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2021.01.25

誰がNeurIPS 2020でAI研究を先導しているのか?リーディングAIカンファレンスの考察とAI研究ランキング

最終更新日:

著者のGleb Chuvpilo氏はAIとロボットのスタートアップに投資するベンチャーキャピタルThundermark Capitalでマネージングパートナーを務めており、AINOW翻訳記事『2020年のAI研究は誰が先導しているか?国際機械学習会議(ICML 2020)の考察から』 の著者でもあります。同氏が最近Mediumに投稿した記事『誰がNeurIPS 2020でAI研究を先導しているのか?リーディングAIカンファレンスの考察とAI研究ランキング』では、NeurlPS 2020の動向が独自指標にもとづいて分析されています。
ICMLと並んで世界的なAI研究学会であるNeurlPS 2020で採択された1,990本の論文に対して、同氏はNature Indexにインスパイアされて考案した独自指標「パブリケーション・インデックス(Publication Index:略してPI)」(同指標の説明は以下の記事本文で解説)にもとづいて、採択論文を提出した機関、大学、そして企業の動向を考察しました。そうした考察の要点は、以下のようにまとめることができます。
  • Googleが圧倒的な首位を堅守。
  • 機関と企業のランキングを国籍シェアで整理すると、1位がアメリカで2位が中国
  • 大学のランキングを国籍シェアで整理すると、1位がアメリカで2位がイギリス
  • PIトップ100機関ランキングにおいて、日本からは44位の東京大学75位の理化学研究所がランクイン。
  • 世界の大学PIトップ40ランキングにおいて、東京大学は38位にランクイン。
  • 韓国の大学であるKAISTが躍進
  • ランキング上位の機関は、おおむねNeurlPS 2019より採択論文数が増えている

Chuvpilo氏はNeurlPS 2019に関しても同様の調査を行っており、NeurlPS 2019とNeurlPS 2020のランキングを比較して言えるのは、ランキングが固定化しつつあることです。ランキングを維持するだけでも今まで以上の研究努力が求められ、ランキングを上昇させるためには相当な努力が必要となります。

なお、以下の記事本文はGleb Chuvpilo氏に直接コンタクトをとり、翻訳許可を頂いたうえで翻訳したものです。また、翻訳記事の内容は同氏の見解であり、特定の国や地域ならび組織や団体を代表するものではなく、翻訳者およびAINOW編集部の主義主張を表明したものでもありません。

序論

・・・

UPDATE:2020年におけるAI研究動向分析のアップデートをこちらに掲載しました。どうぞお読みなって楽しんでください!

・・・

Neural Information Processing Systems(NeurIPS)は、最も権威のあるAI研究カンファレンスのひとつだ(もう1つの会議はInternational Conference on Machine Learning (ICML))。2020年のNeurIPSの採択率は20%で、9,467件の投稿のうち、合計1,990件の論文が採択された(出典)。2019年と比較すると、投稿数は40%増加しており、2018年から2019年の伸びとほぼ同じだ。カンファレンス議事録(NeurIPS 2020)を利用して、著者と所属機関のリストをまとめ、各機関のパブリケーション・インデックスを算出してみた(パブリケーション・インデックスについては、後述の「方法論」のセクションを参照)。この指標を最も直観的に考える方法は、フルサイズの論文に相当するという観点から考えることだ。グーグルのパブリケーション・インデックスである128は、グーグルがNeurlPS 2020で128本のフルサイズの論文を発表したと解釈することができる。

方法論の詳細からこの分析を始め、NeurIPS 2020におけるAI研究ランキングへと続き、さらに興味深い記述統計を示し、NeurIPS 2019とNeurIPS 2020のあいだの変化を議論し、最後にデータセットへのリンクで締めくくる。

