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米著作権局審査委員会は2023年9月5日(現地時間)、生成AIが制作した芸術作品の著作権の保護を拒否したことがロイター通信の報道によって明らかになった。
今回、申請を拒否されたのは、コロラド州で開催された美術品評会のファインアートコンテストで優勝した、ボードゲーム会社の経営者であるジェイソン・M・アレン氏の作品「Theatre D’opera Spatial」。
同局によると、アレン氏の画像は、人が制作した著作物でないため、著作権の保護の範囲外と判断したとしている。
今回、アレン氏が著作権保護を求めて同年9月に申請を行った際に、著作権局は画像作成におけるMidjourneyの役割を説明することを要求した。
同氏はMidjourneyには文章による指示を最低でも624回入力して画像を生成し、その後に画像編集アプリケーション「Adobe Photoshop」で手動で多数の修正を行ったと報告した。
著作権局は、アレン氏へ「Theatre D’opera Spatial」を著作権保護する条件として、生成した画像の一部の放棄を求めたが、アレン氏がこれを拒否し、結果としてアレン氏の申請を却下した。
著作権局はこれについて、「AIによって生成された最小限の量を超えるコンテンツが含まれていて、著作権登録は否認されなければならない。」とコメントしている。
これに対してアレン氏は、著作権局の判断を不服とし控訴。同氏は「AIが生成した芸術作品の著作権保護を否定すると、所有権が無効になってしまう」と主張している。
ロイターによると、アレン氏は「著作権局の決定は予想通りだが、最終的には自分が勝つと確信している。現状では解決どころか、さらに多くの問題が新たな問題が著作権局の前に立ちはだかる」と発言しているという。
著作権局がAIが生成した作品の著作権保護を拒否したのは初めてのことではない。
今年2月には、画像生成AIによって制作されたグラフィックノベルの著作権に対して、著作権局は「グラフィックノベルの記述や絵の配置などについては制作者の著作権を認めるが絵そのものへの著作権を認めない」という判断を下している。