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プログラミング不要のAI活用プラットフォームを提供するMatrixFlowは、”エレクトロニクスの総合商社”である三信電気株式会社と提携して、全国の自治体向けに、電子機器とAI活用プラットフォーム「MatrixFlow」を活用した「水位予測AIソリューション」を開発、2021年12月から提供を開始しました。
MatrixFlowの技術を使うことで、従来は”測定”に留まっていた河川水位の”予測”が可能となりました。
この開発により、水位の増加を事前に察知し、今後起こりうる水害リスクに早期対処することが可能になります。
近年、豪雨や台風による水害などで深刻な被害が多発しています。主に二級河川※1以下を管理し直接住民に対して避難指示を行う自治体においては、気象予測だけでなく水位予測を用いて、従来よりも早い段階で水害リスクを把握する必要性が高まっています。
上記課題に対し、国土交通省では、298の洪水予報河川について、6時間先までの水位予測情報を提供しています。
しかし、全国の河川数は7000にもわたるため、水害リスクの早期把握のためには洪水予報河川以外も含めて、6時間以上先の水位予測が求められています。
さらに国土交通省は「水害レポート2020」の中で「国土強靭化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化等の推進」を掲げ、新しいデジタル技術の活用を推進しています。
三信電気とMatrixFlowは、水位センサから送られてくるリアルタイムの水位データ、過去の雨量などの気象実績データ、及び気象予報データを用いた機械学習により、「水位予測AIソリューション」を共同で構築しました。
これにより、ほぼ全ての河川での1週間後の水位予測が可能になり、早期の水害リスクの把握が可能となります。今後、自治体や企業向けに提供を開始します。
近年、大雨の発生回数と水災害被害が増加している中、多くの費用を掛けて放水路の整備などの治水工事が行われています。しかし、治水工事には大きな費用がかかってしまうため、対応できる河川や地域は限定的です。しかし、今回開発した「水位予測AI」を自治体が導入することで、既存のソリューションよりも低コストで水害に早期対処することを可能とし、水害による人的・経済的被害を効果的に抑制することができるようになります。