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AI・人工知能への投資が加熱しています。ディープラーニングの技術が成熟してくるに連れて、社会への実装を試みるスタートアップが多く誕生し、大企業の買収や、協業も盛んになっています。
今となってはその輪は国内に留まりません。アジアでは中国が多額の投資が行われている他、インドなどでもITの志気が高まっています。アジアだけを見ても、スタートアップを取り巻く環境は非常に多様化しているでしょう。
2018年9月21日、22日にアジア最大規模のビジネスカンファレンス「Tech in Asia Tokyo 2018」が開催されます。Tech in Asiaはアジアで有数のテックコミュニティ。定期的にイベントも開催しており、今回は渋谷ヒカリエで大々的なイベントを開催します。普段、日本という枠組みにとらわれがちですが、アジア全体の動向を知ることのできる貴重な機会になりそうです。
今回は、このイベントを主催するTech in Asia Japan CEOのDavid CorbinさんとBusiness Analystとして活躍する堤春乃さんにインタビューをしてきました。Tech in Asiaの魅力や、アジアでのAIへの投資動向を、みなさんにお伝えしたいと思います。
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目次
「Tech in Asia」とは?
Tech in Asiaとは2011年にシンガポールで立ち上がったテックコミュニティ。アジアスタートアップの投資戦略サポートや協業/連携サポート、スタートアップイベント、アクセラレータ、メディアなどの事業を行なっています。現在、シンガポール・ジャカルタ・日本の3ヵ国にオフィスを置き、世界12ヵ国に130名以上のスタッフを有しています。
Tech in Asia Tokyo 2018
9月20日から21日にかけて渋谷ヒカリエで開催されるイベントです。アジアのスタートアップに関する最新の動向や、各業界のリーダーがスピーカーとなるセッション、ビジネスのつながりになるネットワーキングなど、幅広いコンテンツが用意されています。
ーーTech in Asia 概要ーー
日時:9月20日〜21日
場所:渋谷ヒカリエ
代表のDavid Corbin氏がこのカンファレンスについて語ってくださいました。
「日本国内だけでなく、アジアのさまざまな企業と繋がって、一緒に成長することが目的のカンファレンスです。日本でもビジネスカンファレンスは多く開催されていますが、Tech in Asiaは他のカンファレンスよりも海外とのネットワークが強いのが特徴です。海外からの参加者も多く、フランクにコミュニケーションが取れ、楽しい雰囲気です。」
Tech in Asia Tokyo 2018では、今話題の書籍『エンジェル投資家』の著者のJason Calacanis氏、freee創業者の佐々木 大輔氏、インドネシアのユニコーン企業Bukalapak CEOのAchmad Zaky氏、楽天CIO平井 康文氏など豪華登壇者も集結します。日本だけでなく、アジアから著名人が参加する国内でも珍しい貴重なカンファレンスになっていると言えます。
David氏は「世界各国からスピーカーを集めています。そのため、いろんなジャンルの視点を知ることができるコンテンツになっていると思います。」とおっしゃっていました。
AIは多くの産業構造を変える可能性がある技術です。もはやAI業界の定義も難しくなっているのが現状です。さまざまなスピーカーが集まるセッションに参加することで、新たな知見が得られるかもしれません。
また、スタートアップ企業による展示の見どころの一つです。昨年はスタートアップ企業138社がブースを出展し、今年で5年目になるTech in Asiaに出展したスタートアップ企業はのべ276社で、計370億円以上の資金調達に成功しているというから驚きです。
David氏「スタートアップは大手企業との連携や顧客探し、資金調達ができることがメリットです。投資家や大手企業は急成長中のスタートアップと出会うことができる。一度にこれだけ多くの企業が集まる機会はそんなに多くないので、私たちはとても効率的なカンファレンスだと思っています。」
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AI関連でオススメのスピーカーは?
