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2018.11.30

自然言語処理を駆使しAIが営業活動を分析する「Asales」がリリース

最終更新日:

東大発のAIベンチャー企業「ストックマーク株式会社」は、AIで営業の意思決定プロセスを高速化する「Asales」をリリースします。すでに大手金融機関をはじめ、大手システム開発会社、大手製薬会社とのPoC(実証実験)を実施していて、2019年度中に100社の導入を目指すとしています。

「Asales」を紹介してくれたのは原部さんです。

原部 智哉氏:2009年東京工業大学大学院物理情報システム専攻修士卒業。 前職は新日鉄住金ソリューションズで、製造業向けの基幹システムのプロジェクトマネージャーを担当。 2016年にStockMark社にジョイン後に「Anews」の企画から開発などに従事。「Anews」での知見を活かし、「Asales」のプロダクト開発を行っている。

ストックマークは、自然言語処理技術が強みの会社です。AIによるWebニュースの配信サービス「Anews」を提供しており、経済産業省でも導入されるなど、活用が進んでいます。この「Anews」で培ったテキストマイニングの技術を営業に活用しようと始められたのが「Asales」です。

営業におけるAI活用の重要性

技術の飛躍的な進化により、ビジネスの構造は大きく変動しつつあります。特にAINOWが注目するAI(人工知能)関連領域では、業界・業種を問わず効率化が進められ、生産性が大きく向上しています。産業構造が今後も大きく変わっていくでしょう。

Asales」がフォーカスをする営業活動はSFA(営業支援システム)の導入が大きく進み、売上アップ、利益アップに各社が取り組んでいます。しかし、システムで管理できる数字情報では定量的な分析が中心になり、営業活動における失注理由や提案資料の中身までをデータとして認識することができませんでした。

AIは今までのシステムで処理することができなかった非構造化データ(テキストや画像)を処理できる点で大きなインパクトになりブームが巻き起こっています。これからの時代にビジネスで生き残っていくためには、早期にテキストや画像などのデータを蓄積して分析する仕組みを整備して、営業活動の意思決定プロセスを高速化していく必要があります。

営業活動にAIを組み合わせ売上をアップする「Asales」

ストックマークが提供をはじめる「Asales」は、営業の効率化を今まで以上にパワーアップさせるために自然言語処理をはじめとした技術を活用しています。

具体的には以下の4点をAIによってカバーしています。

  • 情報武装
  • 社内検索・レコメンド
  • 受失注分析
  • 日報解析・対話解析

情報武装

情報武装はアポに行く前の情報収集の時間の削減に役立ちます。ストックマークが以前から提供している「Anews」で培ったテキストマイニング技術を活用し、アポ先企業に関する記事を収集。アポ前の情報収集時間の短縮につなげたいとしています。

画像右側の水色で囲まれている部分がレコメンド機能。Goodマークなどでそれぞれの資料の評価が可視化されている。 提供:スタックマーク ※開発中のイメージ

社内検索・レコメンド

アポに行く会社の類似の会社などをレコメンドします。アポ先企業と類似した企業への過去の提案資料などを参考にすることで、一から資料を作り直す必要がないため、営業を大きく効率化させることが可能だといいます。検索はファイル内まで行い、資料を逃さず探し出すことができるといいます。

提供:ストックマーク ※開発中のイメージ

受失注分析(営業企画向け)

これは営業マン向けではなく、営業企画向けの機能です。

売れた理由を今までのようにコストなどの数字だけで判断するのではなく、メールなどのテキストデータを分析することで「受失注のなぜ」に踏み込むといいます。これにより営業効率の悪い業界はやめたほうがいいのか、アプローチを変えたほうがいいのかを選ぶことができるようになります。

各商談の受失注理由を商談メモやメールなどから4Cフレームワーク(コスト、利便性、価値、コミュニケーション)の軸で分析 提供:ストックマーク ※開発中のイメージ

日報解析・対話解析

マネージャー向けの機能。日報などを分析することでその日のサマリーを作成する機能などを実装しています。

画像右側、赤色で囲まれている部分がレコメンド機能。Goodマークなどでそれぞれの資料の評価が可視化されている。 提供:ストックマーク ※開発中のイメージ

SFA/CRMと組み合わせてさらに戦略的に営業活動を

AsalesではSFA/CRMツールを活用することで、でプロセス管理や共有の機能部分を担います。ストックマークが持つ自然言語処理の技術の強みを活かして、定性データの分析の部分に特化して開発を行っていきます。

業界用語への対応や競合は?

業界用語など課題や実証実験の感触について最後に原部さんに伺いました。

ーー業界ならではの独特な言葉には対応するのでしょうか?

原部氏:比較的一般的なビジネス業界であれば、特徴的な言葉は少ないと思います。商品名などの固有名詞に関しては企業ごとに学習させます。

しかし、医療系の業界だと独特な専門用語が多いので、会社ごとに導入コンサルなども行い、1〜3ヶ月ほど、検証しながら進めていきたいと思います。

ーー数社で実験的に導入してもらっているということですが、感触はいかがでしょうか?

原部氏:現場の方よりもマネジメント層や営業企画の人のほうが感触がいいです。営業におけるデータの活用に悩みを抱えている人が多いと思います。

実際に営業現場の人に情報武装について説明をすると、機能に納得してくれることも多くびっくりいたしました。

 

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