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2017.10.24

プレスリリースから読み解く通信業界のAI戦略【NTT、KDDI、ソフトバンク】

最終更新日:

こんにちは。AINOW編集部のみかみです。

今回は国内の通信業界でトップ3を占めるNTT docomo、KDDI、ソフトバンクが人工知能に関するサービスの提供や実証実験の報告をしたプレスリリースをまとめました。通信業界を動かす大手企業がどのようなAI戦略をたてているかプレスリリースから読み解きましょう。

各プレスリリースを見たい方はこちら(文をクリックするとプレスリリースのページに飛びます)

NTT docomo

2016年5月にNTTグループがAIの技術を生かし、外部企業や研究機関、自治体などとコラボレーションを推進するブランド「corevo」(コレボ)を創設した後、AIに関するプレスリリースを多く出しました。NTTグループが培ってきた音声認識技術や感覚情報処理、自然言語処理の研究成果を踏まえ、現在新しいAI技術やサービスを提供しています。

2016年2月に「デンソーとNTTドコモ、高度運転支援と自動運転技術の実現に向けた研究開発の協力に合意」でLTEや5Gを利用した車両通信技術を活用したり、2016年5月に「人工知能を活用したリアルタイム移動需要予測の実証実験を開始」でタクシーの利用需要をリアルタイムに予測する技術を開発するなど、交通インフラに関するAI技術を多く発表しています。

また、2017年6月に開催された「AI・人工知能EXPO」の展示ブースでも説明していた「AIエージェントAPI」のオープン化も話題となりました。

NTT docomoは早い段階から自然言語処理に取り組んでいたため、今後も自然対話に強いAIサービスを出していくと考えます。
また、移動需要予測を活用した公共インフラに関するAIも今後リリースされる可能性があります。

KDDI

自動運転への取り組みに遅れをとったと思いましたが、“ゆずり合う車”という他社とは違う技術を「“ゆずりあうクルマ”を実現するAI技術の開発に成功」で2017年10月に発表しました。
また、NTT docomoは自然対話に強く多くのサービスを出していましたが、ARを用いてキャラクターと会話ができるという技術を「AR空間上のAIキャラクターと対話ができるシステムを開発」で2017年9月に発表しました。

KDDIはARISE analyticsやアクセンチュアと協力していることから、IoTデータを掛け合わせ、新たな価値を創出する「KDDI IoTクラウド ~データマーケット~」の提供開始のようにIoTソリューション等に活用されています。

KDDIは他社よりAIに関するプレスリリースが少ない印象ですが、子会社である株式会社KDDI総合研究所、株式会社KDDIエボルバがAIに関するサービスを多く出しています。
また、先にリリースされた他社のAI技術に差を見つけ出し新しい価値を提供することが多い印象です。

ソフトバンク

ソフトバンクは2014年に感情認識ヒューマノイドロボット「Pepper」を発表、さらにIBMと「Watson」の日本語対応版を共同開発しています。2015年は「音声合成ソリューション「Rizbell」の提供開始について」、「IBMとソフトバンク、IBM Watson日本語版を提供開始」のようにサービス提供がメインの年となっています。
2014年にAIに関する基盤をつくり、翌年にはサービスを提供するようなスピード力があります。

また、2016年以降はIBM Watsonを活用したサービスを続々と発表しています。
2017年5月には「新卒採用選考におけるIBM Watsonの活用について」を発表し、自社の採用活動にもWatsonを用いることで話題になりました。

今まではWatsonを活用したサービスの販売開始に関するプレスリリースが多かったですが、自社でWatsonを活用した導入事例をプレスリリースに出すことは異例でした。

今後もWatsonを活用した業務効率などにおける新しいAIサービスを発表していくと思います。
さらに、ソフトバンクグループの孫正義社長が「汐留事業4号株式会社」の法人登記目的にAI会社と記したことがニュースになっています。

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