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2020.01.23

多様化するデータを活用し、さらなる情報のレコメンドへ 【Gunosy Tech Lab】

2019年3月、Gunosy(グノシー)は、IoTや5Gなどが発展し多様化する情報の近未来に向けて、さらなるデータ活用の促進と情報推薦を研究する専門組織としてGunosy Tech Lab(グノシー テック ラボ、以下 同ラボ)を設立しました。

本記事では、同ラボ設立にあたり、Gunosy Tech Lab 所長の小出幸典氏にインタビューを行いました。

小出幸典 氏プロフィール

慶應義塾大学政策・メディア研究科修了。アクセンチュア株式会社を経て、2014年当社へ入社。メディアプロダクトの配信アルゴリズム開発や、全社データ基盤構築等を担当し、2019年7月より Gunosy 執行役員 最高技術責任者(CTO)。2019年設立の Gunosy Tech Lab の所長も兼務している。

Gunosyの事業領域

Gunosyはギリシャ語で「知識」を意味する「Gnosis(グノーシス)」+「u(“you”)」として「”Gnosis” for “you”」つまり、情報を届けるサービスを提供し続けるという意味で、「情報を世界中の人に最適に届ける」という理念を持っています。

Gunosyは2012年の創業当時に提供していたメルマガでニュース配信するサービスを起源とし、スマートフォンメディアや、外部メディアでのアド事業、メディア以外での新規成長市場への進出をしています。

▼Gunosyでは現在、以下の6つのメディアを運営しています。

  • グノシー
  • ニュースパス
  • LUCRA(ルクラ)
  • Game8
  • グノシースポーツ(略称:グノスポ)
  • オトクル

「Gunosy Tech Lab」の設立

Gunosyが切り込む新たなデータ活用への道

従来、プロバイダとユーザーの情報は、個別ユーザーに同じ情報を届けることができず、フィードバックを受けることが難しい現状でした。また、プロバイダーとしても実際に情報を受け取ったユーザーがどのような興味があるのか分からないといった状態でもありました。

ここに、Gunosyがプロバイダとユーザの間に入ってプラットフォームを提供することによって、入稿のデジタル化、AIのパーソナライゼーション、データのフィードバックを可能にしてきました。

そしてGunosyでは、機械学習を主とした技術を駆使し、O2O施策へのデータ活用や、これまで培ってきたターゲット層の異なるアプリ群のデータを活用し、IoT×AIなどスマホ領域以外の分野で活かせる研究と課題解決を目指していきます。

Gunosyはプロダクトを作っていく中で、データ活用やAIに知見を貯めてきました。少子高齢化が進んでいく中、AIの力で日本・世界を良くしていきたいと考えています。また、研究結果の論文投稿などによる知見の還元、人材育成のための教育、データ活用やAIが得意ではない、デジタル化が進行中の企業への技術提供を通して、世界を変えていきたいと考えています。Gunosy Tech Labは、その為に設立された専門組織です。

小出氏:自社のプロダクトを機械学習などの技術で改善していくだけでなく、プロダクト開発から得られたノウハウをより外部に出していきたいと考えています。

寄附講座や大学のゲスト講師として教育や論文発表などのアウトプットでアカデミックの場で広げていくことや、他社さんに我々の技術を提供することで、業界全体を盛り上げたいという思いがあります。

Gunosy Tech Labで行われている研究

Gunosyでは、ユーザー情報を的確に抽出する研究、レコメンドの研究などを重ねており、「グノシー」、「ニュースパス」、「LUCRA」でのアルゴリズム改善や最先端アルゴリズムの研究開発を行っています。

スマートフォンで提供中のサービスに関連した研究として、ニュースの推薦から始まり、音声・動画などの新しいフォーマットのコンテンツの推薦方法に関する研究も進めています。また、推薦によってユーザーがどんな影響を受けるか(クリックベイトやフィルターバブル等)の研究も行っています。

実績として、2019年には、データマイニングに関する国際会議「KDD2019」や推進システムに関する国際会議「RecSys 2019」などで論文が採択され、トップカンファレンスでの発表も行ないました。

小出氏:KDD2019の発表は、リサーチインターン生と一緒に取り組んだ成果でもあります。

同ラボでは、リサーチインターンとして論文のアプトプットを目標としたり、機械学習を用いたプロダクト開発をするといったインターンなどを行なっています。

インターン生からは、”多くの実データ”を触ることができるのが珍しいと好評です。

今後の展望

Gunosy Tech Labでの直近のテーマは以下の通りです。

  1. 様々なコンテンツフォーマットに置ける深層学習 / 機械学習を用いた推薦アルゴリズムの強化
  2. O2O施策へのデータ活用の研究開発
  3. スマートフォン以外のデバイスに置ける快適なユーザー体験の研究開発
  4. アルゴリズムの外部企業への提供
  5. 複数企業間での効果的なデータ連携方法

プロバイダー向けには、今まで以上に入稿のデジタル化支援やデータによるフィードバックを返すため、アプリ運用で培ったデータ運用の技術を提供していく予定です。具体的な内容についてはもうすぐ発表予定ですので、ぜひ楽しみにしていてください。

プラットフォーマー向けにはデータ運用のノウハウとアルゴリズムを提供し、デジタルトランスフォーメーション(技術×データ資産の活用)のサポートを行っていきます。メディア・広告領域以外でも先述の通り、メーカー、小売業界等、他業界へのデジタル支援するサポートを提供していきます。

また、プラットフォームが存在していても、デジタル化されていない領域はまだあると考えています。すでにO2Oの領域では自社メディアを通じてクーポン施策等の提供も開始しており、デジタル化されていない領域にユーザーとメーカーの接点を作り、サポートを行っていきます。

小出氏:まず、今まで通りモダンな技術を取り入れつつ、もっと安定・安くするための技術を追求していきます。

そして、論文投稿・教育をメインとして、自社サービスと他社に対しての技術提供、情報提供によって業界を盛り上げていこうと考えています。

おわりに

今後、IoTや5Gが普及することにより、私たちの行動、趣味嗜好などの詳細な情報が取得できるようになることでしょう。それらの情報を統合したレコメンドなどを行うサービスが広まれば、私たちの生活がもっと便利な世の中になるでしょう。

▼参考
Gunosy プレスリリース
https://gunosy.co.jp/news/161

Gunosy 2020年5月期第1四半期決算説明資料
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6047/tdnet/1757329/00.pdf

Gunosy 2020年5月期第2四半期決算説明資料
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6047/tdnet/1783605/00.pdf

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