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2020.11.12

DX人材とは ー6つの業種、4つのスキル、3つのマインドセット

最終更新日:

DX(デジタルトラスフォーメーション)が進んでいる中で、社内インフラやソフトウェアの更新やビジネスモデル変革したいのにDXを担う人材が慢性的に不足していて頓挫しているといった課題はありませんか?

多くの企業でDXを推進するための人材育成の必要性は認識されているものの、実際にどのような役割とスキルを持った人材が必要かを定義し、具体的な育成プランを立てている企業は、まだ少ないのが現状です。

この記事ではそもそもなぜDX人材が重要なのかを説明し、DX人材を目指すには何を工夫しないといけないのかを紹介していきたいと思います。

顕著になるDX人材不足

AIやIoTのほか、インターネットを介したサービスの拡大に伴い、IT業界の市場も急成長。また既存システムの見直し、DXを実現しようにも、人手が足りなければ進みません。

DX変革に提供されるサービスに比例して、必要とされるエンジニアもマネジメント人材も多くなり、DX人材不足が加速しています。

では、具体的にどのくらい人材が不足する見込みなのでしょうか。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」(2019年5月17日)の結果によると、「大いに不足」という回答が最も多くなっており、DXの推進を担う人材に対する不足感が非常に強く感じていることがうかがえる結果となりました。

経済産業省が発表したDXレポートでは、現状の国内の企業を取り巻くIT関連の課題を解決できない場合、「2025年の崖」が発生し、最大12兆円/年(現在の約2倍)の経済損失が生じる可能性があると警鐘が鳴らされ、DXを進める必要性が強調されています。

従って、「2025年の崖」を避けるには、またデジタル時代にも勝ち残れるように日本企業自社の競争力を高めていくには、DX人材不足の課題を解決しなければなりません。

▼「2025年の崖」について詳しくaはこちら

DX人材とは

次はDX人材とは一体どのような素質を持っている人を解説したいと思います。

DX人材の定義

まず、日本経済産業省は2018年の「DX推進ガイドライン」にてDXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しました。

簡単に言うと、データの重要性を理解し、適切にデジタル技術を活用し、企業を変革していくことがDXといえます。こうした取り組みを主体的にできる人が、DX人材と呼ばるでしょう。

▼DXについて詳しくはこちら

DXを担う6つの業種

独立行政法人情報処理推進機(IPA)が、DX推進人材の種類として6つの職種を定義しています。

プロデューサー

プロデューサーは、「DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO含む)」と定義されています。

プロデューサーの役割とは「顧客・パートナー・事業部門との良好な関係を構築・維持し、イノベーションの創出から事業化までの全プロセスを一貫して統括する」ことであり、必要とされるスキルは以下の3つです。

ビジネス・マネジメント力

事業全体を俯瞰的に把握し、投資や経営資源の配分などに対して的確な意思決定ができるスキルです。

外部環境把握力

自社の業界を理解し、ビジネスを取り巻く社会・経済の環境変化と将来動向を読み解くスキルです。

組織牽引力

内部・外部の人材・組織を巻き込みながら、人脈を拡大し、必要となる体制構築や予算確保を牽引するスキルです。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーとは「DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材」です。

ビジネスデザイナーの役割は「マーケットや顧客の課題やニーズをくみ取って、ビジネスやサービスを発想し、能動的に提案を行ったり、事業部門やパートナーと共に企画を構築する」ことであり、必要とされるスキルは以下の3つです。

