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Karakuriは正答率95%を保証するチャットボットです。誰でも簡単に活用できるようCSを強化しており、一貫したサポートをしてくれるサービスです。
カラクリはチャットボットの提供だけでなく、開発やコンサルティングまで幅広く手がけています。
今回は、チャットボットを手がけるカラクリだからこそ知るチャットボットの導入の手引きをお送りします。
カスタマーサポートにおけるAIチャットボットの活用に付いて概要をまとめたいと思います。(今後、随時更新して参ります)
目次
カスタマーサポートにおけるAIの使いどころとは?
まず、カスタマーサポートにおけるAIの活用シーンについて簡単にまとましたので下記の図をご覧ください。AIの活用シーンは大きく分けると3つの用途が考えられます。
その3つとは、
- FAQの検索精度の向上のための活用
- チャット、LINEなどでの一次対応の自動応答としての活用
- オペレータ向けに回答候補を提示をするなどのサポート役としての活用
それぞれについて簡単に解説します。
FAQの検索精度の向上のためのAI活用について
ユーザーはサービスを体験している時に「何か困った」というタイミングで企業のWEBやコールセンターに接触をはかります。
その最初の接点として、よくご利用ガイドやFAQを探しにいくという行動が取られるケースが多いです。ただ、FAQに回答がなかったり、うまく検索できずにすぐに回答が出てこなかったり、煩わしく感じで直接、お問い合わせをするというケースが多いです。
カスタマーサポートの現場の方以外ではあまりピンと来られないかもしれませんが、実はFAQは検索精度が悪いものが非常に多いです。これだけGoogle検索だ、AIだ、と言われている時代にも関わらず、運営が設定したキーワードに完全一致しないと出て来ないものまであります。
AIの活用用途として、「現状、FAQの検索精度が悪いのでそこを改善したい」という課題解決のソリューションとして採用するケースもあります(そんなに多くないですが実はインパクト大なソリューションだと個人的には思っています)。これはあくまで旧来のFAQの代替なので、必ずしもチャットUIである必要もありません。
弊社(カラクリ)の事例ですと、グローバル企業が提供しているSaaSのFAQサービスと比較しても(日本語においては)検索精度が上がるテスト結果が出ています。
すでにそこそこFAQページの閲覧数がある企業様には効果がすぐでるAI活用事例かと思います。
今回はこの用途については深く触れませんが、詳細が知りたい方はぜひお問い合わせください。
チャット、LINEなどでの自動応答としての活用
これは最近増えてきたいわゆるチャットボット全般を指しています。今まで人でやっていたことをロボットで実施することにより24時間365日のカスタマーサポートが実現可能です。
こちらは本記事のメインの議題ですので、後ほどポイントをまとめてしっかりとご説明します。
オペレータ向けに回答候補を提示をするなどのサポート役としての活用
こちらは、顧客対応のチャネルは電話やメールなど従来からのもののまま変更や追加はせずに、あくまでオペレータさんが顧客対応しているタイミングで「回答候補」や「次にすべき質問」などの情報を提示してあげるものです。
背景として、そもそものオペレータさんの採用がなかなかできなってきたり(人手不足の影響)、サービスやプロダクトが複雑化して顧客対応の難易度が上がり一人前のスキルを身につけるまでに結構な時間がかかってしまう、という課題を解決するために構築されます。
IBMが提供しているWatsonの事例などはこの利用用途が多いです。
我々も試験的にこの目的で解決可能な範囲を提供する予定です。この記事では詳しく記載しませんが、ニーズがありましたらご相談ください。
以上のようにカスタマーサポートにおけるAI活用と言っても、色々なアプローチがあります。(実際には3つだけではなく、他にもありますが、簡易的にまとめました。他の用途は別途ご紹介できるタイミングがあれば記事にしたいと思います)
まずは色々な用途のうち、「チャット、LINEなどでの自動応答としての活用」にフォーカスして、実際にチャットボットの導入手順について簡単に解説していければと思います。
AIチャットボットにおける基礎的なテクノロジーの整理
チャットボットと一言に言っても、実は様々なテクノロジーが活用されています。まずは大枠を理解するために下記をご確認ください。(テキストが細かいので拡大して見てただければと思います。
どこからがAIで、どこからがAIではないのか、というのはあまり重要な議論ではないですが、定義するとすると基本的に「機械学習が利用されている」というのがAIという定義でいいと思っています。ただ、同じAIでも精度が違ったりするので「AI活用している!」というだけで思考停止しないように気をつけましょう。
重要なのは、テクノロジーの背景を理解しつつ、自分たちのカスタマーサポートの課題解決に最適なものはどのテクノロジーなのか、という視点で考えることかなと思います。
それには、自社のカスタマーサポートに寄せらるお問い合わせがどのような類のものが多いのか(よくある一次対応、二次対応の割合など)、社内の資産としてどのようなデータがあるのか(FAQのデータが充実している、社内で活用しているマニュアルが充実している、お問い合わせの履歴が整理された状態で蓄積されている、など)に合わせて最適なテクノロジーを選ぶ、という姿勢が重要です。
別に無理にAIを使うことが目的ではなく、ユーザーの問題解決に繋がるかどうか、というシンプルな視点で選定することが重要です。
ただし、チャットボットと機械学習は相性がいいのでよくリサーチすることをおすすめします。
AIチャットボット導入についての大まかな検討項目について
