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2023.08.22

今後の教育はどうなる?AI英会話アプリ「スピーク」日本支部代表が語る教育×生成系AIの未来

生成系AIの登場によって教育の分野に異変が起きています。

例えば大学によってはレポート等での生成系AIの使用が禁止となるなど、生成系AIを教育の分野でどのように活用すべきかが現在も議論されています。教師の「教える」という仕事が生成系AIを活用したサービスに代替されるのではないかという未来もささやかれています。

一方で、そうしたサービスによって教育機会の均等化に繋がるといった側面もあることは事実です。

そしてその生成系AIサービスの一つとして、シリコンバレー発のIT企業Speakeasy Labs, Inc.(以下スピークイージーラボ社)は2023年2月9日、「ChatGPT」を活用した英会話アプリ「スピーク」の日本語版を正式リリースしました。

そこで今回は、スピークイージーラボ社日本支部代表のヤン・キンジュシェンコ氏に教育×生成系AIの今後についてお話を伺いました。

↓スピークについて詳しくはこちら
https://www.speak.com/jp

生成系AIが今後の教育にもたらす影響とは

生成系AIは、IT業界だけでなく、金融業、保険業などさまざまな業界で活用が進んでおり、教育も例外ではありません。

ヤン氏は、生成系AIの教育業での活用によって、提供すべき教育が変わっていくといいます

ヤン氏:教育者は、AIを活用して効率的にカリキュラムを準備し、学習者が補うべき能力を提供することが求められるようになるでしょう。

つまり、これからの教育は環境問題のような明確な解答のない課題を解決するための思考力や、何もないところから新たな価値を生み出す力を育成することが重要となると考えています。

その理由は、生成系AIの進歩により情報の取得が容易になっている現状にあります。暗記や情報を正確に再現する能力は、これまでの教育形態の中で重視されてきましたが、そのような能力はAIによって代替される可能性が高まっています。

また、ヤン氏は学習者の環境の変化により、教育の民主化がより進んでいくと推測しています。

ヤン氏:学習者がいつでも、どこでも高水準の教育を受けられる環境が形成されるようになるでしょう。もちろんその背景には、デジタル化によってパーソナライズされた教育が提供されるようになったことや、インターネットの普及により情報へのアクセスが容易になったことなどが挙げられます。

ただ今後は、生成系AIの登場によって学習者のデータにフィットした究極のパーソナル化が可能となり、学力向上の環境が一層整うと考えています。

今後の教育を見据えたAI英会話アプリ「スピーク」

ヤン氏らは、スピークイージーラボ社のミッションである「誰でもどこでも英会話を学ぶことができる世界を技術を使って作る」という言葉を掲げ、英会話アプリ「スピーク」を開発したといいます。

ヤン氏:我々のミッションである「高度な英会話教育の民主化」を実現するために、英会話アプリ「スピーク」を開発しました。

そのためスピークは、最新のAIを用いた日本人の発音を高精度で認識する音声認識機能、OpenAI社の大規模言語モデル「GPT-4」を搭載した「AI講師」機能などによって、ユーザーが話した内容の語彙や文法に対するフィードバックを全てスマートフォン一台で利用可能なサービスを開発しました。

そして、AIを相手に英会話を実践するため、時間や場所に制約されることなく学習できます。これは先ほどの教育の民主化にもつながります。また、AIとの学習では人間の相手と違い、恥ずかしさを感じたり遠慮する必要がないという利点もあります。

本来、高度な英会話教育は、高額なお金と場所や時間といったさまざまな条件を満たさなければ受けることが難しいとされています。

スピークイージーラボ社は、従来の英会話教育と比べてかなり安価かつ的確なフィードバックを行う生成系AIを導入したスマホアプリ「スピーク」を展開し、英会話教育の民主化を目指しています。

今後の展望

韓国に続き、日本で「スピーク」のサービスを開始したスピークイージーラボ社。今後どのようにして事業を拡大していくのでしょうか。

ヤン氏:2つの軸で事業を拡大していこうと考えています。1つ目としては海外展開です。現在は韓国と日本に続いて、台湾、メキシコ、ブラジル、ドイツ、フランス、南アメリカのスペイン語圏など10カ国以上でサービスをローンチしています。今後もこの流れで海外展開を拡大して参ります。

そして2つ目の軸としては、既存マーケットにおけるシェア拡大とプロダクト改善です。特に後者のプロダクト改善は重要であると考えています。なぜなら、国ごとによってユーザーの特徴やニーズが異なるため、その部分の深掘りを行うことによってユーザー拡大にも繋げていけるからです。

まとめ

今回はスピークイージーラボ社のヤン・キンジュシェンコ氏に生成系AIの教育への未来についてお話を伺いました。

生成系AIの登場によって教育の民主化が一層加速する見込みである一方、従来の教育のスタイルの変化を人間の教師は求められています。

激変しつつある教育と生成系AIの動向に今後も目が離せません。

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