ユーザーに時間を感じさせない!機械学習のモバイル処理を活用するWantedly PeopleのUI・UXへのこだわり

名刺はビジネスパーソン同士をつなげるツールとして、昔から社会を支えてきたツールです。今では、スマートフォンアプリで管理することが当たり前になり、多くの人が名刺管理アプリを活用しています。

その裏側では、名刺のデータ化の部分でAI・人工知能の技術が活躍しています。機械学習の技術を活用することで、画像の中の名刺部分を認識したり、名刺の中のどの情報が氏名で、どの情報がメールアドレスなのかを推定しています。

今回注目するのは名刺管理サービス「Wantedly People」です。独自に構築したシステムで同時に最大10枚までの名刺を認識するWantedly Peopleですが、その技術の裏にはユーザに配慮したUI・UXのこだわりがあります。

Wantedly People:ウォンテッドリー株式会社が運営する画像認識技術を活かした名刺管理サービス。アプリで名刺を撮影するだけで、氏名や会社名、役職名といった情報を認識し、プロフィール情報として自動でまとめてくれるのが特長。また、クラウド上の情報からユーザー間に共通の知り合いの情報なども表示されたり名刺交換した相手の会社や業界のニュースが流れるなどの機能がある。

使うことで気持ちよさを感じて欲しい!開発担当者が語るUXへのこだわりとは

今回はWantedly Peopleの開発に携わった縣さんと相川さんにお話をお伺いしました。

ーーWantedly Peopleの開発のきっかけはなんですか?

相川さん:近年、人生100年時代と言われ、1つの会社で生涯働き続けるということはなくなってきています。たとえば、スキルのあるエンジニアであれば、転職はすでにキャリアアップの有効な手段の一つです。スキル以外にも、個人が転職する際に重要となる人脈や評判を持ち運び、継続して活かせるようにしたいという思いから、Wantedly Peopleを開発しました。

UIやUX作りにこだわっているため、多くのユーザーが継続して活用してくれています。

ユーザーが名刺交換をする頻度にもよるのですが、より多くの名刺を登録しているユーザーは検索などの機能をかなり活用しています。一方で、名刺交換の頻度が少ないのか、あまり名刺を登録していないユーザーへのアプローチが課題です。

名刺交換相手の会社や業界のニュースを表示し、ユーザーが次のコミュニケーションの話題を発見できる機能を追加するなど、楽しく便利に使ってもらえるための工夫を凝らしています。

 

機械学習の処理時間をデザインで補完する!? Wantedly PeopleのUI・UXへのこだわり

ーーWantedly Peopleならではの他サービスにはない強みは何ですか?

相川さん:当初から、即座にデータ化することに注力していました。撮ったその場でデータ化し、プロフィール情報になるという体験の気持ちよさを大事にしています。

また、複数枚同時にデータ化できるというサービスも当時はありませんでしたので、複数枚を同時に認識できる効率の良さにもこだわりました。

名刺の管理を煩わしく感じている人も多いのではないでしょうか。しっかり管理するというより即時に処理してデータ化することにフォーカスし、ユーザーに使用することの気持ちよさを届けたいという思いから、技術はもちろんUXも大切にしています。

ーー機械学習はどのように活用しているのでしょうか?

縣さん:機械学習は、カメラの画像から名刺の位置を特定し、名刺画像を切り出して認識するところまでを行っています。

効率よく情報を処理するために、何をモバイルで処理し、何をサーバーで処理するのかの住み分けを意識しています。

Wantedly Peopleではカメラの画像から名刺の位置を割り出して切り出す作業はモバイルで行っていて、切り出した情報はサーバーに送ってサーバー側で処理し、プロフィール情報にします。切り出した方が送る情報量が少ないため、このような仕様にしました。

また、Wantedly Peopleでは名刺の部分に丸のマークを出して認識する仕組みになっており、その間の画像をサーバーに送り続けると通信量が大量になってしまうため、名刺部分の認識はモバイル側で行っています。デザイナーと密にコミュニケーションを取りながら開発していたので、アニメーションを活かしてユーザーに待っている時間を感じさせないよう工夫しました。枚数が多いとデータ送るのに時間がかかってしまいますが、1枚の時も10枚の時もスムーズに処理される感覚をユーザーが感じられるように調整しています。

ーー開発の際に大変だったところはありましたか?

縣さん:スマートフォンのCPUに全力を出させないように調整しなければならなかったことです。全力を出させてしまうと端末が熱くなってしまったり、バッテリーがすぐになくなってしまいます。

当時はTensorFlowが出たばっかりでしたが、それをモバイルで動かすのはかなり難しい状況でした。というのも、モバイルだと1回の認識に4秒かかっていたからです。一般的にディープラーニングを使うには元々のモデルをチューニングして自分達の使用用途に合わせることが多いですが、元のモデルが4秒かかっていたので、それを認識やモバイルで使っていくのが難しかったです。

ーーサーバーに送った情報の処理の速度はどれくらいなのでしょうか。

縣さん:だいたい1秒くらいで認識しています。

Wantedly Peopleの競合優位性は、やはりモバイルで素早く認識をしてアップロードするところなので、スピードを落とさないように努力しています。

Wantedly Peopleが実践する組織づくり

ーーWantedly Peopleは技術本位ではなく目的本位という印象ですが、エンジニアもUXを意識するようにするために、組織としての工夫もあるのでしょうか?

相川さん:例えば、機械学習チームであっても同じプロジェクトに関係するサーバーサイドチームやモバイルチームといった他のチームと一緒に会議をしたり、意見を出し合ったりするようにしています。機械学習チームだからといってサービスの裏側だけに関わり続けるという構造になっていません。

一般的な企業では研究と開発が大きく分かれているところが多いと思います。しかし、ウォンテッドリーでは断絶を避けるために、研究を研究とは呼ばず、チームとしては分けていても同じ目線で議論ができるようにチームを構成しています

また、ユーザー数などのデータをエンジニアがいつでも見れるようにしています。そうすることで、作ったエンジニアがサービスに対して責任を持ち、ユーザーデータを参考にしながら次の改善や開発に活かすことができるからです。

将来に向けて

ーー将来に向けて何か考えていることはありますか?

相川さん:精度の向上です。アプリをリリースした2016年に比べて今の技術は進んでいるので、最新の技術も取り入れていきたいと思っています。

また、UI・UXとして、今後はユーザーがデータの蓄積自体が嬉しいと思えるような工夫をしていきたいです。

あとがき

Wantedly Peopleを使えば、交換した名刺をその場で撮影するだけで即座にデータ化しモバイル上で管理することができます。また、出会った人同士の繋がりも可視化されるため、人脈の管理にも最適です。

最大限までUXを考えて開発されたWantedly People。

サービスを開発する上で技術本位で開発を進める企業が多い中、目的本位の開発という点がウォンテッドリーの開発の魅力だといえます。

「名刺がたくさんあって整理大変!」「自分の人脈・評判をキャリアのために持ち運びたい!」という方はぜひWantedly Peopleを使ってみて、そのUI・UXの良さを感じ取ってみてください!

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