前段がかなり長くなってしまいましたがカスタマーサポートの自動応答にAIチャットボットを導入するための大まかな検討項目を解説したいと思います。
まずは検討フェーズについてそれぞれ説明したいと思います。(図にある業務設計フェーズ、運用フェーズについては別途まとめたいと考えています)
現状分析について
現状分析とは、その名の通り、カスタマーサポートにおける現状を分析することで、チャットボットの導入範囲や導入の影響力などの仮説を設定します。
具体的には、現在、カスタマーサポートに寄せらるお問い合わせがどのようなものが多いのか、また、どのようなチャネル(電話、メール、WEBのFAQなど)でそれぞれどんな数値が出ているのかなどを把握します。
また、同時に、お問い合わせに返答する際に実施しているオペレーションの整理を行い、「複雑度」という考え方で整理します。
- 複雑度低:FAQ通り、テンプレート通りに即答が可能
- 複雑度普通:何らかのDBを確認したり一手間かけて回答が可能
- 複雑度高:複数の状況を鑑みて回答が臨機応援に変動するもの
例えば、「ログインできない」などのお問い合わせは簡単に案内が可能だったりするので複雑度低としたり、ECサイトで「返品に関するお問い合わせ」に返答する際は、ユーザーのアイテム購入履歴を管理画面で参照してから返答文章を作成しているから複雑度普通にしたりなど、有人でのオペレーションの複雑度の分析を実施します。
下記のような表でまとまるとわかりやすくていいと思います。
AIチャットボットが得意なのは現時点で「複雑度:低」です。ここの件数がどれくらいで、そこが自動化されるインパクトが、現在のビジネスにどのような影響を与えるのか、そこをしっかりとチェックしましょう。
AI適用領域の特定について
現状のお問い合わせの複雑度に応じて、AIで回答を実施する範囲を特定する必要があります。
具体的には、AIが得意な領域、というのが明確にあるのでそこを特定しましょう、という分析です。
基本的には「自然言語分類」がAIの得意分野、かつ、運用視点でも実現がそこまで難しくありません。一問一答形式での回答や、シナリオプラミングの会話のスタートを呼び出す、というのが2点が大きく深層学習の活用ができるポイントです。(実際には他にもチャットボットにおいてもAI活用方法がありますが、それは別途実践編でまとめたいと思います)
分析を実施する際は下記の視点で既存のお問い合わせを分類するといいかなと思います。
繰り返しになりますが、AIチャットボットがもっとも活用できるポイントは複雑度低の箇所です。
その件数が何件あるのか、AIチャットボットを入れることでその件数にどれくらい減る可能性があるのかの予測値を入れて算出しましょう。
AI以外のテクノロジー活用の範囲の特定について
先ほどの検討でAIの対応領域が大きく決まれば、それ以外の対応をどうするのか、という検討を同時に実施する必要があります。
具体的には、
- 一問一答でシンプルに回答できない場合、シナリオプログラミングでどこまでフォロー可能か?
- CRM連携などのシステム連携を実施すれば回答可能な範囲が増えるのか。その場合、そもそもシステム連携が可能かどうか。
- AIでの返答が難しく、人で対応するケースをどのように想定するか。どのようなタイミングで専門オペレータへ接続するのか。その場合のチャネル(電話、メール、有人チャット対応など)と対応リソースの検討
が大きな検討ポイントです。
また、有人対応でカバーする場合、チャネルを増やすかどうか(例えば今のところ有人チャット対応を実施しておらず、AIチャットボットの導入と共に、有人チャットボットの業務設計も必要)も大きな論点となります。
2のシステム連携についての議論も大きなポイントで、現状分析で実施した複雑度分類で複雑度普通の中に分類されるものがこのシステム連携で回答可能になるケースが多いのでその割合と費用対効果、実現可能性とUI(ユーザーインターフェース)は十分に検討しましょう。
費用対効果予測
ここまでの分析ができてしまえば、現状分析表の数値がある程度の埋まってくると思います。
AIチャットボットでカバーできる回答がどれだけあるか、その回答がどれだけ自動応答で完結するか(これは完全に仮説ベースになります。回答を準備して正解を提示しても有人へのお問い合わせがくるケースも一定数残り続ける)、というのをしっかりと定義します。
AIで実際にどれだけ回答できて、その分、AI対応のカテゴリにおいて人で対応する件数がどれだけ減るのか、しっかりと仮説を立てましょう。数パターン作って検証してみるのがいいと思います。
計算は時間計算でどれくらいの時間が減るのかを算出し、それの数値の「AIチャットボットの効率化ターゲット数値」として、そのターゲット数値をどのような運用で達成していくのか、というロードマップもあるといいかもしれません。
特定領域でテストしてみる
以上までの分析ができれば、仮説の数値を一旦、テスト環境でも実現可能性を検証してみるといいと思います。
実施に精度が出そうか、実運用に回した際にワークしそうかどうか、などが検証項目になります。
費用対効果の算出の際の仮説の数値に無理がないか、というのもここでしっかりと検証してみましょう。
以上、AIチャットボットの導入の検討に必要な項目をざっくりと記事にしました。これらは簡易的な説明かつ、一般論ですので、参考程度にご覧いただければと思います。
より詳しく、より実務に適した形で参考にしたい!という方はぜひお問い合わせください。
我々カラクリはカスタマーサポート向けのAIだけの提供だけでなく、AIチャットボットの導入コンサルティングや、業務オペレーションにおけるAIコンサルティングや開発(チャットボットだけでなく効率化や精度向上や人のサポートの仕組みについての開発)を実施しているのでお気軽にご相談いただければと思います。