方法論

パブリケーション・インデックスに関する方法論は、Nature Indexにインスパイアされている。

・・・

ある論文に対する国、地域、機関の貢献度を把握し、それらが複数回カウントされないようにするために、Nature Indexでは、各論文の著者のシェアを考慮に入れた分数カウント(fractional count:FC)を使用している。論文ごとに利用可能なFCの合計は1であり、共著した著者が等しく貢献したと仮定して、すべての著者の間で共有される。例えば、10人の著者がいる論文は、各著者が0.1のFCを受け取ることを意味する。複数の機関に所属している著者の場合、著者のFCは各機関で均等に分配される。1 機関の合計FCは、個々の所属著者のFCを合計して計算される。このプロセスは国や地域についても同様であるが、海外に研究室を持っている機関もあるという複雑な事情を鑑みて、ある機関の海外ラボに付されたFCは研究を主導した国/地域に加算される。

(※訳註1)以上の引用文は、Nature誌電子版で公開されている記事「Nature Indexのガイド」から引用されている。

パブリケーション・インデックスとNature Indexのあいだの唯一の違いは、パブリケーション・インデックスでは、海外の研究室を(研究を主導した国/地域ではなく)本社のある国/地域としてカウントするところだ。こうしたアプローチは議論の余地のある論点だが、知的財産権と研究から生じる実際の利益の割り当てを本社に反映させるのは、研究が行われた現地の研究室に帰するより望ましいと信じている。

以下にパブリケーション・インデックスの計算例を示す。ある論文の著者がMITから3人、オックスフォード大学から1人、グーグルから1人の計5人の場合、各著者は1ポイントの5分の1、つまり0.2ポイントを得ることになる。その結果、この論文だけでMITには3*0.2=0.6ポイント、オックスフォード大学には0.2ポイント、グーグルには0.2ポイントを加算されることになる。MITはアメリカに拠点を置いているので同大学がアメリカに帰属していることによって、同国のパブリケーション・インデックスが0.6増加する。同様に、オックスフォード大学はイギリスに拠点を置いているので、EEA+スイス(※訳註2)のカテゴリーは0.2増加する。最後に、グーグルはアメリカに本社を置く多国籍企業であるため、アメリカのパブリケーション・インデックスはさらに0.2増加し、MITとの合計で0.8増加する。著者が複数の所属機関に所属している場合には、その所属機関ごとに著者のFCを分割する。例えば、上記のケースでは、最後の著者が グーグルとスタンフォード大学の 2 つの所属機関を挙げていた場合、グーグル とスタンフォード大学の両方に 0.2/2=0.1 ポイントが加算されることになる。

(※訳註2)EEA(The European Economic Area)とは、EU加盟国にアイスランド、リヒテンシュタイン、そしてノルウェーを加えた欧州経済圏のこと。スイスはEUおよびEEAのメンバーではないが、EEA所属諸国と単一の経済圏を形成している。

誰がNeurIPS 2020におけるAI研究を先導しているのか?

(※訳註3)以下の各種ランキングにおいて、日本が関係する項目は太字とする(原文では太字ではない)

NeurIPS 2020でAI研究をリードする世界の(産業界と学界の)機関トップ100(パブリケーション・インデックス付き):

