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ranranです。
11月25日に開催された「第18回 Machine Learning 15minutes!」に参加してきました。
Machine Learning 15minutes!とは、毎回6〜9人が機械学習について15分間のLTをイベントです。DeepLearningや強化学習などの先端技術技術のビジネスへの応用例などを学び、様々な角度から機械学習についての知見を広げることができます。
私は今回初めて参加させてもらったのですが、LTの内容はアカデミックなものとビジネス的なものが半分ずつくらいで取り上げている技術のジャンルも幅広く、とても楽しく勉強させてもらえました!
そんな「第18回 Machine Learning 15minutes!」のイベントの様子とLTの内容をお伝えしていきます。
目次
- 【高次元非線形モデリング】山田 誠さん(理化学研究所)
- 【バッチ正規化がFisher情報量行列に与える影響】木脇 太一さん(東京大学 助教)
- 【機械学習と特許】五味 和泰さん(cotobox株式会社)
- 【ソーシャル経済ニュースNewsPicksにおける記事の推薦】北内 啓さん(株式会社ユーザベース)
- 【クラウドソーシングを活用した教師データ作成】佐藤 柚花さん(株式会社リアルワールド)
- 【Sonyのディープラーニングツールで簡単エッジコンピューティング】神谷 亮平さん(株式会社LABBIZ)
- 【TensorFlowを使った分散学習】藤原 秀平さん(株式会社トップゲート)
- 【AIニュースサイト「AINOW」掲載記事でAIトレンド分析~11月~】亀田重幸さん(dip AI. Lab)
- 参加者の感想
- まとめ
【高次元非線形モデリング】山田 誠さん(理化学研究所)
山田さんは、非線形性やグラフ等の構造データから効率良く特徴選択するための機械学習技術、HSIC Lasso (Neural Computation 2014)について紹介してくれました。この技術は、サンプル数は少ないけど次元数が高い分野のデータ(医療や農業など)の分析に応用することができるそうです。
サンプル数が限られていたり、サンプルを得るのに高いコストがかかってしまうものに対しても機械学習による分析が行えるようになれば、もっと幅広い分野で機械学習技術を利用することができるようになり、新たな発見や技術の進歩が期待できそうです!
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【バッチ正規化がFisher情報量行列に与える影響】木脇 太一さん(東京大学 助教)
バッチ正規化とはニューラルネットワークの学習速度を高速化するための技術で各層の分散を1、平均を0にする技術です。しかし、このバッチ正規化がどのように機能しているかは実はまだよくわかっていないんだそうです。
木脇さんはこのバッチ正規化とFisher情報量行列の関係性をKronecker因子分解を利用して分析した結果をお話ししてくれました。
【スライド】 非公開
【動画】 非公開
【機械学習と特許】五味 和泰さん(cotobox株式会社)
弁理士の五味さんは、Cotobox株式会社が提供するオンラインで商標登録ができるサービスなどリーガルテックの領域についてお話してくれました。
また、データ収集時にフィードバックの与え方を工夫したり、データ整理時に価値のある情報を付加したりすることが機械学習分野での発明や特許になりうるというお話がとても興味深かったです。
【スライド】 非公開
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【ソーシャル経済ニュースNewsPicksにおける記事の推薦】北内 啓さん(株式会社ユーザベース)
北内さんは、ユーザの好みを学習してオススメの記事を推薦するNewsPicksのマイニュース機能のアルゴリズムについて紹介してくれました。記事を推薦するアルゴリズムとして、記事に含まれる単語を元にしたコンテンツベースと誰がどの記事をPICKしたかという協調フィルタリングのハイブリッドな手法を用いているそうです。
ちなみに、自然言語処理を専攻したい私は「茶筌」の開発に北内さんが携わっていたというお話にかなり興奮しました…(小声)
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【動画】 非公開
【クラウドソーシングを活用した教師データ作成】佐藤 柚花さん(株式会社リアルワールド)
機械学習を行うとき、データの用意にかかる時間が8割を占めると言われています。佐藤さんはデータの用意をクラウドソーシングを活用して行うことができるサービス「CROWDビジネス」を紹介してくれました。
CROWDビジネスでは、音声教師データの収集作業や画像の矩形選択・タグ付け、会話の自然さの測定などを依頼することができるのだそうです。また、チャットボットの開発用に想定質問文の作成なども行えるとのこと。
うまく活用できれば、より効率的に機械学習を使った開発ができそうです!
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【Sonyのディープラーニングツールで簡単エッジコンピューティング】神谷 亮平さん(株式会社LABBIZ)
神谷さんは、SONYが提供するディープラーニングツール「Neural Network Console」を使ってNeural Network Libraries、Raspberry Pi、AWS IoTを組み合わせた顔認識IoTシステムのデモを披露してくれました。
神谷さんの顔をカメラが認識すると、メールで通知してくれるというシステムでした。
Neural Network Consoleは、IoTやエッジコンピューティングととても相性が良いのだそうです!
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【TensorFlowを使った分散学習】藤原 秀平さん(株式会社トップゲート)
藤原さんは分散学習をTensorFlowで実装する方法についてお話ししてくれました。
TensorFlowで実装する際に高レベルなAPI「tf.estimator」や「Google Cloud Machinr Learning Engin」を利用することで、環境や高速なネットワークの準備が大変であるという問題を解決できるそうです!
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【AIニュースサイト「AINOW」掲載記事でAIトレンド分析~11月~】亀田重幸さん(dip AI. Lab)
亀田さんは、11月にAIニュースサイト「AINOW」で注目が集まった記事からAI業界のトレンドを分析してくれました。
また、AIサービス開発の経験から開発段階における「仮設生成」の重要性についてもお話ししてくれました。これからAIサービスを開発したいと考えている方々は非常に参考になるのではないかと思いました。
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参加者の感想
LT終了後の懇親会の時間に、参加者の方に今回の感想を聞いてみました!
今日のLTを聞いて、今後はAIをいかにビジネスと掛け合わせていくかが重要だと感じました。また、AIとビジネスのコネクタとして役割を担う企業や人材の需要が増えていきそうだと思いました。
以前はアカデミックな内容のLTは難しくて理解できないものが多かったのですが、だんだん分かるようになってきた気がします。新しい知識をインプットできると同時に、自分の成長が確かめられるイベントでもあると思います。
まとめ
以上、第18回 Machine Learning 15minutes!のレポートでした。
参加者の方々からの感想にもあったように、これからどんどん発展していくAIをアカデミックな視点&ビジネス的な視点から勉強することができました。
次回開催情報
第19回 Machine Learning 15minutes!
2017/12/16(Sat)
14:00 〜 17:30
【情報発信】 Facebookのグループで情報発信も行っています。ぜひご参加ください。
【イベントの記事】 AINOWで毎回レポート記事を公開しています。
【イベントの動画アーカイブ】 登壇内容は動画としてYouTubeからもご覧いただけます。
★登壇者枠を広く公募(審査有り)していますので、ご希望の方はお気軽にainow@dip-net.co.jpまでご連絡ください。