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エッジAIプラットフォーム「Actcast」を運営するIdein株式会社は、事業拡大のため20億円の資金調達を行ったと発表しました。同社の累積資金調達額は約33億円です。
引受先の多くが、事業会社やその関連会社であり、エッジAIプラットフォーム「Actcast」の事業のパートナーシップを強化し、さらに事業を拡大させていきたい狙いです。
【調達先一覧】
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「Actcast」は、2020年1月に正式リリースされたエッジAIプラットフォームです。エッジデバイス上で画像認識などを行い、実世界の情報を取得し、Webと連携可能なIoTシステムを構築できます。
特にエッジデバイスに特化し、安価なデバイスを用いてエッジ側で解析し、不要な情報を送信しないことによって通信量を削減したり、プライバシーに配慮したAIシステムを導入可能です。
現在、パートナープログラム「Actcast Partner Program」を通して「Actcast」に71社が参画し、複数の実証実験を抱え、事業拡大のスタートラインにあるといいます。
この背景のもと、事業戦略ラウンドとして位置づけた資金調達に至りました。
【引受先からのコメント】
伊藤忠テクソリューションズ株式会社 常務執行役員 流通事業グループ担当役員 尾本 昇氏:Ideinは深層学習推論の高速化を実現した高い技術力を有するプラットフォーマーであると認識しています。世界的 にIoT市場の拡大が期待されおり、CTCが培ってきたSI力とIdeinのAI/IoT技術を組み合わせることにより、ヒト、デ バイス、街、あらゆるモノがつながる、2030年の明るい未来を実現するスマートな社会を目指します。
いわぎん事業創造キャピタル株式会社 代表取締役社⻑ 稲垣 秀悦氏:弊社は、岩手銀行グループ会社のVCで、3年前から岩手県出身の中村社⻑に注目しており、今回のラウンドでの投 資に至りました。 エッジコンピューティングやAI/IoT市場は、今後、世界的にも拡大が見込まれ、また、当 社の技術力は、日本国内の大手企業を含めた多数のパートナー企業の存在や英国の ARM社からパートナー認定 を受ける等高く評価されています。 弊社としては、Actcastが世界のIoTプラットフォームサービスとな るよう期待するとともに、中村社⻑が岩手県の経済活性化にも貢献されることを確信しております。
KDDI株式会社 経営戦略本部 ビジネスインキュベーション推進部⻑ 中馬 和彦氏:政府が提唱しているサイバー空間とフィジカル空間の間でデータが循環するSociety5.0において、データ負荷分散 、低遅延改善等の課題解決のため、5Gネットワークとともにエッジコンピューティングが重要な役割を果たすと考 えています。この中で、フィジカル空間におけるセンシングを担うエッジコンピューティングのパートナーとしてI dein社に大いに期待しています。KDDIのIoT・クラウド等を通じ、新しいビジネスの創造を一緒に目指していきた いと考えています。
双日株式会社 エネルギー・社会インフラ本部 社会インフラ開発室⻑ 廣瀬 正佳氏:Idein社が開発したプラットフォーム「Actcast」は、独自のコンパイラ技術により、廉価なデバイスによる高速コン ピューティングを実現、エッジAIの社会実装を大きく加速させると期待しています。Idein社の「いち早く社会実装 し”場”を抑える」戦略と、商社ネットワークとの高い共益性を元に、海外展開も視野に入れ、この度出資するこ とに致しました。
株式会社デジタルガレージ 代表取締役 兼 社⻑執行役員グループCEO 林 郁氏:今後更に、あらゆる分野でIoT化が進行を早め、データ量そのものが爆発的に増加するなか、エッジコンピューティ ングは必要不可欠な技術となっています。Idein社の技術は、英国Arm社のAI Partner Programのパートナー企業に 認定されたように、日本だけでなくグローバルのあらゆる場面で活用される可能性を秘めています。当社は、最初 の資金調達ラウンドより参加してきています。また、中村社⻑には日本を代表する知能として、当社のDG Lab (オ ープンイノベーション型研究開発組織)でも初期からAI領域のアドバイザーに参画いただくなど連携を続けてきま した。今後も、DGグループ全体で、Idein社のグローバルでの挑戦をサポートしていきます。
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