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株式会社楽人塾は、2022年12月7日より、絵本「りんご姫」(作:スガワラトモコ)の初回限定版の予約販売を開始しました。この絵本は、全てのページの作画作業をスガワラトモコ(※AIアーティスト・デザイナー)が画像自動生成AIのMidjourneyに指示を与え制作しました。スガワラトモコの指示によってAIが提示した複数の絵から、絵本の内容に最も適合するものを選び、コラージュとレタッチ処理だけを施し完成させています。
絵本「りんご姫」出版の背景
2022年8月にディープラーニングのtext-to-imageモデル「Stable Diffusion」がオープンソース化されてから、AIによる画像生成は身近な存在になりました。それに伴って、画像生成AIはすさまじい速度で進化と普及を続け、新しいサービスが毎日のように登場しているのが現状です。そこで、クリエイターとAIの関係はこれからどうなるのか、クリエイターがAIを利用しマネタイズできる新たなフィールドはどこかなど、今までにない課題が生まれてきました。それらの課題の解決策の一つとして、クリエーターとAIが共同作業をした「絵本」が適していると考え、制作されたのが絵本「りんご姫」です。
絵本「りんご姫」作家紹介
絵本「りんご姫」の作画作業の例
- 具体例として、スガワラトモコが絵を完成させるまでに行った作業を示します。
Midjourneyに以下の指示(プロンプト)を与えます。
beautiful princess::2 10 year old girl. she wears a white dress, in the forest, sunny magical, Disney Pixar::0.5, ultra detailed, High quality, intricate oil paintings, vibrant colors, miniatures, picture book.
(美しいプリンセス10歳の女の子。白いドレスを着て、森の中で、晴れやかな魔法をかけています。 ディズニー・ピクサー、油彩画、高品質、複雑な油絵、鮮やかな色彩、綿密画、絵本)
それぞれのワードにはウェイトがあり、デフォルトが1のウェイトです。そのため、「::2」や「::0.5」の数値を指示することで、そのワードの影響力に強弱をつけることが可能です。
作風を統一するために「oil paintings(油彩画)」「miniatures(綿密画)」など絵のテイストについて指示をしています。 - プロンプトを打ち込むと4枚の雰囲気の違う絵画が表示されます。
ここから似たテイストのバリエーションを出すことも可能です。 - 最初に表示された➊の絵を使用しました。気に入った絵はボタンひとつで、より精密で高画質な画像に仕上がります。
- 画像をダウンロードし、フォトショップで明度や彩度を変更したり、表情などを微調整します。
- 加工した画像を絵本のページに挿入し完成です。
絵本「りんご姫」のあらすじ
▼予約紹介サイトから引用
大陸の東のはしに、ポム王国という緑豊かな国がありました。 その国のお姫様は鼻はまんまるで、小柄で、そして、ほっぺはりんごのように赤かったので国民からは親しみを込めて『りんご姫』と呼ばれていました。 ポム王国ではお姫様は10歳の誕生日を迎える前日に、一人で旅に出るという、しきたりがありました。隣りのハナタカ国で『真珠のネックレス』を受け取り、隣りの隣りのノッポ国で『ドレス』を仕立ててもらい、その先に住む<森の老婆>に『花かんむり』を作ってもらって帰ってこなくてはなりません。 そして旅から戻ると、その全てをお姫様が身につけて10歳の誕生日パーティーが開かれるのです。
ついに『りんご姫』がその旅に出ることになりました。見たこともない外の世界で、多くの経験をした『りんご姫』は自信を失っていきます。そんな時に<森の老婆>と時間を共にした『りんご姫』は大きく成長していくのでした。