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※本稿は、株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニーによる寄稿です。
経済産業省が発表したデジタルトランスフォーメーション(以下DX)における提言から3年。さらに新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、従来のスピードより早くDX化の推進が求められる時代となりました。
DX支援と銘打つ企業も、コンサルティングからツール導入まで様々な昨今。どのような人や企業が人材がDX推進に貢献できるのか?をテーマに、データプロフェッショナル常駐支援でDXの推進を中から支える株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(以下データアドベンチャー)社長の白井恵里さんに伺いました。
DXはビジネスモデルを変革するもの。ツールはあくまでモジュール。
ー DX支援しますって会社さん最近多いですが、DXって結局何をやるんですか?
結論からお話ししますと、デジタルデータを活用し縦割りをデータで横断させ組織変革、新しいビジネスモデルで新しい価値を生み出すことです。端的に言ってしまうとデータで変革し新しい収益を生みましょう、というお話しです。
結論にしてしまうとすごく平たい言葉になってしまうのですが、今までオフラインにしか存在しなかったデータをデジタル化したり、各部門が独自で持っていたデータを見える化、共通化する、など様々なハードルが存在します。
例えばweb接客ツールの場合、接客した履歴をデジタル化し見える化、リアルタイムで共有するところまでが役割となります。
DX化したと言えるいくつかパターンを挙げると
接客ツールでデジタル化した顧客データを商品企画や広告に転用する。
アクセスログや実売データで需要予測をして、ビジネスそのものの回転率を上げる。
プラットフォーム化することで価格や手数料を従来の取引形態から変える。
というのがDXなんですね。
引用:DX推進ガイドライン(経済産業省)
ーなるほど、ツールはデジタル化で、どう使うかは顧客次第なんですね。
勿論、ツールベンダーさんのほうでDX活用のベストプラクティスをご提案される機会も多いと思いますが、その使い方でフィットし、運用するかは各企業の戦略次第な側面というのも事実です。
特にメンバーズが支援する国内大手企業様の場合は、メンバーズのDX推進や戦略コンサルティング企業様をご導入され戦略策定されているケースが多いです。
例えば広告から接客、在庫管理までの一連のプロセスを見える化、最適化がデジタル化が前段にあって、出来上がったダッシュボードをつなぎ合わせて変革を進めるというのが王道パターンの一つではないでしょうか。
モジュールを繋ぎ合わせて新しいシステムを組み上げるイメージをされると近いですね。
ー データアドベンチャーへのDXのご相談はどう言ったものが多いのでしょうか?
戦略での方向性は決まってはいますが、現場のどこから手をつけていくべきか?が見えない企業様からのお引き合いが多いです。国内大手企業様のまずは対面のリアルビジネスをオンライン、デジタル化から着手するような事例が多い印象です。
もともとデータ分析・活用を中から常駐支援するサービスなので、データを使ってプロジェクトの企画する責任者の方が近いケースが多いですね。各部門をダッシュボードでモニタリングできる環境を作り繋ぎあわせていき、新しい業務フローをつくる。データを社内外に転用して新規事業を創出するような、結果的にDXとなってるようなプロジェクトも多いのではないでしょうか。
ポジショントークっぽいですが弊社の強みとして、外部と内部の距離感が絶妙だからコンサルと差別化されているケースが多いですね。
部門横断型のプロジェクトの場合、常駐の人間が推進に携わるほうが他部門調整をしやすい側面があります。常駐の人間で居たとしても数年、生々しいお話しですが、昇進等がかかる社内の方に比べ、余計なしがらみが無いので推進しやすいというお声をいただいたこともあります(笑)
今求められる人材像は 戦略と現場を繋ぐ、視座とナレッジを補う役割
ー たしかに(笑)DXで求められるポジションや役割などはどういったものですか?
