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2023年9月22日、Allganize Japan株式会社が金融業界に特化した大規模言語モデル(LLM)であるAlli Finance LLMの提供を日本と韓国で開始した。
金融機関の業務自動化や生産性向上を目的に開発され、金融領域特有の業界用語や慣習を学習している。Meta社のLlama 2をベースに開発され、金融業界の特定用途に適した小規模なLLM(sLLM)だ。sLLMは、パラメータの規模が通常のLLMよりも小さいが、特定用途のAIサービス開発に適しているという。オンプレミスなど、各社独自の環境で利用可能で、金融機関の高水準のセキュリティ要件にも対応している。
同モデルは、金融業界の一般用語と業界用語を正確に区別できるという。たとえば、「LTV」は一般的にはマーケティングの「Life Time Value」を指すが、Alli Finance LLMに質問すると、金融業界での「Loan to Value」の略語であると返答する。これにより、金融機関は基幹業務での利用が可能となる。
実業務への導入も容易で、Allganizeの「Alli LLM App Market」という機能から利用できる。このマーケットでは、100以上のLLMアプリケーションが提供されており、ユーザーは業務に適したアプリケーションを選択して利用できる。パラメータが130億と700億の2つのモデルが用意されており、プロジェクトの予算や業務活用の難易度に応じて、ユーザーはモデルを選択できる。
Alli Finance LLMの活用例として、同社は複雑な金融商品の約款への質疑応答、経済見通しレポートの要約、過去の業績や今後の展望をもとにした予測レポートの作成などを挙げている。
AINOW編集部
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