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2023.03.02

【DAOとは】Web3で注目されるDAOを初心者にもわかりやすく解説!

最終更新日:

昨今のNFTブームやWeb3熱の高まりで目にするようになった『DAO』という言葉。

しかしながら、よく目にはするものの複雑でイメージしづらいと感じる人も多いのではないでしょうか。

DAOはWeb3の中でも近年注目が集まる概念で、自民党のWeb3推進チームも現在のDAOに対する規制の緩和に向けた提言を行うなど、今後国内でも普及する可能性を秘めた存在です。

そこで、本記事ではDAOのビジネスモデルや代表的事例、そして今後のDAOの展望などを初心者にもわかりやすく解説していきます。

さらに記事後半では、DAO関連のおすすめ仮想通貨銘柄を紹介しているので、DAOの関連銘柄を探している人にも注目の内容となっています。

【この記事でわかること】 ※クリックすると見出しにジャンプします

DAO (ダオ)とは

DAOとは、Web3ならではの組織運営形態として注目を集める概念です。

ここからは、そのDAOの定義やWeb2.0以前の従来の株式会社形態との違いを解説します。

DAOの定義

DAO (Decentralized Autonomous Organization)とは「分散型自立組織」と呼ばれる概念で、ブロックチェーン上において特定のリーダーや管理者を設けずに運営される組織のことです。

DAOはインターネットに接続する環境さえあれば誰でも参加できるため、誰にでも開かれた組織といえます。

このDAOの特徴は後ほど詳しく説明します。

DAOと従来の株式会社形態との違い

それでは、Web3の流れで生まれたDAOという組織形態が従来の株式会社形態とどのように異なるのでしょうか。

それは、従来の株式会社が取締役や投資家など一部に利益や権利が集中する構造であったのに対し、DAOは参加者に対してガバナンストークンという報酬が配られ、それに付随する意思決定権も与えられるという公平性の高い構造である点で異なります。

また、GAFAをはじめとするプラットフォーマーの肥大化など、一部の企業に富やデータが偏る状況へのアンチテーゼとしても、ユーザー同士が直接やりとりできる分散型組織(DAO)の誕生が望まれました。

DAOの特徴

そしてここからはDAOの特徴を大きく次の3つに分けて紹介します。

①特定のリーダーを設けずに意思決定が行われる
②ブロックチェーンの技術による透明性の高さ
③参加者にもトークン(報酬)が分配される

それぞれ解説します。

①特定のリーダーを設けずに意思決定が行われる

DAOの1つ目の特徴として挙げられるのは、特定のリーダーを設けずに意思決定が行われる点です。

DAOでは、「ガバナンストークン」と呼ばれる組織内での投票権が付与されたトークンを持つ人が組織の意思決定に参加できます。

この「ガバナンストークン」は、DAOの活動に貢献した報酬として与えられるため、活動に貢献することによって組織の意思決定権を持つことが出来るという仕組みです。

したがって、従来の企業組織形態のように特定のリーダーが意思決定を行うのではなく、DAOの組織のメンバーそれぞれに意思決定権が分散しているという特徴があります。

②参加者にもトークン(報酬)が分配される

DAOの2つ目の特徴として挙げられるのは、参加者にもトークン(報酬)が分配されるという点です。

先ほど述べたように、このガバナンストークンは組織の活動への参加・貢献に対する報酬として与えられ、組織内の投票権も付与されています。

さらにこのガバナンストークンは組織が取引所に上場し、価値が上がることによって利益が生まれる可能性もあります。

つまり、従業員として勤める株式会社の上場に比べ、DAOにおける上場は公平に参加者が利益を得ることができる仕組みといえるでしょう。

③ブロックチェーンの技術による透明性の高さ

DAOの3つ目の特徴として挙げられるのは、ブロックチェーンの技術による透明性の高さです。

DAOはブロックチェーン上で運営されており、参加者が下した意思決定はスマートコントラクトと呼ばれる形で実行されます。

ちなみに、スマートコントラクトとは契約とその契約の履行条件をあらかじめブロックチェーン上にプログラムし、履行条件が満たされた場合に取引を自動で行う仕組みのことです。

したがって、中央管理的な組織がなくともブロックチェーン上で、安全に運営することが可能となりました。

さらに、DAOはパブリックブロックチェーンを基盤としているためオープンソースであり、ソースコードを閲覧すればスマートコントラクトの内容がいつでも確認可能です。

DAOの種類とビジネスモデル

DAOは大きく2種類に分類され、それぞれビジネスモデルが異なります。下の2つがDAOの分類です。

①プロダクト指向DAO
②目的指向DAO

解説していきます。

①プロダクト指向DAO

1つ目のプロダクト指向DAOとは、企業ではなく有志が中心となって開発が行われるDAOのことで、そのリターンとしてトークンの値上がり益を享受するビジネスモデルです。

