テクノロジーの進化とエンジニアリングの未来 – 豊濱CTOに聞く【CTOが語るAI活用のポイント】

2023/12/26
2024/01/05

 

はじめに

今回のインタビューでは、ディップ株式会社のCTO豊濱吉庸に「テクノロジーの進化とエンジニアリングの未来」について聞きました。
AIをはじめとした技術が急速な発展をするなかで、エンジニアの役割がどのように変化していくのか、またそれが私たちの未来にどのような影響を与えるかについて、深く探求していただきました。

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プロフィール

豊濱吉庸
ディップ株式会社 執行役員 CTO
2020年11月入社。大手ITサービス企業ではコンテンツの設計・開発、開発リーダー、テクニカルディレクター、CTO-Boardのキャプテンなどを担当。その後は、さまざまな企業にてシステムアーキテクチャを担当。ディップ初のCTOとしてジョイン。

X(@yoshi_toyohama) / Qiita(@toyohama)
「プログラムを書くだけがエンジニアじゃない」〜ディップCTOが新卒に求めるものとは〜

 

インタビュー

DXやAIに対する見解を教えてください。

DXやAIについては、単なるバズワードという段階を超えたと感じます。例えばプログラミングの面だと、何かを処理する関数を書こうとすると、AIがコード全体を読み取って、その関数の実装を数秒で提案できてしまう。人間が行う作業が大幅に減少し、コードやデータの扱い方が変わってきています。

エンジニアリングの世界は大きく変わりつつあります。AIの登場により、ある程度の均一性が担保され、プログラミングの質が向上すると考えています

人間とAIの関わりについてどう思いますか?

AIが多くの作業を楽にしてくれていますが、最終的には人間が判断する必要がある部分はまだたくさんあります。先程の例でも、数秒で提案されたコードの正誤を判断するのは人間で、判断するには高度なテクニカルスキルと経験が必要です。

AIの台頭によって、AIが代替できる領域のみの技能を持つエンジニアは活躍の場がなくなっていく一方で、設計や戦略を考えられる、プロダクトがどうあるべきかをしっかり考えられるテックリード、ディレクターなどの存在はますます重要になるでしょう。

技術変化の社会的影響については?

技術の変化は、これまでも社会に大きな影響を与えています。

例えば、過去には駅に改札員がいましたが、今では自動改札が主流です。今、新宿駅などで自動改札がなく、ひとりずつ改札員が対応していたら、大混乱を招きますよね。でも、あのひとたちって、すごい特殊能力だったらしいんです。一瞬で定期の期限を見て、その切符が正しいものなのか判別できる人たちだった。けれども、自動改札ができて、活躍できる場が縮小してしまいました。

このように、技術の変化によって特定の職種が縮小、あるいはなくなっていくことは避けられない流れです。しかし、技術の変化によってまた新しい職種が生まれ、より新しい価値を提供できる役割ができていくとも言えます。

技術革新に対するエンジニアの対応は?

エンジニアは、技術革新に対応して進化する必要があります。例えば、ガラケー時代のアプリ開発からスマートフォンアプリ開発への移行のように、時代に合わせてスキルを更新することが重要です。AIが普及した世界でも同様で、「プログラミング」の定義が変わり、エンジニアの役割も変化します。結局、変化や進化に対応し、技術を使いこなせる人がエンジニアと呼ばれ続けるでしょう。

最後に、この技術の変化に対する一般人の対応についてはどう思いますか?

技術の変化は止められないもので、それに適応していくしかありませんし、これまでもそうだったと考えています。

昔、バイクのレースで活躍した有名な選手がいました。この選手はアクセルコントロールが非常に上手で、ミリ単位での微細な調整を行い、速さを極めていました。しかし、バイクが電子制御化され、タイヤの空転や横滑りをシステムが制御する時代が来てしまいました。

そうなると、アクセルの制御に集中するよりも、より速く走るために、姿勢の制御や他のバイクとの競り合いなどに重点を置く時代になり、大きなスランプに陥りました。最終的にはそこを克服して、彼は再び復活することができましたが、これは技術の変化に適応する必要があるという良い例です。

インターネットやスマートフォン、SNSのように、AIが当たり前になる時代が来るでしょう。今では、「インターネットを活用して何かを調べる」とは言わず、「(インターネットを使うことが当然だから何も言わずに)検索する」と言いますよね。そのうち、「AIで◯◯をした!」ということはなくなり、AIを使うことがごく自然になっていきます。

私たちは、時代や技術の変化についていくために常に学び、適応していく必要があると思います。

 

ありがとうございました!