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絵を描くという仕事は人間ならではだと考えている人も多いかと思います。
しかし、最新では絵を描く仕事もAIが担えるようになっており、AIによる独創的な絵が次々と誕生しています。そして、AIによって生み出された絵に対して驚きの声と同時に高額で購買する人も生まれています。
今回は、AIによる絵画生成についてご紹介していきます。
AIが描いた絵画の著作権
AIが作成した画像に著作権が認められるかについては明確なルールは未だ定まっていませんが、現状は人の手が加えられていない限り著作権は認められていません。
著作権法において著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています。
AIのみによって作成された絵画は「思想又は感情」を表現していないため、著作権がないと考えられています。
自分で体験してみよう!AIで絵画を生成できるサイト6選
実際にAIで絵画を生成できるサイトは数多くあります。
その中でも特におすすめのサイトやアプリを6つ紹介します。
- 高クオリティの絵が描ける「midjourney」
- 画風を指定できる「dream」
- lineで手軽に画像生成を依頼「お絵描きばりぐっとくん」
- 簡単な下書きをプロレベルの絵に「Fotogenerator」
- 絵の着色はAIで自動化「Petalica Paint」
- 前衛的な絵を次々に生成「Art42」
それぞれのサイトについて説明します。
①高クオリティの絵が描ける「Midjourney」
midjourneyはDiscordを介して利用できる絵画作成AIです。
キーワードを入力することでそのキーワードに即した絵画を作成してくれます。
1度につき4パターンの絵画が生成され、その中から好みにあった絵を選択できます。
使い方
- Discordのアカウントを作成する。
- Midjourneyのページに行き、招待を受ける。
- Discordのアカウントにログインする。
- 「newbies-(数字)」のチャットに入り、キーワードを入力する。
あとはmidjourneyが絵画を自動生成してくれるのを待つだけです。
②画風を指定できる「dream」
dreamはキーワードを入力するとAIが絵画を自動生成してくれるアプリです。
dreamの大きな特徴は画風を指定できるという点で、キーワードを入力した後に「realistic(現実的な)」や「mystical(神秘的な)」など画風を選択できます。
使い方
- dreamのアプリを開き「Get Started」のボタンをタップする。
- 入力フォームにキーワードを入力する。
- 画風を選択する。
以上の手順でdreamのAIが選択した画風の絵画を自動生成してくれます。
③lineで手軽に画像生成を依頼「お絵描きばりぐっとくん」
お絵描きばりぐっとくんはLINEのチャットを通して画像生成AI「Stable Diffusion」を利用できるチャットボットです。
チャット上にキーワードや文面、画風などを入力するとそれに沿った絵画を自動作成してチャットで送ってくれます。
使い方
- お絵描きばりぐっとくんを友達に追加する。
- トークに描いてもらいたい絵についてキーワードや画風などを送る。
これだけでAIが絵画を生成してくれます。
④簡単な下書きをプロレベルの絵に「Fotogenerator」
Fotogeneratorは下書きを清書して絵を仕上げてくれるサイトです。
特に人間の顔については精度高く色塗りまで完成できます。
使い方
- パソコンのみを使う場合はTool欄から、マウスやペンタブを使う場合はInput欄から下書きを作成する。
- Processボタンを押して絵画が完成するまで待つ。
数秒でOutput欄に下書きを清書した絵画が表示されます。
⑤絵の着色はAIで自動化「Petalica Paint」
Petalica Paintは線画のイラストをAIが自動で着色してくれるサービスです。
ラフを線画に仕上げたり、着色のスタイルを変更したりする機能も備わっています。
使い方
- サイト上に直接絵を描く、もしくは描いておいた絵をアップロードします。
- 自動着色モードを実行する。
- 3種類の着色スタイルから好みのものを選択する。
- 気になる部分は手動で着色する。
以上の手順で簡単に絵の着色ができます。
⑥前衛的な絵を次々に生成「Art42」
Art42はAIが作成した前衛的な絵画を閲覧するためのサイトです。
今回紹介する他の絵画生成AIとは異なり、こちらでキーワードを指定するのではなく、AI作の絵画を閲覧して気に入った絵をお気に入りとして登録できます。
が絵を描けるようになっている
AIが描いた絵が43万2500ドルで落札
AIが作成した絵に高額な落札価格が例があります。
上の絵はフランスのパリを拠点に活動するアーティスト集団「Obvious」がAIで作成した絵画で、『Edmond de Belamy, from La Famille de Belamy』という題名がついています。
この絵はニューヨークでのオークションで43万2500ドルで落札され、AIの美術に対する影響力の大きさが目の当たりとなりました。
美術作品は美術家ではなくAIが作成したとしても、同じように美術としての価値を見出す人もいるということです。
AIがレンブラント風の絵を生成
まるでレンブラントが描いたような絵をAIが生成した事例もあります。
Microsoftとオランダの金融機関 ING グループ、レンブラント博物館、デルフト工科大学などが協力して施行されたプロジェクト「The Next Rembrandt」です。
レンブラントの他の作品をAIが学習し、レンブラント独自の光と影の入れ方だけでなく作品の表面の質感まで見事に表現されています。
このようにAIは元となるデータがあれば、それに基づいた作品を自動的に生成可能になります。
AIが描いた絵画がコンテストで優勝
この絵は2022年8月に行われた美術品品評会のデジタルアート部門の優勝作品です。
実はこの作品は人の手で描かれたものではありません。
ボードゲームメーカーIncarnate GamesのCEOであるジェイソン・アレンさんはMidjourneyというAIを用いてこの絵画を作成しました。
同作品は、Midjourneyを使って数百枚の絵画を作成し、さらにPhotoshopやAIを使って加工して完成したものです。
AI作の絵画が優勝したことを受けて、インターネット上ではAIが作成した絵画のクオリティの高さに驚くとともに画家の仕事が奪われるのではないかという心配の声も上がりました。
AIで画家の仕事は消滅するのか
クリエイティブな仕事は人間にしかできない
いくらAIで絵を描けるようになったとしても、それは元からある絵をAIが学習した上で生成されたものです。例えばレンブラント風の絵なら既存のレンブラントの絵をAIが学習し生成しています。そのため、その絵自体にオリジナリティがあるとは言えません。
つまり、0から1を作るようなクリエイティブな仕事は依然として人間の仕事で価値があります。そのため、絵画作成AIの台頭で人間の画家の仕事が奪われるという自体は起こらないのではないでしょうか。
AIが画家の仕事を効率化してくれる
AIが発達すれば画家の仕事をサポートしてくれるようになると考えることもできます。
例えば、AIが作成した絵から着想を得て自分独自の絵を描いたり、画家は枠線だけを描いて色付け作業はAIで自動化することもできます。
そのように、AIによって画家の仕事の可能性を広げたり効率化できるのではないでしょうか。
まとめ
AIによる絵画作成の技術はどんどん進歩し、紹介したもの以外にも多種多様なサービスが誕生しつつあります。人が描いた絵と同様にAIによる絵にも価値を見出す人も存在し、美術界に新たな潮流が生まれそうです。
また、人には人にしかできないクリエイティブ分野の仕事があります。そのため、AIによって画家が失業するのではなく、共に助け合いながら仕事をするようになるのではないでしょうか。
慶應義塾大学商学部に在籍中
AINOWのWEBライターをやってます。
人工知能(AI)に関するまとめ記事やコラムを掲載します。
趣味はクラシック音楽鑑賞、旅行、お酒です。