HOME/ AINOW編集部 /使うべきAI翻訳は?【翻訳機など9サービスとメリットを紹介】
2019.08.08

使うべきAI翻訳は?【翻訳機など9サービスとメリットを紹介】

最終更新日:

あなたは外国語を日本語に直すのに、てこずった経験はありませんか。そんな時は、AIに翻訳を頼むのが便利です。

AI技術の発展を背景に、機械翻訳の精度は、数年前には考えられなかったレベルになっています。

この記事では、AI翻訳を活用するメリットを説明したうえで、実際の翻訳ソフトウェアや、翻訳機を紹介します。

今まさに、AIに翻訳を頼みたい方は、是非読み進めてください。

AIが翻訳をどう変えたか

今日のAI翻訳技術の劇的な質の向上は、AIの発展にブレイクスルーを起こしたディープラーニングの影響にあります。

従来、自動で翻訳する技術の開発が進められていましたが、ディープラーニングを活用した翻訳技術が登場することで、精度面での大幅の躍進を遂げました。

従来の統計的な機械翻訳(SMT)は、文章に対してルールを適用させることで翻訳させていました。

一方でディープラーニングを活用したニューラル機械翻訳(NMT)では、厳密な規則はなくモデルが学習のなかで、規則を導き出します。

今日のAIによる機械翻訳は多くの場合、このニューラル機械翻訳を指します。

AI翻訳を利用する3つのメリット

AI翻訳を利用するメリットは何でしょうか。3つの視点で解説します。

大量に翻訳できる

翻訳の大変さは、外国語を勉強した人であれば、誰もが理解できることだと思います。しかし、AI翻訳であれば、元の文章をコピペするだけで、一瞬で翻訳ができます。

なかなか時間がないけど、どうしても英語の情報が必要な忙しい方は、重宝するはずです。

優秀な人材のリソースを確保できる

専門的な翻訳ができる人材は、非常に優秀であることが伺えます。

例えば、まずAIに翻訳させ、そこからできた文章のみを人間の翻訳家がチェックする流れをつくれば、翻訳家は作業をより効率化させられるでしょう。

これまで複雑な業務だった翻訳を、AIで定型業務のような形に。優秀な人材をより、高度で複雑な業務にあてることが可能になります。

属人的な翻訳にならない

翻訳のプロセスは、元の文章を解釈して、別の言語で表現するという流れが一般的です。従って、誰が翻訳するかによって、解釈や表現の仕方にばらつきが生じます。

AIは、そのような属人性を排除した翻訳が可能です。

一方、AI翻訳のモデルは日々、更新・改良されていくものであるため、毎回同じ翻訳結果になるとは限らない点には注意しなければなりません。

AI翻訳サービスを選ぶポイント

AI翻訳サービスを選ぶ際に、注意すべきいくつかのポイントがあります。なぜなら、法人での使用を想定している場合、個人で使うことに適したサービスを選択してしまうと上手く翻訳が行われなかったり、情報が漏洩してしまう可能性があるからです。

何を最も必要としているのかを考えてから選ぶようにしましょう。

以下で解説します。

AIの精度

AIは精度が高いほど専門的な言葉を認識できたり、長文でもミスが少なくなります。

社内では専門的な言葉を使う機会も多いでしょう。そこで、業界用語などを登録しているサービスを選ぶことでミスが少なくなり、翻訳の手間が省けます。

さらに自社でしか使わないような言葉でも、カスタマイズできる機能があれば独自に翻訳可能であり、より精度が上がります。

また、一般的に日本語→英語の翻訳は難しいといわれています。

そのためいくつかサービスを試してみて、人名や言い回しなどが正しく翻訳されるものを選ぶとよいでしょう。

予算

AI翻訳サービスは無料で使えるものから定額制、利用量に応じた金額など、さまざまなプランが存在します。しかし、無料サービスは簡単に使用できる一方、翻訳精度が低かったり、セキュリティ対策が不十分であるといったデメリットもあります。

定額制は月々数万円から使用できるものが多く、利用者一人あたりに金額がかかります。

一定した金額なので、予算を組み立てやすいメリットがあります。

利用量に応じたサービスでは、文字数やワード数によって料金が決まります。プロの翻訳家が校正チェックしてくれる場合もあり、高いクオリティを求める方にお勧めです。

しかし、料金が高くなりやすいことと、納品まで時間がかかる場合があるという点に注意が必要です。

セキュリティ

大多数が使う無料クラウドサービスなどでは、サービス向上や情報収集のために、入力された文章がサービス会社に使用される危険性があります。つまり、公文書や社内の重要情報が外部に流出する可能性があるのです。

