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AIによる画像解析、SNS、ビッグデータの分析ツールの開発・販売を行うデータセクション株式会社が、2019年11月14日に東京都内で記者会見を行い、同社の海外展開について、戦略を発表しました。
2019年8月9日にデータセクションは、チリ法人「Jach Technology SpA」の子会社化を行うべく、基本合意を締結したと発表しています。
Jach社は小売り店舗の入店客数や性別、年代判定、滞在時間、POSと連動した購買率分析など、さまざまなデータの可視化を目的に開発された小売店向け店内カメラによる顧客行動分析ツール「FollowUP」を世界17カ国に提供しています。
今後はデータセクションの強みである画像解析技術やAIを業務に活用するノウハウを活かすことで、さらなる発展が見込めるチリを始めとする新興国へ積極的に進出していくとしています。
データセクションの事業概要
データセクションの創業は2000年です。過去3決算期において、成長率83.22%を記録していますが、「当初から事業が波に乗っていたわけではない」と代表取締役社長兼CEOの林氏は振り返ります。
同社は2003年頃からソーシャルメディア分析などを事業として開始、AIの取り組みを始めたのは2014年で、それ以降、数々の事業に挑戦してきたといいます。
データセクションのAIの強みに関して林氏は以下のように語りました。
林氏:「ただAIやります」ではなく、消費者やクライアントの業務に浸透させるところまで組み込む、そこまでやってこそAIに置き換える価値があると思っています。
世界のデータ部を目指すデータセクション
しかしながら、代表の林氏は、受託開発企業として取り組めるプロジェクトの限界を感じたと言います。そこで、データ取得からデータ解析、業務課題のヒアリングから業務実行までサービスとして組み込んでいけないか、そう考え始めました。
林氏:PoCで終わらせずに業務実装までやっていく、日本国内だけでなくグローバルでAIの技術を必要としている国、企業とアライアンスを組んで世界のデータ部になっていこうと考えています。
また、世界ではアメリカや中国、カナダなどがAI技術で進行していますが、AI未発展の国々を支援することも使命と感じたといいます。そこで至ったのがJach technology Spaの子会社化でした。
Jach Technology SpAを子会社する理由
Jach technology Spa は店舗内カメラの画像解析ソリューション「FollowUP」を提供している企業です。カメラを通して小売店の入店者数をカウント、取得した店舗データをクラウドに送信することで、マーケティング施策にまでつなげることが可能です。
今回、Jach technology Spaを子会社化することで同社の「FollowUP」をメインのサービスに据え置き、2021年度に約7億円の売上を見込みます。
今後はアジアへの市場展開なども目指しており、データセクションにJach technologyが参画することで、世界中に18カ国に拠点を増やすことが可能です。この拠点を3年以内には36カ国に広げていく計画も発表しました。
林氏:日本人は「おもてなし」や「ホスピタリティ」は必ずしもAIだけでなく、グローバルの中で突出している強みだと思います。日本人が教えにいく形もあるとは思いますが、Jach technologyとコラボしてAIを活用することで、世界の購買体験の価値を上げていきたいと思っています。
また、林氏はデータセクションの小売業界への参入だけでなく、脳のMRI画像から認知症の早期発見を行うソリューションや、音声AIの領域への参入も示唆しました。
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