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2024.08.14

Claude AIのArtifactsをオンラインで共有・公開できるようになった

ソフトウェアエンジニア兼イラストレーターで、AI専門メディアGenerative AIZeniteqを運営するジム・クライブ・モンジュ(Jim Clyde Monge)氏(詳細は同氏のLinkedInページを参照)が2024年7月にMediumに投稿した記事『Claude AIのArtifactsをオンラインで共有・公開できるようになった』では、Anthropicが発表した最新基盤モデルの新機能が紹介されています。
Anthropicが2024年6月21日に発表したClaude 3.5 Sonnetには、Artifactsと命名された機能が実装されています。この機能の概要は、以下のように箇条書きできます。

Claude 3.5 Sonnetの機能「Artifacts」の概要
  • Artifactsとは、「簡単な電卓アプリを作成して」のようなプロンプトに対して、アプリを生成する機能
  • 生成されたアプリはインターネットに公開でき、Claude AIユーザではなくてもそのアプリにアクセスできる。
  • 生成されたアプリのコードも取得できるので、ユーザがさらにアプリをカスタマイズできる
  • アプリのカスタイマイズには、「Artifactsをリミックス」機能を使うと便利。
  • 生成されるアプリの仕様は、1回のプロンプトで入力できる範囲でなければならない。

以上のようなArtifactsは、2024年8月時点でClaude 3.5 Sonnetのみで利用できる機能です。しかしながら、基盤モデルとの協働を強調するこの機能は、近い将来、GPTシリーズやGeminiシリーズにも実装される可能性が大いにあるでしょう。

なお、以下の記事本文はジム・クライブ・モンジュ氏に直接コンタクトをとり、翻訳許可を頂いたうえで翻訳したものです。また、翻訳記事の内容は同氏の見解であり、特定の国や地域ならびに組織や団体を代表するものではなく、翻訳者およびAINOW編集部の主義主張を表明したものでもありません。
以下の翻訳記事を作成するにあたっては、日本語の文章として読み易くするために、意訳やコンテクストを明確にするための補足を行っています。

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

はじめに

OpenAIがその待望の機能を延期し続けている一方で(※訳注1)、Anthropicは数週間前からクールな機能を展開している(※訳注2)。Anthropicの最新作はClaude AIの大幅なアップグレードで、ユーザがArtifactsをオンラインで公開・共有できるようになった。

(※訳注1)OpenAIは2024年5月13日、GPT-4oを発表した。同モデルの音声生成機能にはさまざまなリスクがあり、「今後数週間から数ヶ月かけて」高度な音声モードのリリースを準備するとしていた。しかし、6月26日、「リリースの基準に達するまでにあと1か月必要」という理由で、ChatGPT Plusユーザの小グループに対する同モードアルファ版の提供を見送った。そして、7月31日、上記小グループへの提供を開始した。
同モードは2024年秋までにはChatGPT Plusユーザ全員に提供される予定である。


(※訳注2)Claude 3.5 Sonnetが公開されたのは2024年6月21日であり、この記事がMediumで公開されたのが7月14日なので、そのあいだは数週間となる。

他のユーザやClaudeのアカウントを持っていない人とでも、Artifactsを簡単に共有できるのだ。

Claude Artifactsとは何か?

Claude Artifactsとは、Claude 3.5 Sonnetのリリースと同時にAnthropicがこのAIアシスタントに導入した新機能だ。これはChatGPTやGeminiにないものだ。

Claude Artifactsとは、Claudeがユーザのリクエストに応じて生成する、(Claude AIとは)実質的に独立したコンテンツを表示するものである。これらは単なるテキストによる回答ではなく、コード・スニペット、ドキュメント、インタラクティブなReactコンポーネントを含むことができるインタラクティブで編集可能な出力である(※訳注3)。

(※訳注3)PCブラウザ版Claudeの無料プランからArtifactsを利用するには、以下の手順を実行する。

PCブラウザ版Claudeの無料プランからArtifactsを利用する方法
  1. Claudeログイン画面からClaudeにログインする。
  2. 画面左側のサイドバー画面からユーザアカウント名をクリックして、「Feature Preview」ボタンをクリック。
  3. 「Feature Preview」画面が表示されたら、「Artifatts」のスイッチをonにする。

「Feature Preview」画面

例えば、シンプルな電卓ウェブアプリケーションの作成を考えてみよう。ユーザがClaudeに対して、以下のようにプロンプト入力したとしよう。

プロンプト:シンプルな電卓ウェブアプリケーションを作成して

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

これに対してClaude AIは、アプリケーションのフロントエンドとバックエンドの両方のコードを提供するだけでなく、さらなるカスタマイズのためのインタラクティブなインターフェースも提供する。

これは、率直に言って、AIチャットボットに組み込まれた最も印象的な機能の一つである。

Artifactsの公開

現在、ユーザはシンプルなウェブリンクで、Claudeが生成したArtifactsをオンラインで共有できる。

以上の仕様は、作成されたArtifactsをどこでも誰とでも簡単に配布できることを意味し、AI生成コンテンツに関して以前は不可能だったコラボレーションと共有の新しいレベルを開拓している。