NeurIPS 2020でAI研究をリードする世界の(産業界と学界の)機関トップ100

1.グーグル(アメリカ) – 128.0
2.スタンフォード大学(アメリカ) – 67.0
3.MIT(アメリカ) – 61.1
4.UCバークレー(アメリカ) – 52.4
5.カーネギーメロン大学(アメリカ) – 47.3
6.マイクロソフト(アメリカ) – 42.9
7.オックスフォード大学(イギリス) – 35.5
8.清華大学(中国)- 34.5
9.フェイスブック(アメリカ) – 31.4
10.プリンストン大学(アメリカ) – 28.0
11.ETH(スイス) – 26.6
12.ニューヨーク大学(アメリカ) – 26.1
13.UTオースティン(アメリカ) – 25.7
14.コロンビア大学(アメリカ) – 25.5
15.KAIST(韓国) – 23.8
16.イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(アメリカ) – 23.6
17.コーネル大学(アメリカ) – 23.0
18.EPFL(スイス) – 22.6
19.ハーバード大学(アメリカ) – 22.3
20.ケンブリッジ大学(イギリス) – 21.6
21.IBM(アメリカ) – 19.0
22.UCLA(アメリカ) – 18.7
23.UCサンディエゴ(アメリカ) – 18.3
24.北京大学(中国) – 18.1
25.ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス) – 15.5
26.ジョージア工科大学(アメリカ) – 15.1
27.ペンシルバニア大学(アメリカ) – 14.3
28.メリーランド大学(アメリカ) – 13.8
29.ミシガン大学(アメリカ) – 13.6
30.トロント大学(カナダ) – 13.2
31.シンガポール国立大学(シンガポール) – 12.2
32.NVIDIA(アメリカ) – 11.9
33.パデュー大学(アメリカ) – 11.8
34.華為(中国) – 11.7
35.ワシントン大学(アメリカ) – 11.5
36.INRIA(フランス) – 11.1
37.デューク大学(アメリカ) – 10.7
38.ボストン大学(アメリカ) – 10.3
39.UMass Amherst(アメリカ) – 9.9
40.南カリフォルニア大学(アメリカ) – 9.7
41.テルアビブ大学(イスラエル) – 9.4
42.インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス) – 9.1
43.上海交通大学(中国) – 9.1
44.東京大学(日本) – 8.8
45.ソウル大学(韓国) – 8.8
46.カリフォルニア工科大学(アメリカ) – 8.8
47.中国科学技術大学(中国) – 8.4
48.アマゾン(アメリカ) – 8.3
49.テンセント(中国) – 8.3
50.ノースイースタン大学(アメリカ) – 8.1
51.ウィスコンシン大学マディソン校(アメリカ) – 8.0
52.シドニー大学(オーストラリア) – 8.0
53.香港中文大学(中国) – 8.0
54.テクニオン(イスラエル) – 7.8
55.ミュンヘン工科大学(ドイツ) – 7.8
56.テキサスA&M大学(アメリカ) – 7.7
57.ジョンズ・ホプキンス大学(アメリカ) – 7.6
58.アリババ(中国) – 7.6
59.ミラ(カナダ) – 7.5
60.ミネソタ大学(アメリカ) – 7.3
61.MPI インテリジェント・システムズ(ドイツ) – 7.2
62.サムスン(韓国) – 6.9
63.マギル大学(カナダ) – 6.8
64.ブリティッシュコロンビア大学(カナダ) – 6.8
65.香港科学技術大学(中国)- 6.8
66.南京大学(中国) – 6.6
67.シカゴ大学(アメリカ) – 6.5
68.UCサンタバーバラ(アメリカ) – 6.4
69.テュービンゲン大学(ドイツ) – 6.4
70.ラトガース大学(アメリカ) – 6.3
71.エジンバラ大学(イギリス) – 6.3
72.ENSパリ(フランス) – 6.2
73.シドニー工科大学(オーストラリア) – 6.0
74.KAUST(サウジアラビア) – 5.8
75.理化学研究所(日本) – 5.7
76.南洋理工大学(中国) – 5.5
77.豊田工業大学シカゴ校(アメリカ) – 5.4
78.UCデイビス(アメリカ) – 5.3
79.CNRS(フランス) – 5.3
80.オハイオ州立大学(アメリカ) – 5.3
81.ライス大学(アメリカ) – 5.2
82.浙江大学(中国) – 5.1
83.ノースウェスタン大学(アメリカ) – 4.9
84.インディアナ大学(アメリカ) – 4.9
85.アルバータ大学(カナダ) – 4.7
86.アムステルダム大学(オランダ) – 4.7
87.インテル(アメリカ) – 4.5
88.MPIインフォマティクス(ドイツ) – 4.5
89.SUNY ストーニーブルック(アメリカ) – 4.5
90.ヘブライ大学(イスラエル) – 4.5
91.UCアーバイン(アメリカ) – 4.4
92.ワイツマン研究所(イスラエル) – 4.4
93.モントリオール大学(カナダ) – 4.4
94.アアルト大学(フィンランド) – 4.4
95.エコール・ポリテクニック(フランス) – 4.2
96.アドビ (アメリカ) – 4.1
97.西淀大学(中国) – 4.1
98.オーストラリア国立大学(オーストラリア) – 4.
99.セールスフォース(アメリカ) – 4.0
100.KTH王立工科大学(スウェーデン) – 3.8

