2023年2月8日から10日にザ・プリンスパークタワー東京で開催された「大塚商会実践ソリューションフェア2023東京」に行ってきました。
「実践ソリューションフェア」は大塚商会が毎年開催している国内最大級のIT展示会です。経営・経理・営業に関する多数のソリューションを展示している「展示エリア」、展示されているソリューションをデモや事例を交えた寸劇で、活用シーンやソリューションのポイントが理解できる「メインステージ」、各業界・分野を代表する著名講師や大塚商会関係者による特別セミナーやITの最新動向や導入事例が聞けるソリューションセミナーが用意された「セミナーエリア」があります。今年のテーマは「ITでビジネスが変わる、つながる世界!」と題し、「オフィスまるごと」を意識したソリューションを分かりやすく紹介しています。
この記事では、そんな大塚商会実践ソリューションフェア2023東京の様子をご紹介していきます。
注目の展示 「dotData」
大塚商会はDX統合パッケージにdotDataを活用したAI機能を実装しました。大塚商会のDX統合パッケージは、販売・会計・人事給与・ワークフロー・ドキュメント管理など、中堅・中小企業のバックオフィスのDXを実現するプラットフォームです。今回dotDataを導入したことにより、大塚商会が20年以上蓄積していた営業データを効果的に活用できました。
大塚商会では、営業活動の効率化として「AI行き先案内」を2019年から導入しました。これはAIが営業データを分析した結果から、それぞれの営業担当者に出向く先の企業を提案するというものです。dotDataが分析した特徴量から企業が何を求めているのかを読み解き、AIが商談に行く予定を自動でカレンダーに入れてくれます。空いている時間で前後の商談場所から移動可能な地域の顧客を提案するなど効果的かつ効率的な提案をしてくれます。それにより、AIによる商談の提案数は2020年の上半期から2021年の上半期の1年で約3倍に増加しており結果を残しています。
大塚商会のDX統合パッケージ(dotData AI分析サービス)の特徴は大きく分けて3つあります。
1,時間
何に使うかといったテーマやデータの量にもよりますが、社内のデータを分析して扱うとなると膨大な人と時間がかかります。従来では数ヶ月ほどかかるデータ分析を数日から数週間で完了できます。
2,スキル
またデータ分析する、分析したデータを活用するためにはデータサイエンティストなどデータに明るく、ビジネスへの理解も深い人材が必要です。しかし、このDX統合パッケージでは分析から活用までのdotDataを使う作業は大塚商会が担当するため、ユーザーのデータを用意するだけで分析結果が得られます。
3,価格
自社のAIツール導入コストやデータサイエンティストの人件費に比べて、お手軽でリーズナブルに最先端で精度の高いAI予測・分析を利用できます。また回数契約や月額契約も可能となっています。
すでに導入している企業では、コールセンターでの契約率が高いであろう顧客のリストを抽出し、受注件数が7倍になっているなど「dotData」を利用した成功例も出ているなど、AIをうまく活用したソリューションとなっています。
その他にも、チャットボットやAI画像解析、モータ製品の音を用いる検査時の異音を検知し知らせてくれる異音検知ソリューション「Monone」などのAIを活用したサービスがありました。
特別セミナー 「これからの採用DX AIを活用した採用人事と人材育成のポイント」
こちらの特別セミナーは株式会社ZENKINGEN代表取締役社長の野澤比白樹氏と大塚商会の閤師敏晃氏によるもので、採用にAIを活用した大塚商会の事例を紹介していただきました。「全員会います採用」というエントリーシート等で足切りをせずに、応募者全員と会うことを信条としていた大塚商会ですが、そもそも全員と会うとなると6000人ほど応募者がいて絞り込むのが困難だということと、コロナ禍では会いたくても会えないという中で、ZENKINGENが手掛ける「harutaka」と「revii」というサービスを活用し、採用DXを成し遂げました。
「harutaka」は、AIによるライブ面接でのインタビューアセスメントや面接時の接続トラブルを予防する接続確認ダッシュボードやエントリー動画の解析で、採用プロセス全体のデジタル化をサポートするサービスです。具体的には、発話内容・振る舞い・表情などから応募者の特性を解析し定量化したり、音声から発話内容を書き起こしたり、応募者のみならず面接官のスキルも可視化させ面接体験の向上につなげるなど、AIを活用しオンライン採用に特化したサービスとなっています。
「revii」は、オンラインでの1on1を通じてマネージャーとメンバーとの関係の質を高め、より生産的なチームづくりを支援するサービスです。1on1後のアンケートによる定性データと、AIによるメンバーの様子・ふるまいの分析から、一人ひとりのコンディションやモチベーションなどを可視化し、マネージャーがチームメンバーの状態の把握をサポートすることや、解析結果をもとにマネージャーにも話す内容やふるまいなどのフィードバックがあります。
この2つのサービスの活用により、大塚商会はエントリー動画で人となりを見ながらも、従来よりも絞り込みを簡易化し、今まではブラックボックスとなっていた面接官のスキルアップにも取り組み、内定承諾率が向上するなど数字でも成果が表れています。
まとめ
今回の大塚商会実践ソリューションフェア2023東京では、本当に一社でこれだけのソリューションがあるのかというほどの展示があり、それらをメインステージの寸劇で芋づる式にわかりやすく説明しており、ここにくれば大抵の企業の問題は解決できるのではないかと思いました。
また、価格面や知識面の問題で中小企業には導入しずらいAIを活用したサービスも、価格を抑えながら、手厚いサポートもあり、導入しやすいものになっている点も多くの中小企業を顧客に持つ大塚商会ならではだなと感じました。
大学では広告や広報について学んでいます。
サッカーは見るのもやるのも好きです。
AIの知識を深め、わかりやすい記事をお届けしていきたいと思います!