Web2.0時代の株式会社形態では組織が中心となってプロダクトを作り上げる仕組みでしたが、Web3時代のプロダクト指向DAOではプロダクトを中心として、その周りに開発者やユーザーがいるという仕組みに変化しました。

このプロダクト指向DAOの一例として挙げられるのが、ビットコインです。ビットコインというプロダクトに魅力を感じた開発者が開発を進め、同じく魅力を感じた投資家が投資し、ユーザーが利用することによって、世界規模の組織となりました。

さらに、こうしたDAOのコミュニティでは開発者・投資家・ユーザーの垣根が低いということが特徴の一つとして挙げられ、ユーザーが投資を行うことによってトークンの値上がり益を享受することも可能です。

②目的指向DAO

そして2つ目の目的志向DAOとは、目的のために集まったメンバーがDAOを組織し、目的達成によってコミュニティがトークンの値上がり益を享受するというビジネスモデルです。

Web2.0時代の株式会社形態と目的志向DAOは一見類似していますが、前者は上場などのタイミングで利益を得る者が限定的であるのに対し、後者はトークンを保有するコミュニティのメンバー全員が利益を得ることが出来るという違いがあります。

その違いの理由としては、DAOにおけるトークンの発行・分配が株よりも迅速であるからということが挙げられます。トークンの発行はDeFi(ディーファイ)という全自動の金融システムを用いることによって、プロジェクト立ち上げ後から配布可能であり、上場後数年経ってから入手可能な株よりも初期メンバーが利益を享受しやすいというメリットがあります。

DAOの代表的事例

DAOの代表的な事例は次の4つです。

① MakerDAO
② PleasrDAO
③ビットコイン
④イーサリアム

それぞれ解説していきます。

①MakerDAO

MakerDAOとは、イーサリアムなどの仮想通貨を預けることによってステーブルコインのDAI(ダイ)を発行できる(仮想通貨担保型)オープンソースプロジェクトです。

ステーブルコインとは、本来価格変動が激しい仮想通貨の価格が安定するように設計された仮想通貨のことで、このステーブルコインであるDAIを誰でも発行可能な点がMakerDAOの特徴です。

また、MakerDAOは1DAI≒1ドルになるように設計されており、その安定性からステーブルコインとしての需要が高いため、人気のDAOとなっています。

このMakerDAOは先ほど紹介したプロダクト指向DAOの一例で、もともとMaker Foundationという財団が開発を行い、DAOとしてプロジェクトが軌道に乗ったため財団が解散し、現在では分散化したコミュニティが運営されています。

② PleasrDAO

PleasrDAO(プリ―ジャーダオ)とは、NFTを収集することを目的としたDAOです。収集したNFTの値上がり益によって、参加者がリターンを得る仕組みです。

このNFTの収集によって蓄えたDAOの資金で将来的には投資を行っていくという目標もありますが、今のところはNFTの収集組織として機能しています。

このPleasrDAOは、NFTを担保に資金(仮想通貨)を借りることが出来た最初のDAOとしても知られ、DeFiとNFTを掛け合わせたことによる可能性を一躍世に知らしめました。

ちなみにDeFiとは、ブロックチェーン上で構築された金融システムのことで、すべての取引の履歴が閲覧可能な形となっているため、信頼性が高いことが特徴です。

このDeFiと呼ばれる金融システムは、DAOの仕組みの根幹を支えているといっても過言ではありません。

③ビットコイン

仮想通貨のビットコインもDAOの代表的事例です。

ビットコインは、ブロックチェーン上の大きな一つの取引台帳の計算処理に協力した人たちへ報酬として仮想通貨ビットコインを新規発行することによって、組織がアップデートされながら規模を拡大しています。

したがって、ブロックチェーン上において複数の参加者が協力して組織をアップデートするという側面から1つのDAOとして考えることが出来ます。

④イーサリアム

イーサリアムもDAOの代表的事例の1つです。イーサリアムは、ブロックチェーンの技術をWeb3の様々な用途に展開し、Web3が急速に拡大するきっかけを作りました。

今回紹介したDAOやDeFi、さらにはNFTなどもこのイーサリアムのブロックチェーン技術を応用して発展したため、まさにWeb3を支えてきたインフラといえるでしょう。

このイーサリアムもビットコインと同様、多大な計算量を必要とする問題を解いた者に報酬として仮想通貨が与えられるシステム(PoW)でした。

しかしながら、このシステムだと計算に莫大な電力量が必要となり、環境負荷が大きすぎるため、仮想通貨の保有量と保有年数が報酬に繋がるシステム(PoS)に変更されました。