着想力

市場や顧客の課題やニーズをくみ取って、ビジネスやサービスを発想し、それを有効なコンセプトに発展させるスキルです。

企画構築力

アイデアやコンセプトを、分析・組み合わせ・図解・説明などを駆使して、魅力ある企画に仕立て上げるスキルです。

ファシリテーション力

ビジネスの現場やチーム内の合意形成や相互理解をサポートし、議論の活性化および協調的活動を促進させるスキルです。

アーキテクト

アーキテクトは「DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材」と定義されています。

アーキテクトの役割はより具体的に「ビジネス及びIT上の課題を分析し、ソリューションを構成する情報システム化要件として再構成する」ことです。

アーキテクトに必要とされるスキルとして「アーキテクチャ設計」、「設計技法」、「標準化と再利用」、「コンサルティング技法の活用」など挙げられます。

データサイエンティスト・AIエンジニア

データサイエンティストは、「DXに関するデジタル技術(AI・IoTなど)やデータ解析にに精通した人材)」と定義されています。

データサイエンティストの役割は「センサー・通信機器の発達、ネットサービスの普及などにより、収集・蓄積が可能となった膨大なデータ(ビッグデータ)から、ビジネスに活用する知見を引き出す」ことであり、それに必要とされるスキルとして「ビジネス力」、「データサイエンス力」、「データエンジニアリング力」の3つあります。

UX・UIデザイナー

UXデザイナーは「DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材」と定義されています。

UXデザイナーに必要されるスキルを考える場合、UIデザイナー/Webデザイナーに求められるスキルをそのまま当てはめられます。

特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施しているウェブデザイン技能検定の試験科目が参考になります。ウェブデザイン技術、ウェブビジュアルデザイン、ウェブサイト設計・構築技術などが挙げられます。

エンジニア・プログラマ

エンジニアは「デジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材」と定義されています。

エンジニアに必要されるスキルを考える場合、ITSSで定義されているITスペシャリスト及びアプリケーションスペシャリストのスキルをそのまま当てはめられます。

DX人材に求められるスキル

データやデジタル技術を活用して企業の優位性を保つために、DX人材には幅広いスキルが必要です。ここでは、特定の業種に限定せず、DXを推進していく上で、基本的なスキルを紹介します。

DXを推進していく上では、基礎的なIT知識からデータの重要性の理解、UI・UX志向などさまざまなスキルが必要です。

IT関連の基礎知識

DXの1つの大きなテーマとしてデジタルを前提としたビジネスを創造することが挙げられます。

まずIT関連の基礎知識として挙げられるのは、Webやアプリケーションなど、基本的なITの仕組みを理解することです。ITの仕組みを理解することで、新たな事業を創造する際に、何が可能で、何が不可能なのかを判断することができます。

また、AIやIoT、ブロックチェーンなど新しい技術に対するキャッチアップも必要です。デジタル技術を活用して競争優位性を得ていくためには、最先端の技術を適材適所で活用することが不可欠だからです。

基礎的なITリテラシーから最先端技術の知識まで、DXを担う上でITの知識は最も重要な知識と言えます。

データの扱い方、活用法

DXを担う上でIT知識と同様に重要なのは、データの重要性を理解し、扱い方や活用方法を学ぶことです。

2000年代に入り、データの重要性が増しています。データを分析することで、新たな知見を得たり、AI(機械学習)を活用することで未来を予測したり、簡単な認識を行い人的コストを下げることができます。特にAIの応用が爆発的に進んだことで「「テクノロジー ×データ×DX」の需要度が高まってきています。

デジタル技術によって、膨大なデータが生み出される現在、データの重要性を自分自身で理解し、扱うことができれば、DXを推進する強力なスキルになります。

データサイエンティストが担う高度なデータ分析スキルも必要ですが、簡易的にでもデータの抽出・分析を行えることで、ビジネスのさまざまな場面でデータの力を発揮できます。

また、企業内でデータを有効活用していくためにデータを蓄積する環境を整えるなど、データマネジメントを強化していく必要性もあります。

▼データマネジメントについて詳しくはこちら

UI・UX志向

DXは「顧客中心」が大前提となっています。DXを推進する上で、最も重要なのはユーザに提供する価値を軸にデジタル技術で事業を変革していくことです。

UXは「ユーザーが、ひとつのモノ・サービスを通じて得られる体験」を意味しています。このユーザーの体験を改善することで、利用者にとって製品・サービスの価値を向上させることを目的としています。

