【登壇終了】驚異の95%浸透、ディップのBox導入120日間「BoxWorks Digital Tokyo」に弊社の鎌田昌樹が登壇しました
ディップでは、昨年3月よりファイル管理システムとしてBoxの導入を進めてきました。
先日、そのBox導入を担当した、弊社の鎌田が「BoxWorks Digital Tokyo」に登壇し、Box導入の過程やそのノウハウについての発表を行いましたので、今回はその概略をまとめてお伝えします。
ファイルサーバーの課題とBox検討の背景
ディップでは社内データの80%以上をファイルサーバーで保管していました。ファイルサーバーでの保存により困っていることが2つありました。
モバイル端末でファイル閲覧ができなかった
まず1つ目が、モバイル端末でファイル閲覧ができなかったことです。
営業の皆さんが外出先で気軽に資料を確認できなかったし、何かあるたびにパソコンを開きVPN接続して確認する、ということをしていました。
社外の人と共同作業ができなかった
2つ目が、社外の人と共同作業できなかったことです。
GoogleDrive・OneDriveは社内ポリシーで社外共有を禁止しています。
そのため、メールで資料を送付→資料をダウンロードし編集、メールで資料を送付→という作業を繰り返し行っていて、ものすごいストレスがかかっていました。
この2つの課題だけでも大きく生産性を落しているうえに、アクセスログ管理、メール誤送信、ファイルサーバーの維持管理などシステム管理者にとっては悩ましい課題が山積していました。
そこでファイルサーバーの停止を検討している際にBox Japanさんの話を聞きトライアル利用を始めたのが、Box導入のきっかけです。
トライアル利用の中で、様々な観点から他のクラウドサービスとの比較検討を行いました。その結果、利用シーンにあった細かな権限管理ができること、7年間ログを保管してくれること、管理者でもログを改ざんできないことなどBoxのメリットを実感し、ファイルサーバーの移行先はBoxしかないという結論に至り、Boxの導入に踏み切りました。
トライアル利用の終了後、提案資料を作成し、上長へ報告を行いました。これと時を同じくして社内DXプロジェクトが発足しました。これによりBox導入も加速しました。
同時期に進行したカケザンプロジェクト~他ITツール導入とのシナジー~
社内DXプロジェクト「カケザンプロジェクト」はITツールの導入により、全社コミュニケーションを変革し、データ活用を推し進め、ディップの文化を変える取り組みです。
コンテンツ管理にBox、コミュニケーションツールにSlack、リモートアクセスにZscaler、を使って、社員一人ひとりの力を最大限に引き出していこうというプロジェクトです。
徹底浸透のための「トップダウン」と「ボトムアップ」を組み合わせた導入体制
カケザンプロジェクトでは新しいツールがどうすれば利用浸透するかという点を重視して推し進められました。
全社浸透のための体制構築の方針として、「全社員のITリテラシーの向上」と「全社体制」という2点を掲げました。
そこでカケザンプロジェクトの体制は、全執行役員をアサインし全社で約120名のアンバサダー(Box利用推進担当者)を選出する全社体制を取りました。
最終責任を COO(最高執行責任者) が背負い、各部門を率いるすべての執行役員が部門浸透責任者となり、早期定着ために動きます。
それと同時に各現場で、なんらかの得意分野を持った社員がアンバサダーとなり、Box活用の勉強会や情報提供を通して一人ひとりをサポートする体制としました。
このような「トップダウン」からの推奨と「ボトムアップ」からの支援が早期定着の決め手になりました。
ディップでの活用事例
ディップでのBoxの活用事例を3つご紹介します。
埋め込みウィジェット
1つ目は埋め込みウィジェットの活用事例です。
Box導入前は、管理者が、ファイルサーバーやWebサイトへ資料を格納し、利用者は、それらの場所へ資料を取りに行ってました。WebサイトにはクラウドストレージのURLが書かれてたりするのですが、権限がなくてアクセスできないという問い合わせがくることもありました。
Box導入後は、管理者がBoxに資料を格納し、さらにWebサイトで埋め込みウィジェットを使うことで、利用者はWebサイト内で資料が確認でき、ダウンロードもできるようになりました。これにより情報取得が早くなりました。
定性的な効果になりますが、営業1300人×1日3分短縮=3900分(65時間)、65時間×22営業日=1430時間、時給@2500円だとすると、ひと月で「357万」のコスト削減に繋がった事例になります。
ファイルリクエスト
2つ目は、ファイルリクエスト機能です。
Box導入前は、毎月、取引き先から請求書を受領し、担当者はファイルサーバーに請求書を格納して、その後に担当者が経理担当者へ連絡していました。
しかしBox導入後は、ファイルリクエストとRelay Liteを使うことで、取引き先担当者はBoxに請求書を格納すると、経理担当者へ連携される仕組みを作りました。
これにより毎月5時間程度の工数削減に繋がりました。
BoxNotes
3つ目は、BoxNotesの活用です。
同時に複数人で編集可能なBoxNotesを活用することで、会議参加者全員で議事録を作成し、会議が終わったら議事録ができている、という文化を作ろうとしています。
こちらは社内の会議の効率化を推進する別の取り組みと合流して進行しています。
今後は社員による自動化などさらなる利用浸透を図る
今後は社員にRelayの活用を積極的に促し、全社で自動化を推進していきます。
またBox Platformの利用も視野に入れ、Boxとシステムを繋ぎ、コンテンツ管理基盤として利用していく予定です。
そしてファイル共有の方法として、添付ではなく共有リンクの送付への移行がさらに進むような施策も検討していきます。
導入検討中の企業様へのアドバイス
Box導入は社内のコンテンツ管理文化を破壊し「イチ」から作り直す覚悟が必要でした。システム部門が主体となり導入を進めると失敗する可能性が高くなりますし、成功させるためには、経営層を含む全部門の協力が必要不可欠だと強く感じました。
ディップでは全執行役員をアサインし部署ごとにアンバサダーを選出し、全社一丸となり導入推進することで短期間で浸透させることに成功しました。
少しでも参考になりましたら幸いです。
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