オンライン商談ツールbellFace導入でリードタイム短縮と工数削減に成功した営業DX事例
バイトルやはたらこねっと等の求人情報サイトを主軸とした人材サービスを展開しているディップは、インサイドセールスの立ち上げにあたり、オンライン商談ツール「bellFace」を導入しました。bellFaceを活用することで営業リードタイムと、営業およびお客様の資料確認などの工数削減に成功し、テレワーク切替対応もスムーズにできたといいます。
しかしこの成功の裏側には苦難もありました。社員のオンライン営業に対する心理的ハードルをなくすための様々な施策を打ち出し、新ツールの全社浸透を支えた三人に話を聞きました。
自社メディア掲載に当たり社員の敬称のみ削除しております。
西谷龍二 プロフィール
営業企画部セールスマーケティング課課長
オンライン商談で成果を最大化させるべくインサイドセールスを側面から支援。現在はLTV最大化をミッションとしたデジタルマーケティングに従事。
柴田怜奈 プロフィール
戦略推進部営業推進3課 マネージャー
顧客とのタッチポイント最大化および売り上げ創出のための企画~実行・推進を担当。
脇谷聡 プロフィール
戦略推進部営業推進1課 マネージャー
顧客とのタッチポイント最大化に向けて、現場で挙がっている課題を解決するための新たなツール・商品の企画~推進を担当。
営業の可能性を模索し、bellFace導入。リードタイムと工数削減に直結
――bellFace導入の経緯を教えてください。
西谷:当社は、バイトルやはたらこねっと等の求人情報サイトを主軸とした人材サービスに加え、AI・RPAサービスを展開している「労働力の総合商社」です。労働力に課題を感じている全国各地の企業様向けに対し各事業で取り扱っている商材を販売しています。bellFaceを導入したのは4年前、まだインサイドセールスが世の中に知られ始めたぐらいの時期でした。営業の可能性を探っていく中で、オンライン商談にチャレンジすることになりました。
――導入後の成果を教えてください。
脇谷:まずは、リードタイムの短縮です。訪問は、まず電話でアポイントを取って数日後に商談という流れですが、オンラインはその場で商談につなげることが大きなメリットですね。スピード感ある対応が可能になり、受注率にも寄与しています。
また、bellFaceは時間も場所も選ばないため、契約後のフォローも定期的に実施できるようになりました。オンライン商談相手の多くは、過去に求人の掲載があった既存顧客が中心です。すでに商品を理解されているので、電話で簡単なフォローに留まっているケースもありました。ですが、bellFaceで資料共有の機能を使い、丁寧に話ができるようになったため、より顧客のサービス理解が深められていると思います。その結果、継続契約にもつながっています。
柴田:お客様や営業の工数削減もあげられます。例えば、求人広告の原稿を掲載するまでには、数回のやりとりが発生するため、お客様のお時間やお手間をかけてしまう状況でした。bellFaceの画面共有なら、その場で一緒に確認ができますので、数回のやりとりを1回で終えることができお客様へのご負担も削減できたかな、と感じます。その分、生み出した時間でお客様へ応募を届けるための分析や、掲載時の反響をまとめた資料や業界の動向収集など、お客様への対応の質を高める取り組みができています。
bellFace浸透のポイントは特定部署でのスモールスタートと、成功事例の共有
――bellFace浸透にあたり、苦労されたことはありますか。
柴田:当社は顧客との対面を大事にする文化です。お客様に直接会って寄り添う営業を推奨していた中でのbellFace導入に、社員も心理的な抵抗がありました。
まずは遠方の顧客が多く、物理的距離に課題のある部署から導入しました。営業メンバーに「物理的な距離を削減してその分時間が生まれれば、今以上にお客様に費やす時間を増やすことができる」と伝え、確実にbellFaceを有効活用できる組織で推進したのがポイントです。また、新しい取り組みに協力的かつ変化に順応できる組織であることも重要でした。上司がオンライン商談に前向きだと、メンバーの士気も統一されやすいですよね。この部署で狙った通り「bellFace活用で、移動時間にとらわれないので顧客接点が増えた」と活用が進み、社内浸透の足がかりになりました。
最初は1つの部署のスモールスタートですが、この成功事例を全社に共有すると、同じ課題のある他部署の社員が「取り入れてみよう」と思ってくれるようになり、徐々にbellFace利用数と商談数の増加につながりました。
――その後、社内の展開はどのように進みましたか。