UIは「一般的にユーザーと製品やサービスとのインターフェース(接点)すべてのこと」を意味します。WebサイトでいうところのUIは、サイトの見た目や、使いやすさのことを指します。

UI・UXを向上させることで、ユーザは長い期間、サービスを利用してくれ、大きな収益基盤になります。また、ユーザへの提供価値を主体的に考えてUI・UXを設計することで、効率的にデータを取得できるようになり、そのデータを活用したサービスの改善などが可能です。

プロジェクトマネジメント

DXを推進する上で、一人ひとりがプロジェクトを確実にマネジメントし、成功に導く必要があります。

組織や事業の課題に着目し、仮説を立てた上で、プロジェクトをマネジメントしていくスキルが求められています。

プロジェクトマネジメントにはグローバルでフレームワークが確立されています。

代表的なものでは、PMBOKやアジャイル開発などが挙げられます。基本的には、このフレームワークと現場のバランスを取りながらプロジェクト全体を調整推進していくことが重要です。

特に、DXプロジェクトでプロジェクトマネジメントに求められるのは「ユーザーと一緒に要求や要件を決めていく」姿勢です。ユーザーのメリット、ビジネスとしての収益性を考えた上で、技術を活用していく必要があります。

DX人材に求められるマインドセット

挑戦

DXを推進する上で最も重要なマインドは挑戦でしょう。DX人材には「現状を変えたい欲求」を持つ人材が求められます。 現状に満足することなく、疑問を抱き、挑戦し続けなければDXは実現できません。ディスラプティブな発想・思考をいつも持ち、新しいことへのチャレンジが出来る挑戦力がとても大切です。

課題発見

DX推進するには、まず解決すべき課題を洗い出し、仮説を立て、それをデジタル技術で解決していくことが重要です。「顧客中心」の考え方を身に着け、ユーザーの課題に着目し、それを解決していくことで、新しいビジネスモデルの構築も可能かもしれません。これから起こる行動変化に目を向け、変化を先読みし、他社より先にいく課題発見力が重要です。

巻き込み

相手の意見を聞き、周囲を巻き込むことが大切です。個人の意見・考えをもつことも重要ですが、他人の意見を聞き、周りを巻き込んでいかなければ、DXを推進することはできません。

他領域とのコラボレーションを実施することで、DXの価値はさらに高まるため、お互いに尊重し合い、調整する能力が必要です。また、特に新規事業を作るためには、新たに人材を集める必要もあり、周囲を巻き込んでいかなければなりません。

ベンダーとユーザー別のDX人材

DX人材には、IT業界のクライアント企業とベンダー企業で高い需要があります。それぞれの企業で求められる人材像は、以下のとおりです。

ベンダー企業のDX人材

SIerやソフトハウス(ソフトウェアパッケージの開発やソフトウェアの受託開発を主要業務としている企業)などのITを事業とする企業です。ユーザー企業の既存事業の効率化、コスト削減、価値創出を目的とした開発を行います。

【人物像】
  1. システム刷新から経営改革までを牽引できる人材
  2. 求めるビジネス像に必要なシステム設計・開発ができる人材
  3. AIの活用ができるデータサイエンティストやAIエンジニア

ユーザー企業のDX人材

メーカーや飲食、商社、建設、不動産などの、ITを事業としない企業です。ベンダー企業との共同作業を行い、プロジェクトを成功に導きます。

【人物像】
  1. ​​​​​​​自社の技術を活かした成長戦略を描き、実現できる人材
  2. ユーザー目線で最適なUX(ユーザーエクスペリエンス)を設計・実装できる人材
  3. 絶えず最新技術を学び続け、業務内容に反映することができるITエンジニア