そのため、用途によってはセキュリティが強固なサービスを選ぶ必要があります。 無料のサービスを使う際にも利用規約を確認するようにしましょう。

有料のAI翻訳サービスはセキュリティ対策がとられており、対策方法も明記されているため安心です。国際規格の取得や、データの削除など、さまざまなポイントがあります。

AI翻訳サービス9選

それぞれのサービスで特徴が異なりますので、一緒に見ていきましょう。

Google翻訳

料金 無料
機能 100以上の言語に対応

アプリ利用でカメラを通じて翻訳可能

LINE翻訳

【公式】LINEの通訳機能を使用する方法

料金 無料
機能 中国語、韓国語、英語に対応

写真の翻訳可能

DeepL

料金 無料版

個人チーム向け:月額750円~

開発者向け:月額630円~

機能 Wordファイルなども翻訳可能

セキュリティ対策

訳の語調を選べる

用語を設定すれば自動で反映

みらい翻訳

料金 無料トライアルあり

定額型:月額8万円~

利用した分の支払い:月額1万円~

機能 セキュリティ対策

翻訳精度が高い

ファイルの翻訳可能

 株式会社ロゼッタのT400

料金 無料トライアルあり

利用シーンにより料金が異なる

機能 専門2000分野対応

100言語対応

高い翻訳精度

セキュリティ対策

COTOHA® Translator

引用:COTOHA Translator

料金 無料トライアルあり

ベーシックプラン:月額8万8千~

機能 高い翻訳精度

ファイルの翻訳可能

セキュリティ対策

専門用語も対応可能

kode-AI翻訳

引用:KODENSHA

料金 エントリー:年額36万~
機能 ファイルの翻訳可能

セキュリティ対策

専門用語も対応可能

42ヶ国語対応可能

 ポケトーク

引用:POCKETALK

料金 無料トライアルあり

本体:9,900~

ポケトーク字幕:月額2,200~

機能 ミーティング画面に字幕が出る

通訳機能

海外とのリモート会議対応

富士通のarrows hello

引用:arrowshello

料金 本体価格:25,080
機能 WiFi限定仕様

カメラで翻訳可能

28ヶ国語対応可能

AI翻訳サービスを利用するときの注意点

便利で素早く翻訳できることが魅力のAIですが、全ての場合に対応できるわけではありません。

高いクオリティが必要な場合は使わない

高いクオリティの翻訳が必要な場合、AIに頼るのはやめておいた方がいいでしょう。

社外に発表する資料や大事なプレゼン原稿は、翻訳の仕方で違う意味に捉えられる危険性があり、トラブルに発展する恐れがあります。

また、AIでは単調的な翻訳になってしまい、言葉に深みを持たせたり、その人らしさを出すことは困難です。

使用用途に合わせてツールを選ぶようにしましょう。

翻訳のこれから

ニューラル機械翻訳は基本的に、データが集まれば集まるほど精度を増します。これから、我々のコミュニケーションによってデータが増すことはあれども、減ることはありません。

従ってデータの増加に伴ってモデルの精度は向上し、今後とも機械翻訳の精度は増していくでしょう。

一方でこのままモデルの精度が増したとしても、人間による翻訳の代替が可能だと言い切れない面があります。

私たちは意味を理解して言語によるコミュニケーションを取っています。

しかし、なぜ私たちが意味を理解できるか。あるいは、どうやって意味を理解しているかは、今だ明確に解明されていません。

例えば、学術的な本では、その道の専門家が翻訳をします。それは、その言語で書かれている言葉は、その分野の知見がないと解釈できない。意味が分からないからではないでしょうか。

これからのAI翻訳技術の発展に期待しながら、人間の果たせる役割も見つめなおすことが必要と言えます。

おわりに

現在の機械翻訳技術で可能な範囲の翻訳が役に立つケースはいくらでもあります。例えば海外で突然の重大ニュースや、外国人観光客とコミュニケーションを求められた時などです。

AIを活用することは、AIを育てることにも繋がります。

一方で、現段階では言葉の意味を正確に理解しなければならないコミュニケーションの場合は、まだ機械に代替されそうにありません。

東京大学の入試に挑戦するAI、東ロボくんの開発者である新井紀子氏は、著書(AI VS.文字が読めない子供たち.2018.東洋経済新報社)のなかで、AIの翻訳が意味を理解できない限界を示した上で、日本人の言語能力の低さに問題提起をしています。

AIを活用しつつ、AI時代のこれから人間だからこそできることにも目を向ける必要があります。

無料メールマガジン登録

週1回、注目のAIニュースやイベント情報を
編集部がピックアップしてお届けしています。

こちらの規約にご同意のうえチェックしてください。

規約に同意する

あなたにおすすめの記事

動画生成AI『Sora』とは|映像業界にとどまらないインパクトを解説

基調講演だけではない。OpenAI、Microsoft、Metaもビジョンを語ったGTC2024セッションまとめ

ChatGPTもGeminiも忘れて、これらの(信じられない)次世代AIツールをチェックしてみよう!

あなたにおすすめの記事

動画生成AI『Sora』とは|映像業界にとどまらないインパクトを解説

基調講演だけではない。OpenAI、Microsoft、Metaもビジョンを語ったGTC2024セッションまとめ

ChatGPTもGeminiも忘れて、これらの(信じられない)次世代AIツールをチェックしてみよう!