インターン時代からTech in Asiaに参画し、今はBusiness Analystとして活躍する堤さんにAI関連のテーマのオススメのスピーカーを教えてもらいました。
LINE / 砂金さん | LINE株式会社でDeveloper Relations Team マネージャー/プラットフォームエバンジェリストとして活躍する砂金さん。”日本のデベロッパーの今” というセッションに登壇。 |
Hardware Club / Jerryさん | “ハードウェア:革新のAIに未だ立ちはだかる壁”が講演のテーマ。Hardware Clubはハードウェアに特化した投資をしている企業ですが、AIとハードウェアの関係についても聞ける講演になるそうです。 |
Alexis Ohanianさん | 今年の目玉スピーカーです。現在急成長中のInitialized capitalというベンチャーキャピタルのパートナーで、彼らはAIスタートアップにも何社か出資をしています。投資先の企業を中心として、AIトレンド全体や個別の具体的なソリューションのお話もあるかもしれません。 |
Abeja / 長谷さん | “日本発の人工知能技術はこれからどのように進化するのか”のセッションに登壇。 |
※セッションのタイトルは変更の可能性があり
アジアでのAIへの投資の動向は?
Tech in Asiaの運営を通して多くのスタートアップと接し、トレンドを最前線で掴んでいるDavid氏にアジアのテクノロジー事情について伺いました。
まず、Tech in Asiaでは、以下の3つのジャンルでAIの技術領域を定義しているそうです。
- AIaaS(一般企業がAIを活用するためのインフラ/機能を有するプラットフォームを提供している)
- AI Hardware(機械学習や深層学習を活用している、主にロボティクスや工業機械などのハードウェアへの応用を行なっている)
- Applied AI(マーケティングや営業支援、フィンテックのロボアドバイザーや広告のパーソナライズサービスなどの特定のニーズのためのスマートシステム)
その上でDavid氏は「まず、アジアでAIビジネスが盛んな国は、中国、台湾、インド、日本です。そして、国によってAIの技術トレンドは異なります。
例えば、中国ではApplied AIが1番お金を集めています。画像認識、ヘルス、マッチングリサーチの分野にAIを応用したものが特に多いようです。インドでもApplied AIがやはり最も資金調達額が大きいですが、強いのはフィンテックの分野です。
一方で日本ではAI Hardwareの資金調達額が大きくなっています。それに加えて、AIaaSやApplied AIでもたくさんお金を集めることができている企業があるため、バランスがいいと思います。これは優秀な開発者が多いということでしょう。」
日本ではハードウェア系の企業で資金調達が盛んだとDavid氏が教えてくださいました。確かに日本国内では人工知能を搭載したロボット「LOVOT」の開発にあたっているGroove XさんやFPGAを用いたエッジでのディープラーニングの活用を促進しているLeapMindさんが多くの額を資金調達しています。
AI関連の今後の投資がどうなるのかについて伺うと…
David氏「案件数は順調に増加しており、投資家の数も増えています。さらに投資額についても急増しています。今後は少し落ち着いてくると思われますが、まだまだ成長が期待できる業界だと思っています。」と解説してくださいました。
オススメのAI系スタートアップ4社(出展)
これからも成長が期待できるというAI関連領域。では今年のTech in Asia Tokyo 2018の出展社の中で、オススメの企業4社を教えてもらいました。
Empath Inc.
声から感情をリアルタイムに認識する感情認識AIの会社
Asilla.Inc.
手書き認識AIやエロ認識AI、車両認識AIを提供する。特にエロ認識AIでは画像の不適切な部分を検知することができ、サイトの投稿の監視に活用できる。
Alganize Inc.
Allganize(オルガナイズ)は、AIベースの ナレッジマネジメント事業、マーケティング・オートメーション事業を提供している。サンフランシスコ(本社)、ソウル、東京に拠点を構え事業展開をしている企業。
Araya, Inc.
アラヤは、人工知能、特にディープラーニングを含む機械学習アルゴリズムを駆使し、お客様の多種多様なニーズに応えるべく広範囲に渡るサービスを提供している。
さいごに
Tech in Asiaさんに取材させていただきました。AINOWもイベントに参加させていただく予定です、
これから、国内だけではなく、海外も含めたネットワークの構築が、ひいてはテクノロジーや社会の発展に寄与していくと思います。
Tech in Asia Tokyo 2018を通して、どんな新たなイノベーションが生まれるのか。ぜひ参加してみてください!