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2017年9月7日(木)に開催された イベント「人工知能の最前線が拓く新ビジネス創出セミナー2017」。イベントを主催する港区役所から委託され企画運営するキャンパスクリエイトによると以下のように趣旨が述べられている。
人工知能は第4次産業革命の中核とも言っても過言ではないほど重要な位置づけにあり、 その技術開発は急速に進み、人工知能が活用しやすくなるとともに、今まで考えもつかなかったよう な用途へ適用できることが実現されつつあり、メガベンチャーの創出まで大いに期待が掛かります。 本セミナーでは、人工知能による様々な最先端技術とビジネスモデルなど最前線の取組をご紹介し、多様な連携を促進することで新ビジネスの創出を目指します。
今回集まった9社は、国立行政法人NEDOから、教師データの作成まで幅広い。企画運営するキャンパスクリエイトが電気通信大TLOを兼ねていることも珍しいイベントだ。取り扱う内容が機微であることもあって資料/内容は非公開かつ写真禁止のイベントで画像がなく心苦しいが、イベントの雰囲気を感じていただければと思う。
5時間にわたるイベントとなったが、目次から興味があるコーナーをご覧いただければと思う。
ピッチ企業
第一回はNEDOや大阪大学等の機関や有力AI系企業が揃う非常に豪華な顔ぶれで1部は各企業による、1社25分のロングピッチが行われた。資料/内容は非公開だが要旨をお伝えしていく。
NEDO人工知能技術開発の新たな取組:人を豊かにする社会に向けて/国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 葛馬 弘史
NEDOでは、AIの社会実装のための研究開発委託事業を開始した。応募手続きの簡素化や実技を取り入れた審査等、活用しやすくする工夫を取り入れた。新ビジネス創出へのNEDOの思いを述べ、事業の概要を説明する。
日本初のAI・人工知能ベンチャー支援制度「AI. Accelerator」のビジネス創出/ディップ株式会社 次世代事業準備室 進藤 圭
ディップは、来る人口減少時代のキーテクノロジーである人工知能(AI)に注目し、AI専門メディア「AINOW」(https://ainow.ai/)の運営を2016年6月よりおこなっています。約10か月間のメディア運営を通じ、日本のAIベンチャーの創業数は北米と比較すると立ち遅れている現状が見受けられました。この課題解決の一助となるべく、AIに特化したインキュベーションプログラム「AI.Accelerator」を開始、日本から社会意義の高いAI関連事業及び優秀な人材へのシードラウンド投資をおこない、世界を席巻するAIメガベンチャーの輩出に尽力しています。本講演ではその内容と進捗をご紹介します。
ディープラーニングのビジネス活用事例研究/LeapMind株式会社 基礎研究チーム リサーチャー 角 拓夢
LeapMindはDeep Learning技術を「コンパクトに、シンプルに」することで誰でも簡単に使えるプラットフォームを作り、複雑で煩雑な技術を実社会に還元させ、世の中を一歩先に進めます。今回はディープラーニングの概要からビジネスとして実用されている事例、今後の展望をお伝えします。
クラウドソーシングを活用した、機械学習のための教師データ大量収集サービス/株式会社リアルワールド サブマネージャー 上田 元子
AIの技術開発やビジネスへの応用が進む画像・音声・自然言語などの分野において、その精度向上には大量のデータを活用した機械学習が不可欠である。リアルワールドでは、約1,000万人の会員リソースを活用し、短期間で大量のデータ処理が可能。AI提供企業が希望するオリジナルな教師データを大量に収集するサービスを提供する。
ディープラーニングに基づく聴覚プラットフォーム“mimi”による音声情報の新しい用途展開/フェアリーデバイセズ株式会社 代表取締役 藤野 真人
聴覚プラットフォームmimiは、ディープラーニング技術に基づく音声情報処理のためのクラウドプラットフォーム。従来の文字情報のみを機械が把握する音声認識の常識を超えた、話し方、笑い声やくしゃみ、周囲の環境音等、言葉以外の情報を認識することが最大の特徴であり、話者識別や環境音認識など音の新しい用途を拓く。
眠っている最中の音から、個人の睡眠パターンを可視化するAI技術/国立大学法人大阪大学 産業科学研究所 福井 健一 准教授
スマートフォン等で録音された音から、個人の睡眠パターンを機械学習により可視化・評価するAI技術を開発した。簡便に家庭で睡眠を自己管理可能なソフトウェア開発による睡眠障害の早期発見や健康増進、歯ぎしり・体動・いびき等に表れた個人の睡眠パターンに応じた照明やエアコンの制御など、質の高い睡眠の実現へ展開可能性がある。
人間に寄り沿う対話型人工知能エンジンの開発と多用途アプリケーションへの展開に向けて/株式会社Silett CEO 陣内 寛大
10万人以上のユーザーと会話を行ったバーチャルコミュニケーションロボット「AI少女ひとみ」の運用を通して、ユーザーの特性や好みなど様々なことを考慮したうえで自然に応答することができる人工知能エンジンを開発した。コミュニケーションロボット、チャットボット、ホームアシスタントなど様々な対話型プラットフォーム上で自然に動作することができるよう設計されており、パートナー企業との連携を広げ、多用途アプリケーションへの展開を目指す。
オープンイノベーション型ビジネスモデルによるAIプラットフォーム開発/株式会社エクサインテリジェンス 取締役/フェロー 古屋 俊和
ディープラーニング・機械学習を用いたソリューション開発を得意とする。一流のビジネスマンと優秀なAIエンジニアが協力して、サービスと技術の両面からAIプラットフォームの開発を行っている。
手書きの文字情報を高い識字率でデータ化する人工知能“Tegaki”/株式会社Cogent Labs リードコーポレートプランナー 大隅 文貴
独自の人工知能Tegakiは、既存技術では読み取ることが難しく、手入力されていた日本語を、スピーディーにテキスト化。業界や事業規模を問わず、データ入力の効率化とコスト削減を目指します。
交流会
交流会には60名の関係者が参加し、活発に名刺交換や情報交換が交わされたとのこと。ネットワーキングの場としても有効な場になりそうだ。
編集後記
おしん記者
スタートアップタイムズでも起業家のPR支援として取材を行っていますのでお気軽にお問い合わせください。