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「出会う、が、世界を変えていく。」
いま、Sansanはこんなメッセージを掲げて、サービスを提供しています。
Sansanのサービスを支えるデータ化システム「GEES」は、人の出会いを可視化し、世界を変えていくための基盤を作り上げています。
Data Strategy & Operation Center(DSOC)
Sansan が提供するサービスの根幹となる名刺。法人向けクラウド名刺管理サービスの「Sansan」、個人向け名刺アプリの「Eight」と2つのプロダクトを展開していますが、この両プロダクトにおいて名刺のデータ化を一手に担っているのが、私たち、Data Strategy & Operation Center(DSOC:ディーソック)です。
同じ名刺を起点としたサービスであっても、SansanとEight、それぞれのコンセプト、名刺のデータ化における要件は異なっています。Q(Quality)、C(Cost)、D(Delivery)、S(Security)という4つの項目をデータ化の指標として、それぞれの事業に合わせた最適なデータ化を実現させて運用していくことが、DSOCのミッションとなっています。
「GEES」と「マイクロタスク×マルチソーシング」
現在、SansanとEightを合わせて、1カ月当たり万単位の名刺がデータ化の対象として取り込まれています。
ユーザーが取り込んだ名刺を、より高品質に、ローコストで、より速く、セキュアにデータ化するための仕組み。それが、独自のデータ化システムである「GEES」です。
Global:より世界中のリソースを利用できる(日本語以外は地産地消で解決できる)
Elastic:繁忙/閑散期を柔軟に吸収できる伸縮自在な体制を組める
Efficient:より効果的な方法で役割配置できる
Scalable:よりスケーリングできる
※GEESとは、Sansanの造語です。上記の単語の頭文字を取って名付けられました。
最大の特徴は、「マイクロタスク×マルチソーシング」です。
マイクロタスク:誰でも、いつでも、どこでも、隙間時間で、事前準備不要
マルチソーシング:センターオペレーター、在宅オペレーター、海外オペレーター、クラウドソーシング
一般的に、運用設計において作業の効率化やコストの削減を目的としたとき、いかに作業工程を少なくし、簡潔に行うことができるかという点を検討しますが、GEESは、工程を細分化し、いかにシンプルな業務として切り出せるかどうかを追求して構築されたデータ化システムになります。
GEESでは、名刺単位ではなく、ピース単位でデータ化作業が進んでいきます。名刺画像を細かくピース単位に自動分割するシステムを構築・導入し、一つの工程の作業を極限まで簡素化させることで、気軽にデータ化作業に携わることができるような仕組みを作り上げました。
「誰でもいつでも簡単に作業できる」。これがマルチタスクです。
そして、マルチタスク化を進めることにより、キーボードは使わずにマウス操作だけで作業ができる、日本語が読めなくても数値の入力ができるといったように、世界中の多種多様な人々が名刺のデータ化業務に携わることができます。この仕組みによって、従来のアウトソーシングの枠にとらわれない新たな業務委託体系を実現し、これをマルチソーシングと呼んでいます。
マルチタスク×マルチソーシングの象徴的な1つの取り組みを紹介します。
約3秒で1つの作業が完結する作業工程を切り出し、コールセンターを持つテレマーケティング企業と提携し、電話を受けるまでの待ち時間といったオペレーターの空き時間にこのデータ化作業を行っていただいています。
この形式での業務委託においては、処理量の保証を求めておらず、また教育や管理機能も全てシステム上で実現しているため、一定のセキュリティー基準を満たしていれば、すぐに業務を開始していただくことが可能です。
これにより、提携先はリスクやコストをかけることなく、空き時間を瞬時に売上を上げる時間に変えることができ、DSOCは作業量を担保することなく、優秀な日本人の労働力を安価に365日24時間確保できるという、 Win-Winな形式を取っています。
マルチタスク×マイクロソーシングを推進してきたことにより、現在では世界中のオペレーターが、 GEESというシステムを通じて名刺のデータ化に携わっています。こうやって、DSOCは効果的に世界中のリソースを活用し、伸縮自在でスケーラビリティのあるデータ化を実現しています。
人×技術
マイクロタスク×マルチソーシングは、「人」のリソースをいかに活用できるかを考え、「技術」によってそのフローを構築しています。しかし、DSOCのデータ化における最大の強みは、人でもなく技術でもなく、「人と技術」を掛け合わせた相乗効果の最大活用です。
創業当初より、Sansanは人力を利用することで、名刺のデータ化において99.9%の精度を担保してきました。自動化が進んだ現在においても、多くのオペレーターを抱えており、重要な工程を担当してもらうことで、クオリティーのレベルを低下させることなくデータ化を進めています。また、人力によって作成された高精度のデータは、10年もの間、日々蓄積されていき、機械学習への大きな糧となり、さらなる自動化の精度向上にもつながっています。
例えば、1枚の名刺をデータ化するときに、日本語や英語など、名刺の情報がどの言語で記載されているかをRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)により判定し、その名刺に適したデータ化フローに乗せて処理を進めていきます。最適なフローでデータ化されることで、QCDSの全てにおいて価値を向上させることが可能な体制となっています。また、ミス・修正履歴のデータを分析し、人が間違いやすい点を機械学習させて入力時にアラートを上げるなど、Sansanの技術が精度向上の面でも活躍しています。
「人」が作り上げた高精度の基盤がなければ実現せず、「技術」がなければより効率的かつ効果的なフローを構築することはできません。この「人×技術」を駆使したデータ化は、DSOCだからこそ実現できるものだと自負しています。そして、Sansanが提供するサービスの根幹を守り続けながら、今も進化を続けています。
出会いを科学する
出会いを科学する創業以来、私たちは名刺のデータ化に特化して向き合い続けてきましたが、出会いのデータをより革新的で驚くサービスに変え、世の中に新たな価値を届けることを目指し、日々挑戦を続けています。
名刺は、その持ち主をビジネスマンとして表現するための基本情報を兼ね揃えたものです。
現在、DSOCでは億単位の名刺データを保有しています。しかし、世界的に見れば、「億単位の人物データを持っている」というだけでは、そこまで誇れるものではない、と私たちは考えています。
DSOCが持っているのは、単なる人物データだけではありません。
それは、誰と誰がいつ出会ったのか、出会いを半永久的に連ねている特異性のあるデータでありながら、かつ、99.9%という精度を担保している高い正確性を持つデータです。
また、そのデータは半受動的に流入しデータ化されて、最新の状態にアップデートされていきます。
ユーザーが望むことで、1つの出会いは何倍にも膨らみ、ビジネスの可能性を無限に広げます。
「出会う、が、世界を変えていく。」
今、この瞬間にも、あなたの予想を超えるアイデアをもたらす「出会い」、働き方を革新する「出会い」をDSOCは科学しています。
筆者:Sansan株式会社 三原樹里
Sansan株式会社の法人向けサービス「Sansan」、個人向けサービス「Eight」のユーザーから取り込まれる、年間数億枚に上る名刺という「出会いの証」を1枚ずつ正確なデータに変換しています。私たちは、2つのプロダクトから「ビジネスの出会い」を科学し、Sansan株式会社の目指す「働き方の革新」に貢献しています。
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