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2022.07.08

アイシンとの協業も。安価で高度なエッジAIで躍進を遂げるIdein

エッジAIプラットフォーム「Actcast」を提供しているIdein株式会社が、2022年4月14日にメディア向けラウンドテーブルを開催し、「Actcast」の事業展開について説明を行いました。また、この日は業務提携をしているアイシンも登壇し、Ideinとの協業で開発に取り組んでいるマルチモーダルエージェント「Saya」の紹介を行いました。

アイシンの大須賀晋氏(左)とIdeinの中村晃一氏(右)

Idein株式会社は、「あらゆる情報をソフトウェアで扱えるようにする」をミッションとして掲げており、世界にも類を見ない技術力で、安価な汎用デバイス上でのディープラーニングの高速化を実現した、今注目のスタートアップ企業です。

コンパイラに活路を見出した「Actcast」

IdeinCEOの中村晃一氏

「Actcast」とは画像や音声等の解析技術を用いて、実世界のデータを収集し活用できるようにする日本最大級のエッジAIプラットフォームです。

高度なAI解析もさることながら、Actcastの一番の特徴はその価格です。通常は数十万円のデバイスで動かすAIモデルを、Ideinは独自の技術を用いて、軽量化せずに一台数千円という安価な価格で動かすことを可能にしました。

今までエッジAIのハードウェアとしては活用されていなかった、処理能力が低いシングルボードコンピュータである「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」を使用することによって大幅なコストの削減に成功したのです。一般的にはラズベリーパイの搭載するCPUの処理能力では十分なスピードは出せないためエッジAIには使われていませんでしたが、コンパイラに活路を見出して独自に開発を行い、内蔵のGPUも活用できるようにし、キャッシュメモリの効率を最大化する最適化を行うことによって画像解析AIでも高速処理ができるようになったのです。

また、Actcastは2022年に入ってから急速に登録台数を増やしており、4月に登録台数が15,000台を突破。直近の3ヶ月で登録台数は約5倍となり、今後もさらに増えていく見込みです。

 

関係を深めるアイシンとの提携

Ideinとアイシンは2017年にトヨタの「Advaced Drive(アドバンスドドライブ)」向けの自動運転システムを支える「ドライバーモニターシステム」をアイシンが担当していた際に、顔/顔特徴点、装着物判定、視線検出などのAI開発をIdeinに協力依頼したことがきっかけでした。

アイシンの先進開発部主席技術員の大須賀晋氏は「すでに使用するハードウェアとArmコアのプロセッサは決まっていて、そんな中でIdeinに協力を依頼したが、3~4ヶ月という短い期間で結果を出してもらい、そのスピードに驚いた」と説明しています。

そんな縁もあり2018年から資本提携を結び、現在ではスタートアップ企業の空気感を知るためにアイシンから数人の社員が教育出向という形でIdeinで働くなど連携を強めています。

アイシンの大須賀晋氏

 

自動バレー駐車システムではクラウドとAI技術を提供

会見では現在取り組んでいるプロジェクトとして、「自動バレー駐車システム」が紹介されました。

自動バレー駐車システムは、車が自動走行し、空いている駐車スペースに駐車する駐車場と車の複合システムです。

運転者は自動バレー駐車場の乗降場で車から降り、AIエージェントに駐車の受付をしてもらうと、車は車載AIカメラと駐車場内のインフラカメラで周囲の安全を確認しながら自動走行で空いているスペースに駐車します。

このインフラカメラにIdeinのActcast連携エッジAIカメラが使用されており、その情報と車載AIカメラの情報の認識結果をクラウドに統合しています。また、インフラカメラではAIで自動走行に必要なマップの作成と自己位置の推定も行っています。

 

誰もが親しめるような存在、マルチモーダルエージェント”Saya”の開発

マルチモーダルエージェント”Saya”は自動バレー駐車システムの受付や自動運転バスで利用が想定されている、CG制作ユニット TELYUKAが制作したフルCGの女子高生キャラクターです。

SayaにはIdeinの画像認識AI技術が使用されており、顔認証、年齢・性別推定、感情やジェスチャー認識を可能としており、久しぶりに自動運転バスに乗ると「○○さん久しぶり、元気ですか」など顔や名前を記憶し話しかけてくれたり、手すりを掴んでいるかや忘れ物をしていないかなどをチェックし声をかけてくれるなど、より人に近い接客を実現しています。

さらに、音声認識や音声合成と会話内容に合わせたリップシンクによって、より自然な会話ができるようになっています。

しかし、Sayaを動かすためには高度な処理をいくつも行うため、インテルの「Core i9」とNVIDIAの「RTX 3090」を搭載する高性能PC2台を用いており、実用化に向けてコストの削減とシステムの小型化をしなければいけないという問題がありました。そこでIdeinと協力し、2022年の6月を目標に廉価な「Jetson AGX」1台へ集約するとしています。これにより、Sayaの活躍の場が広がることが予想されます。

 

Idein公式HP https://www.idein.jp/ja

アイシン公式HP https://www.aisin.com/jp/

 

 

 

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