DXは概念要素が強いので経営の戦略レイヤーで定義したとしても現場の理解度によってばらつきがあるのが実態だと思います。
DX自体が新しい言葉で、人によって解釈がバラバラな領域です。導入の段階で解釈の統一はあえてしません。今できること、かつ必要なことから着手するようにしています。適切な解釈は正直なところ後からでも補うことができます。
優先すべきなのは、どこに課題があって、どう活用をするか前提を明確にしたデジタル化になります。データ分析の領域から見ると、「データの発生と活用が部門を跨って行われること」がDXと言えるのではないでしょうか。
業務が改善しやすい形でのデータの生成ができるようになる
つまり、データを収集しやすい形で業務を作り変える必要があります。
ー業務を作り変えるってハードル高そうですね。
仰る通りで、つまづきやすいポイントだと思います。既存のデータを可視化するだけであれば既にできていたとしても、DXに転用できない。コンサルがいて、ツールベンダーがいてもDX推進を課題に感じている企業様は、人材の高度化に合わせて適切な採用と教育のノウハウが不足しているケースが多いのではないでしょうか。
今足りていないのは、戦略と現場を繋ぐ、視座とナレッジを補う役割、共通言語で翻訳して現場での推進にDXの布石となる改善をフィードバックする役割だと捉えています。
各部門は既存業務のミッションを抱えている中でDXを推進すると、抱えているミッションよりも上の戦略、ビジネスの解決をしようとする思考が求められます。
ー 人材の高度化が進む中でどのような人材育成をされているのでしょうか?
主に2つの軸で取り組みがあります。
①ミドルマネジメント層のキャリアアップとしてデータ分析・活用スキルの強化
②DX推進の前段にあるデジタル化の標準業務モデルの作成と運用
になります。DXの場合は、特にビジネス的な解決視点が求められます。ジュニア層が一朝一夕で学習できるものではありません。経営企画やコンサルティング出身者の方々のような、ビジネスサイドの理解が既にある方に統計や分析のスキルを身につけていただく方が現実的です。
ビジネスとデータ活用の観点を併せ持つ人材のニーズは今後更に増えていきます。
特にDX推進の実績がある人材は引く手数多な市場ではあると思います。
内部から人材と仕組みでDXへの橋渡しを実現する
ー経営企画やコンサルティング出身者がDXでご活躍される事例などあれば伺えますでしょうか?
先日事例記事をリリースさせていただきましたAOKIホールディングス様の推進に携わる弊社の岩間はまさにコンサルティング出身の人間ですね。
経営陣へ分析結果の提言やポジショニングやプロダクトに関わる示唆で経営が動いた事例になります。
▼参考リンク
データ活用は、AOKIホールディングスの経営をどう変えたのか?
メンバーズデータアドベンチャーは、2019年から同社に常駐サービスの提供を開始。分散していたデータを統合し、マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入支援や購買・顧客満足度データを分析、経営層から現場まで会社全体がデータに注目する文化作りに貢献しました。
ー すごいですね(笑)データ分析からDX推進にまで転用できるのですね。
データ分析単体でバリューが出せるというよりも、ビジネスサイドに対してファクトを踏まえた提言ができるというのが強みになると感じています。良い提言をするためにはビジネスから逆算したデータ分析環境と業務改善をする必要がありますが、入り口に現状把握と課題の特定のための地道な作業が発生します。
手作業も多い工程になるのでハイクラスなDX人材に着手してもらうと採算が合わせづらい。
②のデジタル化の標準業務モデルの作成と運用をすることでその課題を解決できる仕組みを作ることができます。顧客から見ると、初期工程が明確、ツールとガイドラインを整えることでジュニアクラスでも安定したデリバリーができるようなフレームワークで、採算が合わせやすくなります。
弊社マネジメントサイドから見ると、項目と指標が決まっているからマネジメントがしやすい。かつ、収集したデータから顧客にどのような提案をすべきかの意思決定がより判断しやすくなるというメリットがあります。
ー 環境が整うからこそ優秀な人材が生かせるということですね。
特にこのような方にきて欲しい。などあれば伺えますでしょうか?
ビジネスサイドでバリバリやっていた中堅層こそデータ分析スキルを追加すると将来的な市場価値が増すと考えております。
特に市場構造やビジネスに対しての理解を掴む力はあるけど統計分析などのハードスキルをこれから取り入れDX推進の中核に携わりたいという方には是非入社していただきたいです。
5年でキャリアを確立できるようなモデルを作っていきますので、データ分析の力を自身の武器として身につけたい、DXをバズワードではなく、適切に推進し新しいキャリアの布石として弊社を踏み台にするくらいの気持ちでカジュアルにお話しできればと思っています。
TwitterでDMでも構いません(笑)気軽にご連絡ください!
ーありがとうございました。
駒澤大学仏教学部に所属。YouTubeとK-POPにハマっています。
AIがこれから宗教とどのように関わり、仏教徒の生活に影響するのかについて興味があります。