(※訳註4)NeurlPS 2020に採択されたGoogleの論文と同カンファレンスにおける同社主催で開催されたワークショップは、同社AIリサーチブログ記事『NeurlPS 2020におけるGoogle』にまとめられている。
(※訳註5)上記のPIトップ100機関ランキングを国籍別に整理すると、以下のグラフのようになる。アメリカがシェア1位で49%、2位が中国で13%。このAI二大大国のシェアを合わせると、62%となる。

また、国籍を親階層としてツリーマップを作成すると、以下のようになる。Googleがランキング下位の国に匹敵するシェアを占めている。


NeurIPS 2020でAI研究をリードするアメリカの大学トップ40(パブリケーション・インデックス付き):

NeurIPS 2020でAI研究をリードするアメリカの大学トップ40

1.スタンフォード大学 – 67.0
2.MIT – 61.1
3.UCバークレー – 52.4
4.カーネギーメロン大学 – 47.3
5.プリンストン大学 – 28.0
6.ニューヨーク大学 – 26.1
7.UTオースティン – 25.7
8.コロンビア大学 – 25.5
9.イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 – 23.6
10.コーネル大学 – 23.0
11.ハーバード大学 – 22.3
12.UCLA – 18.7
13.UCサンディエゴ – 18.3
14.ジョージア工科大学 – 15.1
15.ペンシルバニア大学 – 14.3
16.メリーランド大学 – 13.8
17.ミシガン大学 – 13.6
18.パデュー大学 – 11.8
19.ワシントン大学 – 11.5
20.デューク大学 – 10.7
21.ボストン大学 – 10.3
22.UMass Amherst – 9.9
23.南カリフォルニア大学 – 9.7
24.カリフォルニア工科大学 – 8.8
25.ノースイースタン大学 – 8.1
26.ウィスコンシン大学マディソン校 – 8.0
27.テキサスA&M大学 – 7.7
28.ジョンズ・ホプキンス大学 – 7.6
29.ミネソタ大学 – 7.3
30.シカゴ大学 – 6.5
31.UCサンタバーバラ – 6.4
32.ラトガース大学 – 6.3
33.豊田工業大学シカゴ校 – 5.4
34.UCデイビス – 5.3
35.オハイオ州立大学 – 5.3
36.ライス大学 – 5.2
37.ノースウェスタン大学 – 4.9
38.インディアナ大学 – 4.9
39.SUNY ストーニーブルック – 4.5
40.UCアーバイン – 4.4

NeurIPS 2020でAI研究をリードする世界の大学トップ40(パブリケーション・インデックス付き):