例えば、私は以下のようなインタラクティブなピッチデッキ(※訳注4)を作成し、同僚にレビューしてもらおうと思った。

(※訳注4)ピッチデッキとは自社をアピールするプレゼンテーション資料のことであり、ピッチ時に投資家等に見せることが想定されている。

プロンプト:会社概要、市場分析、製品特徴、ビジネスモデル、財務予測などのスライドを含む、スタートアップのピッチ用プレゼンテーションデッキを作成して。プレゼンテーションには複数のスライドを用意し、ユーザが矢印キーをクリックして次のスライドや前のスライドに切り替えられるようにすること。

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

あとは画面の右下にある 「公開(Publish)」ボタンをクリックするだけだ。個人情報や機密情報がアーティファクトに含まれていないことを確認するモーダル画面(※訳注5)がポップアップ表示される。

(※訳注5)モーダル画面とは元画面の上に別のウィンドウを表示し、ユーザに情報を伝える画面のこと。特定の操作を行わないと他の操作ができないため、ユーザに警告のメッセージやエラーを通知する場合に使われる。

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

(モーダル画面のメッセージは、以下の通り)

このArtifactsを公開すると、インターネット上の誰でもアクセスできるようになります。あなたのチャットは非公開のままです。

公開するArtifactsに個人情報や機密情報が含まれていないことを確認してください。

「リンクを公開&コピー」をクリックするとArtifactsがオンラインで公開され、Artifactsを共有できるリンクを受け取れる。

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

私が作成したArtifactsのサンプルは以下のリンクから閲覧できる。

さらにArtifactsをもう公開したくないと思ったら、「非公開」ボタンをクリックして公開を解除できる。

公開されたArtifactを開くと、ユーザが作成したコンテンツを閲覧していることを知らせる警告画面が表示される。

(警告画面のメッセージは以下の通り)

ユーザが作成したArtifactを表示します。

Artifactは、Claude.aiで作られたオンラインゲームやインタラクティブダッシュボードのようなユーザ生成の体験です。Artifactsには、Anthropicの見解を代表するものではない、未検証または潜在的に安全でないコンテンツが含まれている可能性があるため、Artifactsに関与する際は慎重を期してください。

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

ArtifactsにはAnthropicの見解を代表しない未検証または潜在的に安全でないコンテンツが含まれている可能性があるため、この注意は重要である。フルスクリーンでアプリを表示するには、「コンテンツを表示」ボタンをクリックすること。

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

Artifactsをリミックスする

Claude AIはコンテンツを公開するだけでなく、ユーザがArtifactsをリミックスできるようにもする。右下に「Artifactsをリミックス」ボタンが見えるだろう。

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

このボタンをクリックすると、Claude AIのチャットインスタンス画面に移動し、チャットボットにオリジナルのArtifactのバリエーションを作成するプロンプトが入力される。以下のプロンプトは、前出のピッチデッキ事例から自動生成されたものだ。

プロンプト:こんにちは、Claude!このArtifactsのバリエーションを調べてみよう。このArtifiactsを再現したら、リミックスする方法を3つ提案してくれる?

画像出典:ジム・クライブ・モンジュより

注記:Artifactsをリミックスするには、Claude.aiアカウントが必要である。

この機能によって、Artifactsのカスタマイズやパーソナライズの可能性が広がる。

例えば、教育者は既存のインタラクティブなクイズのArtifactが役に立つと思うかもしれないが、自分たちの特定のカリキュラムに合わせて問題を作りたいと思うかもしれない。同様に、開発者はコード・スニペットをリミックスして、新しい機能を追加したり、パフォーマンスを向上させたりできる。

・・・

最終的な感想

数ヶ月前、AnthropicはClaude Opusの言語モデルの品質低下について批判された(※訳注6)。しかし、最新のClaude 3.5 SonnetとArtifactsのリリースにより、Claude AIは現在利用可能な全てのAIチャットボットの王者となった。

(※訳注6)2024年4月、英語圏最大の掲示板サイトRedditにはClaude 3 Opusがリリース当初と比べて劣化していると思うかどうかに関するアンケート調査を実施したスレッドが立った。294票集まったアンケート結果は、「劣化したとはっきり思う」が71票で約24%であった。

RedditスレッドにおけるClaude 3 Opus劣化に関するアンケート結果

近年はOpenAIのChatGPTとGoogleのGeminiが最大手であったが、インタラクティブなArtifactsを作成、公開、リミックスできることで、Claude AIは明らかに優位に立っている。

しかしながら、Artifactsは強力な新機能であるにもかかわらず、明確な制限がある。その最大のものがメッセージの制限で、基本的に1回のプロンプトでArtifactのコード内容をすべて取得できなければならない。この制限は、より複雑で大規模なプロジェクトを作成する際の大きなハードルとなりうる。

AnthropicがArtifactsをClaudeと直接関連する環境以外でも広く使える便利なツールにしたいのであれば、メッセージの文字数制限は間違いなく取り組むべき課題だ。


この記事はGenerative AIに掲載されています。LinkedInで当社とつながり、Zeniteqをフォローして最新のAIストーリーを常にチェックしよう。

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原文
『Claude AI’s Artifacts Can Now be Shared or Published Online』

著者
ジム・クライブ・モンジュ(Jim Clyde Monge)

翻訳
吉本 幸記(フリーライター、JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #1、生成AIパスポート、JDLA Generative AI Test 2023 #2取得)

編集
おざけん

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