柴田:bellFaceの活用拡大にあたり、営業メンバーの意識の変化もポイントでした。今までの訪問スタイルからいきなりのオンライン提案により、変化に戸惑う顧客ももちろんいらっしゃいますし、社内社外問わずITリテラシーも大きな課題でした。当社社員自身も、顧客に抵抗感を持たれているのではという不安があり、その不安がうまくいかない結果を招くなど悪循環がありました。
まず営業サイドの不安払拭のため、様々な部署からbellFaceを活用したお客様からポジティブな声を拾い上げて、bellFace活用のメリット集を作成し、展開しました。会議室を取る必要がないので相手の工数が減る、お客様の希望に沿った日程で打ち合わせが可能など、些細でもお客様側のメリットが分かれば自信を持ってオンライン相談を提案できるようになるなど、営業側の意識改革を進めていきました。ITリテラシーについては、従来のコミュニケーションツールである電話の延長で、そのまま商談に移行できる便利さと、接続自体の容易さでカバーできるようになりました。
脇谷:訪問意識が根強い社内文化を変えるには、ある程度の成果がないと切り崩せません。大人数向けの活用推進セミナーも行いましたが、同じような課題感をもった組織の成功エピソードの共有の方が、自分ごととして捉えられるのか社員のbellFaceへの関心に直結しましたね。ですので、小さな成功事例の積み重ねと共有は、bellFaceの導入からずっと続けています。
名刺プロフィールの活用でお客様とのコミュニケーションをスムーズに!レコログを使った新人教育も
――bellFaceを使う上で工夫されていることを教えてください。
脇谷:名刺プロフィールの面白い使い方があります。当社の営業はお客様とLINEを使ったやりとりが多くあります。そこで、名刺プロフィールの写真の1枚をLINEのQRコードにし、その場で登録してもらっています。それまでは、メールでQRコードやIDを送っても、お客様側がLINEの友達追加をしそびれ、いつまでもやり取りができないこともありましたが、bellFace商談中に友達追加の完了まで追えるので便利と聞いています。これは若いメンバーが、試行錯誤しながら思いついた方法です。レコログ機能も、新人育成やロープレにかなり活用していますね。
西谷:営業メンバーの数が多いので、アイデアも色々出てきます。社内には営業ナレッジが詰まっているポータルサイトがあり、そこにbellFaceでの成功事例やTipsを蓄積しています。良いアイデアをいかに現場から拾い上げて会社全体に展開していくかは、常に気にかけていますね。
柴田:今年は、新型コロナウイルスの影響で全社的にテレワークに移行しました。営業がスムーズにオンライン対応できたのも、今までの流れがあったからです。訪問不可能な時期はオンライン商談のKPIを設定し、いっそう活用が促進されて商談数と売上も確保できました。今ではオンライン営業の定着フェーズに至り、オンライン用資料の作成と共有、ロープレ大会、勉強会の実施も活発に行われています。
また今年の新卒には、新人300名以上を完全オンラインで研修を行いました。bellFaceの活用座学や理解度テストの実践に加えて、例年は訪問での営業研修を、今年はbellFace商談の研修に切り替え、オンボーディングが完了しています。新卒の彼らはキャリアのスタートがbellFaceでのオンライン商談なので、今後の成長と成果が楽しみです。
――今後、どのようにbellFaceを活用していきたいですか。
柴田:業績のいいメンバーの営業スタイルをレコログで蓄積して、みんなが学べる仕組みを作りたいと思っています。目指すべきは何百人といる営業メンバーのスキルの標準化です。
それからbellFaceの成功事例でよく見る「分業制」も導入したいですね。アポイント担当のインサイドセールス部隊とクロージング担当のフィールド部隊を分けて、より効率的な営業活動にシフトしていけたらと考えています。将来的には、訪問とインサイド、両方で実績を上げられるハイブリッド人材を増やしたいです。西谷:商談はかつて「ブラックボックス」と言われていましたが、オンライン化でオープンになりました。現状、営業メンバーが多いのでレコログも多すぎて見切れていない状態です。そういった手持ちのデータを、いかに活用していくかが今後の課題ですね。逆に言うと、それがフル活用できれば、教育を含め様々な分野に影響が与えられると思います。これからも、成果が上がるものはどんどん推進して使っていきたいです。
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