安心してロボットに任せよう インターンで協力してボトルネックを解消し本来の業務に集中できるようにした話

2022/01/06
2022/02/14

dip Roboticsの取り組みを紹介するシリーズの第三弾です。
dip Roboticsはディップのデジタル改革専門組織です。その組織内にRPAチームがあり、ディップ社内外の業務の自動化に日夜取り組んでいます。
販売会計課では取引先確認のためにRPAを導入していました。しかし導入されたRPAは不具合も多く、実際にはRPA実行時に人が付きっきりになる必要があったそうです。そこで立ち上がったのが今回のRPA改修プロジェクトです。インターンが2人でタッグを組み、エラーの根本的な原因となっていた技術を入れ替えることで解決に導きました。
今回そのプロジェクトを担当したdip Roboticsインターンの笹澤に話を聞きました。

笹澤健司 プロフィール

商品開発本部 次世代事業統括部 dip Robotics Biz dev課 インターン

RPA開発・設計・保守を担当。

RPAなのに動作が不安定で人が付きっきりだった

――取り組み前の状況、運用方法を教えてください。

販売会計課では取引先確認のためにRPAを導入していました。しかし、そのRPAは動作が不安定で人が付きっ切りで監視し、停止する度に手動で再稼働する必要があるという状況でした。

――どのような課題をお持ちでしたか。

詳しく調べてみると販売会計課で利用しているRPAは画像認識で動作する仕様だったため、解像度に左右されてしまいエラーが起きやすいという課題がありました。

――システム導入検討の経緯について教えてください。

一日に数百件の申請データの処理が求められるため安定して動くRPAの導入が求められていました。

ボトルネックとなっていた画像認識の手法から脱却。より精度の高いRPAを。

――どのような施策を選びましたか。

画像認識を元に自動化するという従来の仕様から、オブジェクトを認識していく仕様に変更しました。

従来の画像認識は対象の色や形をもとに認識させる方法ですが、オブジェクト認識はソースコードのタグなどを用いて操作対象のある場所をRPAに把握させます。郵便物の配達員が「〇県〇市の〇番地にある家」といったように、届け先の住所を具体的に絞り込むイメージです。
そのため拾いたい情報を非常に高い精度で拾うことができるので今回はオブジェクト認識の手法を選択しました。

――その施策のポイントになったところはどこですか。

ページの要素を取得して属性を認識してくれるので、より精度の高いRPAとなります。営業さんが誤って入力してしまったデータを確実に処理してくれるので重要なデータの処理も安心して任せられるところが オブジェクト認識の強みだと思います。

問題が発生してもインターン同士で解決しながら作り上げた

――どのような体制で取り組みましたか。

同じチームのインターンと2名体制で行い、私は主に開発を担当しました。開発の際には最適な方法や注意点などを、お互いに確認し合いながら作成しました。

――プロジェクト推進体制や環境のよかった点について教えてください。

一緒に担当したインターンの方が開発経験が豊富な方だったので、プロジェクトの進め方、開発時の考え方等この先一人でプロジェクトを任された際の参考になりました。

――本取り組みで困難だったことについて教えて下さい。

IE(インターネットエクスプローラー)で認識したい属性が可変だったときです。技術的な話になりますが、IEでは使えるプログラムの関数が限られているため、取得が難しい要素に加え属性が可変だったときは手が止まってしまいました。

――どのように問題解決しましたか。

技術ページを読み漁り、チームメンバーに相談しながら、最善策を見つけ解決することができました。

人が付きっきりになる必要がなくなり本来の業務に集中できるようになった導入後

――現在の運用を教えてください。どのような利用方法をしていますか。

毎営業日フルで稼働しています。

――どのように課題が解決されましたか。

高精度かつ安定したデータ処理を実現し、万が一エラーが起きた場合は自動で再稼働する仕様のため、人がつきっきりで対応する必要がなくなりました。

――導入してよかったと思う点や今回のプロジェクトのやりがいだった点を教えてください。

取引先確認の処理は安心してRPAに任せて、先方の方にはほかの業務に注力して頂けるようになったときは自分の作ったロボットが人の役に立てていると実感しやりがいを感じます。

――運用上で生じている課題などはありますか。

月に数件ではありますが、処理できないデータがあるので、早期に解決してロボットの質を向上させたいです。

今後は保守性も考慮に入れた開発をしていきたい

――今後取り組みたい改善はありますか。

今回のプロジェクトでは、安定して動くロボットを作りきることが目標となっていたので、今後は保守性を意識して他のメンバーが修正しやすいような開発を心掛けていきたいです。

――RPAチームの中で今後取り組んでいきたいことはありますか。

ルーチン化している業務はロボットに任せていただき、時間を割きたい業務に専念していただけるように推進・開発していきたいです。

ありがとうございました!