NeurIPS 2020でAI研究をリードする世界の大学トップ40

1.スタンフォード大学(アメリカ) – 67.0
2.MIT(アメリカ) – 61.1
3.UCバークレー(アメリカ) – 52.4
4.カーネギーメロン大学(アメリカ) – 47.3
5.オックスフォード大学(イギリス) – 35.5
6.清華大学(中国)- 34.5
7.プリンストン大学(アメリカ) – 28.0
8.ETH(スイス) – 26.6
9.ニューヨーク大学(アメリカ) – 26.1
10.UTオースティン(アメリカ) – 25.7
11.コロンビア大学(アメリカ) – 25.5
12.KAIST(韓国) – 23.8
13.イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(アメリカ) – 23.6
14.コーネル大学(アメリカ) – 23.0
15.EPFL(スイス) – 22.6
16.ハーバード大学(アメリカ) – 22.3
17.ケンブリッジ大学(イギリス) – 21.6
18.UCLA(アメリカ) – 18.7
19.UCサンディエゴ(アメリカ) – 18.3
20.北京大学(中国) – 18.1
21.ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス) – 15.5
22.ジョージア工科大学(アメリカ) – 15.1
23.ペンシルバニア大学(アメリカ) – 14.3
24.メリーランド大学(アメリカ) – 13.8
25.ミシガン大学(アメリカ) – 13.6
26.トロント大学(カナダ) – 13.2
27.シンガポール国立大学(シンガポール) – 12.2
28.パデュー大学(アメリカ) – 11.8
29.ワシントン大学(アメリカ) – 11.5
30.INRIA(フランス) – 11.1
31.デューク大学(アメリカ) – 10.7
32.ボストン大学(アメリカ) – 10.3
33.UMass Amherst(アメリカ) – 9.9
34.南カリフォルニア大学(アメリカ) – 9.7
35.テルアビブ大学(イスラエル) – 9.4
36.インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス) – 9.1
37.上海交通大学(中国) – 9.1
38.東京大学(日本) – 8.8
39.ソウル大学(韓国) – 8.8
40.カリフォルニア工科大学(アメリカ) – 8.8

(※訳註6)上記のPIトップ50世界の大学ランキングを国籍別に整理すると、以下のグラフのようになる。アメリカがシェア1位で60%、2位がイギリスで10%

また、国籍を親階層としてツリーマップを作成すると、以下のようになる。1位のスタンフォード大学だけで2位のイギリス、3位の中国に匹敵するシェアを占めている。


NeurIPS 2020でAI研究をリードするグローバル企業トップ20(パブリケーション・インデックス付き):

NeurIPS 2020でAI研究をリードするグローバル企業トップ20

1.グーグル(アメリカ) – 128.0
2.マイクロソフト(アメリカ) – 42.9
3.フェイスブック(アメリカ) – 31.4
4.IBM (アメリカ) – 19.0
5.NVIDIA(アメリカ) – 11.9
6.華為(中国) – 11.7
7.アマゾン(アメリカ) – 8.3
8.テンセント(中国) – 8.3
9.アリババ(中国) – 7.6
10.サムスン(韓国) – 6.9
11.インテル(アメリカ) – 4.5
12.アドビ(アメリカ) – 4.1
13.セールスフォース(アメリカ) – 4.0
14.アップル(アメリカ) – 3.7
15.クアルコム(アメリカ) – 3.5
16.ボッシュ(ドイツ) – 3.5
17.百度(中国) – 3.4
18.SenseTime(中国) – 3.0
19.OpenAI(アメリカ) – 2.9
20.クリテオ(フランス) – 2.7

(※訳註7)上記のPIトップ20企業ランキングを国籍別に整理すると、以下のグラフのようになる。1位がアメリカの60%、2位が中国の25%。1位と2位を合わせると、8割を超える。

また、国籍を親階層としてツリーマップを作成すると、以下のようになる。Googleのみで2位以下の国の企業の合計より大きいシェアを占めている。


さらなる分析

NeurIPS 2020で採択された論文タイトルから作成したワードクラウド

NeurIPS 2020で採択された論文タイトルから作成したワードクラウド

NeurIPS 2020 vs NeurIPS 2019で比較した世界の機関トップ10の順位変化:

グーグル:1位に留まる
スタンフォード大学:2位に留まる
MIT:4位から3位に上昇
UCバークレー:6位から4位に上昇
カーネギーメロン大学:3位から5位に下落
マイクロソフト:5位から6位に下落
オックスフォード大学:7位に留まる
清華大学:13位から8位に大幅に上昇
フェイスブック:8位から9位に下落
プリンストン大学:10位に留まる

NeurIPS 2020とNeurIPS 2019における世界のトップ50機関のパブリケーション・インデックスの変化(プラスの変化はNeurIPS 2020の方がNeurIPS 2019よりもインデックス値が高いことを意味する):

