医が頑張って個々人に合うようにCADなどで整形し作成していたそうです。その改善策として、GANを活用して失った歯の形状を生成しそれを元に作成したところ、医師が作成した歯よりもより患者の口に合い、噛みあわせが良かったそうです。GANによる歯デザインの生成の特徴は、人間には難しい複雑で自然な歯のイメージの作成が可能なことだそう。

技術的には、失った歯とは反対側の歯の写真を撮り、その画像を元にしてpix2pixから歯のイメージを作成し歯冠を作成するとのこと。なるほどー。

GANは完全には綺麗な画像を生成できないことがネックでしたが、歯のようなものであればある程度ゆらぎを持って作ってしまって、あとは医師が微調整できればokですね。GANの活用事例のお題としてすごく良い感じにハマってる気がします。

⑧人工知能よりも翻訳コンニャクをはやく発明してほしい

「この論文が日本語で読めればどれだけ効率があがることか…」とこれまで100万回くらい思ってますが、わりとこの業界の人は当たり前のように英語論文を読んでいてツライ。日本語論文とか頑張って探そうとするとバカにされる気がしてツライし、論文の解説を日本語でやってくれてるスライドとか見つけると神かと思ってます。

そんな悩みに対してとりあえず「公開された最新論文のアブストだけでも日本語でざっと見れる君」を作ってくれた方がおられた。尊い。

めっちゃ良いのですが、この便利さと快適さを知ってしまうとなおさら「論文全文が完璧な日本語化できれば…」と思ってしまう強欲。googleはよ。

⑨インターネットはもはやナードが集まる場所ではなくなった

これをデータサイエンスのネタとしてよいのかは謎ですが、バズっていたので。

「男性の声を機械学習で女性の声にしたらやる気が出るぞ!」って講演したら、「女性差別だ!」となって炎上したという話。Y!社も公式に謝罪文を出したりしました。

少し前に「土俵に女性があがって炎上」という話がありましたが、あれって、10年20年前に起きていても誰もここまで社会問題にしなかったと思うのです。この10年ほどですごい勢いで男女平等や多様性の許容というアイデアが日本にもインストールされて、昔では「女性が土俵に上がったらやっぱりおかしいじゃん?」とスルーされていた話にも「いや、それは性差別でしょ」と反応できるようになったのだと。googleなどの大手企業も性差別には厳しい措置をとったりする時代なのです。

そうはいっても「性差」をどう捉えるかはそれこそ個々人の問題だと思うので(例えば、レディーファースト文化を女性差別と考える人だっている)、つまりそういったアイデアは胸のうちに秘めたり匿名で公開されたりするぐらいで、公の場で話すのはもう時代に合ってないからやめとこうぜというだけの話な気がする。実は[8割の女性が職場にイケメンがいるほうが良いと思っているアンケート結果があったとしても、それは匿名だから気にしない気にしない、みたいな。

発表内容が載っているログミーの記事を読む感じだと、会場はけっこうウケていたようなので、やはり特定のクラスターの人たちが集まってその中では問題視されず称賛された内容だとしても、ネットで広く出回ってしまうと世間一般のフィルターではアウトということはきっとたくさんでてくるのでしょう。最近落語に行ってきたのですが、けっこう女性蔑視な内容もあってこれがネットにでると燃えるんだろうなぁと思ったことを思い出しました。

この件に言及しているかは不明ですが、つまりこういうことだなーと思ったツイートを引用

LTでウケたのも、世間で炎上したのも両方理解できるけど、なんかこれはこれで窮屈だなと思いつつ、対応策として良いなと思ったツイートも引用

 

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吉田 勇太

都内のデータ分析・人工知能関連の会社のデータ分析官
Data Analyst Meetup Tokyo 運営メンバー
デザインスタジオ Kokuhaku Inc. メンバー

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