最終更新日:
人工知能がすごいです。(語彙力…) 多くの有能なロボットが開発されて、バランスよく二足歩行ができるようになりました。バック転をするロボットの動画がバズっていたこともありましたね。
汎用人工知能(AGI)いうドラえもんのような知能を実現するため、脳の構造を再現したロボットも開発されています。
人間の模倣のために多くの開発が行われているのですが….
今回注目するのは味覚です。
食は人の幸せの3分の1を占める生活の大事な要素(衣食住だから3分の1かなと…)
AIの活用により、どんなイノベーションが起きているのでしょうか。
AIを活用した味覚センサーレオを開発している味博士 鈴木隆一さんをらんらんと取材しました。
味覚センサーとは
味覚センサーは、舌にあるセンサーで知覚していた味を機械を用いて定量的な数値データとして出力する機械です。
人間は食物を口入に入れたとき“味蕾(みらい)”という部分がセンサーの働きをして、それぞれの味の信号を感じます。その信号を神経細胞(ニューロン)を通して、脳で「甘い」とか「苦い」などを知覚します。
味覚センサーレオは“味蕾(みらい)”の代わりに独自のセンサーを開発し、そこから得られた情報をニューラルネットワーク(人工知能)を通して味を定量的に測ることを可能にしました。
鈴木さん
では味覚センサーレオの強みはなんなのでしょうか!?
味覚センサーは従来からあった技術。テレビの企画で「ご飯にみかんを乗せて醤油をかけるといくらの味がする」とか「アボカドをわさび醤油につけて食べると大トロの味がする」みたいな企画を見たことがある人も多いかもしれません。
味覚センサーレオの強みについて聞いてみましょう。
おざけん
鈴木さん
味覚は5つに分かれますが、その中で特に甘みとかうまみっていうのは測りにくかったんですね。
それが何かというと例えばしょっぱいとか酸っぱいっていうのは、イオンの量を測れば計測することが可能でした。
我々が独自に甘みを計測する仕組みを、今までの味覚センサーとは全く異なる仕組みで作ったんです。だから今までのセンサーはそこができなかったというところですね。
おざけん
鈴木さん
実はこの技術、私たちがオリジナルで開発したものではなくて、実はある業界で使われていた技術なんですよ!
らんらん
おざけん
鈴木さん
らんらん
鈴木さん
糖分を測る技術は従来から医療業界で使われていた技術なんです。医療業界ってやはり技術的に見るとすごいですよね。技術力が勝負なので笑
レオは医療業界の技術を食品用に少しカスタマイズして転用しました。
おざけん
味覚センサーにこそAIは必要
味覚センサーレオはセンサーによって得られた5つの味覚情報をもとに、それをAIで解釈して味覚を推定することが可能です。
しかし、わざわざAIを使う必要なんてあるのでしょうか!?AIについて詳しく伺ってみましょう。
おざけん
鈴木さん
どちらかというと味覚センサーのアウトプットにニューラルネットワークを使っています。
RBFニューラルネットワークっていうちょっと古いものです。センサーとニューラルネットワークを結合させて、そこで味覚のアウトプットを出すという部分で特許化しています。
なのでどちらかというとニューラルネットワーク自体が新しいアルゴリズムというよりは、センサー情報とAIを結合させるところに新規性があります。
これまでは単位量解析とかいわゆる主成分分析とかそういう線形の解析手法でやってたんですけれども、実は問題がなかったんですよね。
おざけん
鈴木さん
やっぱり拡張性とかデータをどんどん足していけば賢くなって、どんどん人に近くなっていきますからね。あと人間の好み、味の好みっていうのは人によって全然違うと思うんですけど。
その好みを数値化して、じゃあ次どんな味覚の趣向になるのかを推測して、前もってその味を出すみたいな取り組みもしています。すでにいろいろな会社さんと商品開発等で一緒にやっています。
線形解析のような従来の統計手法だと単純に出てきたデータの解析だけだったらできますけど、じゃあ次何が来るのかの予測は難しので、AIを活用していく強みだし今後強くしていきたいところです。
おざけん
鈴木さん
おざけん
鈴木さん
商品をリニューアルする際に、次はこの味がおいしいと感じるだろうということをAIで推定して、そこに向けて味を作っていったという。味の流行を逆算したプロセスで商品を開発してるんです。
実はAIを活用するのは味の流行の未来予測のため!?