1.グーグル(アメリカ):94.5から128.0の33.5(35%)上昇
2.スタンフォード大学(アメリカ):57.8から67.0の9.1(16%)上昇
3.MIT(アメリカ):46.7から61.1の14.4(31%)上昇
4.UCバークレー(アメリカ):29.7から52.4の22.8(77%)上昇
5.カーネギーメロン大学(アメリカ):48.5から47.3の1.2(3%)下落
6.マイクロソフト(アメリカ):35.1から42.9の7.8(22%)上昇
7.オックスフォード大学(イギリス):23.6から35.5の11.9(51%)上昇
8.清華大学(中国):18.9から34.5の15.6(82%)上昇
9.フェイスブック(アメリカ):23.6から31.4の7.8(33%)上昇
10.プリンストン大学(アメリカ):20.7 から 28.0 の7.2(35%)上昇
11.ETH(スイス):14.9から26.6の11.7(78%)上昇
12.ニューヨーク大学(アメリカ):14.0から26.1の12.1(86%)上昇
13.UTオースティン(アメリカ):18.9から25.7の6.9(36%)上昇
14.コロンビア大学(アメリカ):23.3から25.5の2.2(10%)上昇
15.KAIST(韓国):3.8から23.8の20.0(525%)上昇
16.イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(アメリカ):20.0から23.6の3.7(18%)上昇
17.コーネル大学(アメリカ):20.3 から 23.0 の2.7 (13%)上昇
18.EPFL(スイス):12.6から22.6の10.0(79%)上昇
19.ハーバード大学(アメリカ):12.2から22.3の10.1(82%)上昇
20.ケンブリッジ大学(イギリス):9.1から21.6の12.5(138%)上昇
21.IBM(アメリカ):15.4から19.0の3.6(23%)上昇
22.UCLA(アメリカ):18.8から18.7の0.1(-1%)下落
23.UCサンディエゴ(アメリカ):12.3から18.3の6(48%)上昇
24.北京大学(中国):15.7から18.1の2.4(15%)上昇
25.ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス):9.5から15.5の6.0(63%)上昇
26.ジョージア工科大学(アメリカ:15.6から15.1の0.5(3%)下落
27.ペンシルバニア大学(アメリカ):9.2から14.3の5.1(56%)上昇
28.メリーランド大学(アメリカ):6.3から13.8の7.5%(119%)上昇
29.ミシガン大学(アメリカ):6.7から13.6の6.9(103%)上昇
30.トロント大学(カナダ):14.9から13.2の1.7(11%)下落
31.シンガポール国立大学(シンガポール):5.4から12.2の6.8(128%)上昇
32.NVIDIA(アメリカ):4.5から11.9の7.4(163%)上昇
33.パデュー大学(アメリカ):7.7から11.8の4.1(52%)上昇
34.華為(中国):2.4から11.7の9.2(381%)上昇
35.ワシントン大学(アメリカ):15.0から11.5の3.4(23%)下落
36.INRIA(フランス):16.7から11.1の5.6(34%)下落
37.デューク大学(アメリカ):11.5から10.7の0.8(7%)下落
38.ボストン大学(アメリカ):4.7から10.3の5.6(119%)上昇
39.UMass Amherst (アメリカ): 9.6から9.9の0.3 (3%)上昇
40.南カリフォルニア大学(アメリカ):9.1から9.7の0.6(6%)上昇
41.テルアビブ大学(イスラエル):3.2から9.4の6.2(193%)上昇
42.インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス):5.9から9.1の3.1%(53%)上昇
43.上海交通大学(中国):1.8から9.1の7.3(409%)上昇
44.東京大学(日本):4.1から8.8の4.7(114%)上昇
45.ソウル大学(韓国):5.3から8.8の3.5(66%)上昇
46.カリフォルニア工科大学(アメリカ):8.0から8.8の0.8(10%)上昇
47.中国科学技術大学(中国):3.8から8.4の4.5(118%)上昇
48.アマゾン(アメリカ):11.1から8.3の2.8(25%)下落
49.テンセント(中国):5.3から8.3の3(57%)上昇
50.ノースイースタン大学(アメリカ):7.3から8.1の0.8(11%)上昇