DX人材を育成するには

DX人材育成のメリット

DX人材育成は会社にはさまざまなメリットがあります。ここでは自社システムにどのようなメリットがあるのかに注目して紹介します。

自社の事業に最も適切なシステムが判断できる

企業がデジタル化をおこなう理由は、自社の既存業務の改善や、新事業の開発といった経営戦略が中心です。

そのため、新システムにおける効果を最大限にするには、実際に既存システムを使い、その問題点を把握する自社の人材が企画立案から開発に携わることが、DX推進の上で重要です。

そして、既存システムにはなかった機能や付加価値がDX人材によって生み出されることで、現場の運用に合ったシステムができ上がりやすくなるはずです。

既存システムを効率よく動かしてその特長を効果的に引出すためには、やはり自社の中でDX人材の育成を進めていくのが理想となるでしょう。

企業のシステムの一貫性が保たれる環境を整える

開発業務をベンダー企業に一任した場合、エンジニアの技術力やコストといった事情で、システムの一貫性が損なわれる可能性も出てきます。これに対して、新システムの企画から開発、テストまで幅広い作業に携わることができる自社のDX人材は、社内システムの一貫性を保つ上でも非常に役立ちます。

自社の中で社内システム開発が担える人材を育成しておくと、技術力やコストの問題が出てきても、その内容をユーザーとなる現場担当者と早期に調整することができ、システムの一貫性が保たれやすくなります。

一貫性の欠如や共有のしづらさによって現場の不満が生じるリスクを考えると、やはり社内で育成したDX人材に企画からテストまでを任せるのが理想となるでしょう。

DX人材育成方法

OJTの機会を増やす

必要に応じてすぐに良案を出せるDX人材を育てるには、書籍やオンライン学習などで知識を与えるだけでなく、現場で実践的な経験を積ませることも大切です。

例えば、DX推進をする部署に新人を配属すれば、OJTを通して学んだ知識の復習ができる場合もあるでしょう。実践の中で自分の意見が採用されて自信がつくと、さらに多くのイノベーションを生み出そうというやる気も生まれやすくなるはずです。

デジタルリーダーの人材

DXに関する新規事業をおこなう際には、取り組みの推進役となるデジタルリーダーと呼ばれる人材が必要です。デジタルリーダーには、先進テクノロジーに広く深い知見を持っていて、自社にどのような技術が活かせるかを検討できる資質が求められます。また、他のメンバーからビジネスアイデアを引き出す能力も必要です。

DX人材になるには

DX人材になるには決して簡単なことではありません。しかし、それを目指して努力すればきっとみなさんが目指したい姿になれるはずです。

DX人材になるメリット

DX人材になれば、仕事の幅やキャリアアップの選択肢が広げられます。

アプリケーション・システムの開発はもとより、ソフトやハードウェアの不具合や問い合わせに対応するヘルプデスク、さらには営業を技術面から支援するセールスエンジニアの仕事など、幅広い分野から能力が求められています。

このようなスキルを身につけられれば、業界を問わず活躍ができてグローバルに働く可能性も増えます。

DX人材になる方法

新たな知識やスキルの習得が必須となります。IT資格の取得がとてもおすすめです。

DX人材には専門外の分野に対するリテラシーが求められるのに加え、デジタル領域は変化が激しく、常に最新の技術やトレンドに追いつく必要があります。

新しい知識やスキルを自ら積極的に学び、適応していく姿勢が重要で「自ら、新しいものを生み出す」ために、主体的に新しいものを吸収していく姿勢が求められます。

まとめ

DXを実現するために、DX人材の育成が経営戦略の一環として不可欠です。

また、これからDXが進んでいく中で、DX人材として活躍できる場所がきっと増えると予想されます。しかし、人材には求められる要素が多く、専門スキル以外も、高度なマインドセットが要求されることから、決して簡単ではないことが分かります。なので、まず自ら行動に移し、DX人材に目指しましょう。

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