したがって、マイニングに必要であった専用のマシンや膨大な電力が不要となるため、参加のハードル自体は下がったといえるでしょう。

DAOのおすすめの仮想通貨関連銘柄4選

DAOを組織形態とする仮想通貨銘柄は、近年大きな注目を集めて2021年に急増しました。

ここからは、そのDAO関連のおすすめ仮想通貨銘柄を4つ紹介します。

①BitDAO
②Uniswap
③SushiSwap
④Compound

それぞれ解説していきます。

①BitDAO

出典:BitDAO

BitDAOとは、海外の仮想通貨取引所の「Bybit」が進めるDAOプロジェクトです。

BitDAOはトークンを利用した経済活動の普及を目的に、新興のDeFiに出資し、その出資先のプロジェクトが成長することによってBitDAOの保有資産を増やしています。

このBitDAOは、独自のトークンである「BIT」を発行しており、その「BIT」を購入した保有者が出資先のプロジェクトや出資額の投票に参加できる仕組みです。

また、BitDAOはBybitの全面的な支援や、PayPal創業者のピーター・ティール氏をはじめとする多くのパートナーから出資を受けていることに加え、今後Web3の広がりによってDeFiが普及すれば大きくトークンの価値が上昇する可能性があります。

②Uniswap

Uniswapとは、あるトークンと別のトークンの交換が行える分散型取引所(DEX)の1つです。中央管理者がいないためDAOとして分類されます。

このUniswapは、独自のトークンである「UNI」を発行しており、参加者が保有する仮想通貨をこのUniswapにプールしてもらうことにより、利息と「UNI」を報酬として配布しています。

したがって、参加者は仮想通貨を消費することなく報酬を得ることができるということがこのUniswapの特徴です

Uniswapのもう1つの特徴として、仮想通貨の上場に審査が存在しないことが挙げられます。つまり、マイナーな仮想通貨を交換できる可能性もありますが、それが詐欺コインである可能性もあるため注意が必要です。

③Sushiswap

Sushiswapとは、もともとUniswapの模倣として作られた分散型取引所(DEX)ですが、設立から2年余りで1日の取引量が200億円を超えることもあり、Uniswapに引けをとらない規模の取引所となっています。

Sushiswapは、独自のトークンである「SUSHI」を発行しており、仮想通貨を一定期間預ける(ロックした)参加者に報酬として付与しています。

Sushiswapでは、他にも通貨の貸し出しを行なって利息を得ることができたりと、さまざまなプロダクトを提供しているため、参加者も多様な手段によって利益を得ることができるのが特徴です。

④Compound

Compoundは分散型取引所(DEX)の1つで、参加者が仮想通貨の貸し借りを行うプラットフォームとして知られています。

Compoundは「COMP」というガバナンストークンを発行しており、貸し借りどちらを行ってもこの「COMP」が受け取れる仕組みです。

さらに、Compoundはこの「COPM」以外にも「cETH」というトークンを発行しており、仮想通貨の貸し出しを行った人に付与しています。この「cETH」に金利が付与されることで貸し出した人にメリットが生まれる仕組みとなっています。

【まとめ】DAOの展望予測

ここまでDAOについての解説を行ってきましたが、果たして今後のDAOはどうなっていくのでしょうか。

2023年2月現在、DAOにおいて取引されている仮想通貨の多くは大手仮想通貨取引所の「FTX」破綻や、今もなお続くロシアの戦争のリスクなどから一時的に値を落としている状況です。

しかしながら、長期的に見るとDAOやそこで取引される仮想通貨は特に国内において普及する可能性があるといえます。

日本政府のWeb3推進

その最も大きな理由は、現在日本政府がWeb3推進方針を掲げているためです。

自民党の平将明議員をはじめとするWeb3推進チームは、2022年3月に『NFTホワイトペーパー』を作成し、その中でDAOの法人化を認める制度設計に向けた提言を行いました。

さらに、同チームはホワイトペーパー第2弾の作成に向けて議論を行っており、その中で仮想通貨を巡る税制やDAOに対する環境整備の項目を掘り下げていく方針です。

岸田総理自身も、2022年10月の臨時国会における所信表明演説で、「Web3の利用拡大に向けた取り組みを進める」と述べるなど、政府がWeb3の推進に意欲的であると見てとることができるでしょう。

したがって、これまでWeb3に関しては世界に遅れを取っていた日本ですが、DAOや仮想通貨の規制緩和に向けた動きが水面下で進んでいます。

逆に現在の世界を見ると、仮想通貨などに対する規制を強化する動きが進んでおり、Web3に関するこれまでの状況が逆転しつつあるため、今後国内におけるDAOや仮想通貨の普及の動きがますます広まると考えられます。

現代の多様化する稼ぎ方の1つに

また働き方的な観点で見ると、株式会社であれば会社の一員となるためには一般的に書類選考や面接などの関門を乗り越える必要がありますが、DAOの一員となるためにそうしたステップは必要ありません。

したがって、その誰にでも開かれた敷居の低いビジネスモデルがDAOの魅力であり、働き方改革や格差社会の是正が進む中で多様化する稼ぎ方の1つとしてDAOが普及する可能性があるといえるでしょう。

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