みなさんは昔嫌いだった食べ物を克服した経験はありませんか!?鈴木さんによると人間の味覚は変化するもので、日々新たな味覚が生まれているのだそうです。
おざけん
鈴木さん
ちなみにらんらんさんは今、食べ物では何がお好きですか?
らんらん
鈴木さん
らんらん
鈴木さん
鈴木さん
人間は生き物なので、幼少期の時の味覚、20歳前後の味覚、30代の味覚、40代の味覚で、やっぱりどんどん変わっていきますし、かつその時代時代でも変わっていくんですよ。
例えばこってりしたものがいいとか、酸味のあるものがいいとか、うまみのあるものがいいとか、時代時代で「今だったら少しマイルドな味わいが好まれる」とか、「ちょっと前だったら濃い味が好まれる」とか、時代の波があるんです。
結局そういう波に乗っからないと、多くの人においしいと思ってもらえないわけですよね。それは無意識で残念ながら消費者の人もわかっいません。
そのおいしい商品が出されて初めて、「あ、これはすごくおいしい」となるんです。
おざけん
鈴木さん
味覚センサーのデータもあり、かつ時系列データもとってるので、それを使って予測していくということです。その予測結果を商品開発に生かしていきます。
例えばマイルド味が、ここ1年くらいのトレンドなんですけど、実は3,4年前から消費者調査結果からは、ちょっと味が濃いとかもっとマイルドなのがいいとか、そういう予測が立っていました。
おざけん
鈴木さん
濃い味がすごい来てるから濃い味ばかり商品開発しちゃって、商品を発売したときには流行が変わってしまっていることが多いんです。明日発売しようと思って発売できませんからね。
究極の商品開発は、消費者のニーズを先読みして作っていくことだと思うんですよ。
おざけん
味覚センサーレオのこれから
おざけん
鈴木さん
それで、デジタルに変わってしまえば、後はクラウドとかコンピューティングで対処法はたくさんあると思います。ただそのアナログからデジタルの情報に変えるところっていうのはあらゆる業界で課題になっていると思うんですよね。
だからそこのセンシングが結構肝だなと思っているので、結構大きい30kgくらいある機械を使っているので、軽量化が課題です。
それこそスマホにつなげて測れるような簡易型のセンサーを作っていくとかですね、そういう新しいイノベーションを起こして、それでその結果とAIをうまく生かしておいしさの精度をより上げていく、その時は当然データが増えてくるんで多層(ディープラーニング)にしていく可能性は高いと思います。
味覚センサーについて詳しくはこちら
編集後記
おざけん
そして味覚センサーレオの課題にあるように、いかにセンサーを軽量化してデータを増やしていくかが重要です。データを増やすためにセンサーの軽量化を進めれば、さらにAI(ディープラーニング)の活用の幅が広がります。
■AI専門メディア AINOW編集長 ■カメラマン ■Twitterでも発信しています。@ozaken_AI ■AINOWのTwitterもぜひ! @ainow_AI ┃
AIが人間と共存していく社会を作りたい。活用の視点でAIの情報を発信します。
つまり、三原色ですべての色は表現できるように、五味で全ての味を表現できるというわけですよ。
辛味や渋みというのは痛いとかの触覚の要素が入るため、基本味には含まれていないんですね。
この5つの味を数値化できれば、世の中のあらゆる味はこの5つの味で数値、表現できるわけですね。要は三原色ですべての色は表現できるように、五味で全ての味を表現できるというわけです。