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2022.01.14

アリババDAMOアカデミー、2022年のテクノロジートレンド予測を発表

最終更新日:

引用:PR TIMES

アリババグループのグローバル研究機関であるアリババDAMOアカデミーは、2021年12月28日、今後のテクノロジー業界にもたらされる変化を予測した「DAMOアカデミー テクノロジートレンド予測 2022」を発表しました。

アリババDAMOアカデミーの2022年のテクノロジートレンドは、ネットワークからデバイスまで幅広い分野に及んでいます。また、AIと他分野との融合がトレンドとなるものもあり、情報分野に限らず、他分野への応用もより一層増えていくと予想されます。

AIに関する分野では、クラウド、エッジ、デバイスを介した大規模モデルと小規模モデルの共進化が移行し、実践的になると予測されています。

アリババDAMOアカデミーの責任者であるジェフ・チャン(Jeff Zhang)氏は、次のように述べています。

ジェフ・チャン(Jeff Zhang)氏:過去1世紀にわたって、デジタルサイエンスの進化は技術向上と産業発展の限界を押し広げ、社会に多大な便益をもたらしてきました。現在、私たちは急速に進化するデジタル環境の真っ只中にいます。私たちが生活する物理的な世界はさらにデジタル化やネットワーク化が進み、インテリジェントなオンラインの世界とますます統合していきます。私たちは、バーチャルリアリティ技術(VR)が人間と機械の相互作用を再構築し、AIなどの最先端技術が医学研究や気象予報、製造業などの産業変革を推進する世界へと移行しようとしています。私たちは低炭素経済の推進に向けたデジタル技術の導入にも積極的に取り組んでいます。アリババDAMOアカデミーではより良い未来のために良い技術を開発するべきだと考えており、今後もこの信念に変わりはありません。

アリババDAMOアカデミーの2022年のテクノロジートレンド予測の詳細は以下の通りです。

トレンド1:クラウド、ネットワーク、デバイスの融合
今後、クラウド、ネットワーク、デバイスの役割分担がより明確になり、産業用の高精度なシミュレーションやリアルタイムの品質検査、複合現実(MR)など、より要求の高いタスクを実現する新たなアプリケーションの出現を促進され、今後2年間で、新たなコンピューティングシステム上で動作するアプリケーションが急増すると予想されます。
トレンド2:科学研究のためのAI
現在、AI技術の進歩によって、新たな科学的パラダイムが実現しています。AI技術は、科学研究のスピードを加速させるだけでなく、新たな科学法則の発見にも貢献します。今後3年間で、AIは応用科学の研究過程で広く応用され、一部の基礎科学では生産ツールとして使われるようになると予想します。
トレンド3:シリコンフォトニクスチップ
シリコンフォトニクスチップは、電子チップとは異なり、電子の代わりに光子を使ってデータを転送します。シリコンフォトニクス技術は急速に発展しています。今後3年間で、大規模データセンターでの高速データ伝送にシリコンフォトニクスチップが普及することが予想されます。
トレンド4:再生可能エネルギーのためのAI
エネルギー業界におけるAIの応用は、電力システムの効率化と自動化を進め、資源の利用と安定性を最大限に高める上で極めて重要であり、今後3年間で、AI技術は再生可能エネルギー源の電力網への統合への道を開き、電力網の安全性、効率性、信頼性の高い運用に貢献すると予想しています。
トレンド5:高精度医療
AI技術と高精度医療の融合は、専門知識と新たな補助診断技術の統合を後押しし、臨床医学において信頼に値する指針になることが期待され、今後3年間で、人を中心とした高精度医療技術は、病気の予防や診断、治療など、ヘルスケアの複数の分野にまたがる大きなトレンドになることが予想されます。
トレンド6:プライバシー保護コンピューティング(Privacy-preserving Computation)
少量のデータやプライベートな領域のデータを処理することから進み、大量のデータを処理したり、あらゆる領域のデータを統合したりするような場面で、プライバシー保護コンピューティング技術が採用されるようになります。今後3年間で、プライバシー保護コンピューティングの性能が画期的に向上し、データ流通において信頼性の高いサービスを提供する企業が出現すると予想されています。
トレンド7:拡張現実(Extended Reality / XR)
XRは、電子部品、デバイス、オペレーティング・システム、アプリケーションを含む新たな産業エコシステムに根付く技術となります。今後3年間で、普通のメガネと見分けがつかないような新世代のXRメガネ製品が市場に投入され、次世代インターネットへの重要な入口となることが期待されることを予想しています。
トレンド8:パーセプティブ・ソフトロボティクス
パーセプティブ・ソフトロボティクスとは、従来のロボットとは異なり、物理的に柔軟なボディを持ち、圧力や視覚、音に対する知覚を強化したロボットのことです。知覚能力のあるソフトロボティクスの出現は、標準化された製品の大量生産から、特殊化された少量生産へとなり、今後5年間で、パーセプティブ・ソフトロボティクスは、製造業における従来型ロボットに取って代わり、また日常生活におけるサービスロボットの普及への道を開くと予想されます。
トレンド9:衛星と地上間の統合
衛星地上連携型コンピューティング(satellite-terrestrial integrated computing)技術は、人工衛星と地上の移動体通信ネットワークを接続し、衛星ネットワーク、地上通信システム、クラウドコンピューティング技術を統合したシステムを構築します。今後5年間で、人工衛星と地上システムがコンピューティングノードとして機能し、高い接続性を提供する統合ネットワーク・システムを実現すると予想されています。
トレンド10:大規模と小規模のAIモデルの共進化
未来のAI技術は、クラウド、エッジ、デバイスを介した大規模モデルと小規模モデルの共進化に移行していくと予想され、基盤モデルのスケーラビリティに関する競争から、クラウド、エッジ、デバイスを介して大規模モデルと小規模モデルの共進化へ移り、より実践的に役立つものと予想されます。

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