(※訳註8)上記のPIトップ50機関のPIの増減をグラフ化すると、以下のようになる。以下のグラフは横軸がPIとなっているので、横棒が長いほどPIが増加したことを意味している。
なお、PIが減少した機関は赤い横棒で示している。PIが減少した機関は、カーネギーメロン大学、UCLA、ジョージア工科大学、トロント大学、ワシントン大学、INRIA、デューク大学、アマゾンの8機関。

さらに、PI増加数トップ5機関は、以下の通り。

1.グーグル(アメリカ)- 33.5
2.UCバークレー(アメリカ)- 22.7
3.KAIST(韓国)- 20
4.清華大学(中国)- 15.6
5.MIT(アメリカ)- 14.4

PI増加比率トップ5機関は、以下の通り。

1.KAIST(韓国)- 525%
2.上海交通大学(中国)- 409%
3.華為(中国)- 381%
4.テルアビブ大学(イスラエル)- 193%
5.NVIDIA(アメリカ)- 163%

PI増加数とPI増加比率から評価すると、KAIST(韓国)がNeurlPS 2020で躍進したと言える。

ちなみに、PIトップ50とPI増加数トップ50のランキングで順位相関を計算すると0.57、PIトップ50とPI増加比率トップ50の順位相関が-0.14であることから、PIランキングとPI増加数、およびPIランキングとPI増加比率のあいだには相関が認められない。

議論

NeurIPS 2019とNeurIPS 2020のトップ10ランキングのあいだで、変わったことを見ていこう(2019年のデータは、NeurIPS 2019とICML 2019の考察を組み合わせた「AI研究ランキング2019」をご覧ください)。

上位2位のグーグルとスタンフォード大学は変わらず。MITは4位から3位に順位を上げた。UCバークレーは6位から4位に順位を上げた。カーネギーメロンは3位から5位に下がった。マイクロソフトは5位から6位に下がった。オックスフォード大学は7位にとどまった。清華大学は13位から8位に急上昇。フェイスブックは8位から9位に落ちた。プリンストン大学は10位に留まった。

順位を上げるためには、各機関の論文発表数を大幅に増やす必要がある。グーグルは 33.5本分の論文を発表し、スタンフォード大学は9.1 本、MITは 14.4本、カリフォルニア大学バークレー校は22.8本、などとなっている(上のランキングを参照)。ルイス・キャロルの「赤の女王」のレースのように、トップ機関はトップを維持するためだけに毎年より多くの論文を発表する必要があるのだ。

この場所に留まるためには、全力で走らなければならない。そして、どこか他所に行きたいならば、今の2倍速く走らなければならない(ルイス・キャロル)

データセット

なお、データサイエンスの学会でも、いまだに論文データをPythonフレンドリーな形で公開していないので🤷‍♂️、今回の分析はかなりマニュアル的なものになってしまった(すなわち、最初にHTMLを解析してから、機関名の誤字を修正したり、標準化したり、複数の機関で行を分割したり、ピボットテーブルでまとめたりなど)ことについて、ご注意頂きたい。もしバグを発見した場合は、メールでご連絡いただければ、喜んで修正します。データセットをダウンロードして弄りたい方向けに、データセットをこちらに投稿しました。楽しんでください!

・・・

私について:私の名前はGleb Chuvpiloで、AIやロボット工学のスタートアップに投資するベンチャーキャピタル、Thundermark Capitalのマネージングパートナーを務めている。MITコンピュータサイエンス・人工知能研究所で修士号を取得し、ペンシルバニア大学ウォートンスクールでファイナンスと戦略的経営のMBAを取得した。私についての詳細はこちらをご覧ください。AI、ロボット工学、イノベーション全般、あるいはスタートアップのアイデアについてお話したい方は、gleb@thundermark.comまでご連絡ください🤖。


原文
『Who’s Ahead in AI Research at NeurIPS 2020? Insights and AI Research Rankings at the Leading AI Conference』

著者
Gleb Chuvpilo

翻訳
吉本幸記(フリーライター、JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #1取得)

編集
おざけん

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