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以前メッセンジャーアプリはMAUベースで2015年にSNSアプリを超え、すでにマーケティングの場としてメッセンジャーはSNSを超え、マーケティングの場としても有望になっている。とお伝えした。地方日本版DMO(※DMO:Destination Management / Marketing Organizationの略)でもFB Messengerボットマーケに乗り出したそうなのでレポートしたい。舞台は「石川県加賀市」と「一般社団法人加賀市観光交流機構」が運営する「KAGAルート」。
加賀はいいところなのに…どこか知っていますか?
石川県加賀市のリリースによると、これまでは各旅館・ホテルが独自に採用活動を行っており、ハローワークや地元情報誌、求人誌が中心だった。限られた経営資源の中で広く求人広告を掲載することは難しく、旅館の特徴や仕事の魅力を伝えきれず、採用が難航していたそう。
また就労環境改善にも取り組み、宿泊業就労のマイナスイメージを払拭し、応募を増やすためには加賀温泉郷全体で取り組むためにも、加賀温泉郷の魅力や宿泊業に興味をもってもらえるよう、「KAGAルート」求人サイトを通じて、若者への喚起をはじめ、多様な働き方ができることをアピールし、宿泊業の人手不足改善を目指すそうだ。
AI、Indeed対応、加賀が本気出してきた!
チャットボットマーケの舞台になっているのは、「KAGAルート」。
このサイトの右上と真ん中あたりに謎のバナー「ゆげ子の部屋」がある。これをクリックするとチャットボットの利用が始まる。
内容はなかなかに工夫されている。
おかしなテンションのBOTと会話を始めると、突然タメ口で質問から始まる。
はいはい、と言う感じで会話をすすめるのだが、急に距離を詰めてくるゆげ子。
ちょっと引いて、本筋の求人の話を聞かせてもらうとしよう。とすると、急にゆげ子はビジネスライクに豹変するっ…あんなに近かったじゃないかゆげ子…どうしたのさ…
最後は、ゆげ子から連絡を待つ、という絶妙なツンデレ具合で会話が終了する。
どうやらほかにもいくつかのルートがあるようで、ご興味のある方は複数ルートを回ってみてはいかがだろうか。他にも「KAGAルート」ではIndeedに対応したり、仲居男子にプチ移住など、おもしろい取り組みがたくさんされている。
「KAGAルート」で検索してみるとちょっと楽しめるだろう。
Facebookマーケティングの次の一手として高まる期待感、しかし国内実例少なく
ビジネスの観点ではこうやって1ユーザーとのエンゲージを深めていく手法はファン活性化を狙った施策として費用対効果がよさそうでもある。
一時期のFacebookいいね獲得競争のブームが過ぎ去って、各社Facebook活用の次の一手を踏み出しかねている。その次の一手としてチャットボットは期待され去年あたりから海外事例を中心にFB Messengerボットとビジネスの組み合わせは記事になっている。
・チャットボットでフード産業が変わる? FB Messengerボットでレストラン予約を自動化するAppFront
・飲食店や美容院でも大活躍必至!チャットボット×予約サービス
だが、LineがToCのマーケティングの主戦場となっている国内にあって、FB Messengerボットはなかなか国内の事例は出てきていないのが実情。「いいねとった後どうするの?」の答えの一つとして今回の加賀市のチャレンジが有望な事例になることを祈りたい。
編集後記
取材担当進藤より