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2019年1月25日、東京都内にて、ストックマーク株式会社によるカンファレンス「AIビジネス変革フォーラム」が開催されました。
AI技術はビジネス分野において、業務効率化の一つのソリューションとして注目されています。
このセッションでは、「AIビジネスを支える技術の最前線」というタイトルで、「テキスト」ベースのAIがビジネスにとってどのように嬉しいのかを、ストックマーク株式会社 CTOの有馬氏が解説してくださいました。
これまでのAI・人工知能の技術発達は、画像処理領域を筆頭として進んできました。チャットボット技術への期待が高まった時期はありましたが、技術発展が追いつかず、緩やかな成長を続けています。
しかし、テキスト領域でも精度が大きく上がってきています。SQuAD(読解問題)では人間を超える精度を達成し、それ以外のベンチマークでも最高精度を達成できる汎用性の高いモデルが誕生しました。
これにより、テキスト領域において、AIがビジネスプロセスに適用される段階に入ってきたといえます。
これまでの機械学習を中心としたAI関連技術は、大量の訓練データを学習させる必要がありました。学習をすることで、訓練データの特徴を掴み、未知のデータが入力されたときにも、分類が可能になります。
しかし、問題点がありました。それは、何万件、何十万件というデータを準備しなければならず、膨大なコストがかかるということです。
しかし、研究開発が進み、事前学習モデル(大量のデータを学習させるモデル)の汎用性が高まりました。これにより、少数のデータでも精度の高いモデルを構築することが可能になりました。
今までは文章の汎用モデルは実現が難しく、研究開発が難航していましたが、ELMoやBERTなどの汎用事前学習モデルが生まれ、BERTは特に話題になりました。
これにより、個別のタスクでもとりあえず汎用モデルで処理を行い、その後少ないデータを追加で学習させることで、従来よりもコストをかけずに、文章タスクを扱うことができるようになります。
これにより、より幅広い領域でテキストデータ(非構造化データ)を活用できるようになることが予想されます。
これまでのような売上などの数値情報だけでなく、ニュースや企画書、メールや商談、メモなどの非構造化データも処理することが可能になります。
では、ビジネスマンは何をするべきなのでしょうか?
AIの技術は多くのデータからよりよい解を見つけ出す帰納的なアプローチを採用しています。ということは業務暗黙知を持っているビジネスサイドからのフィードバックが書かせません。
テキスト領域におけるAIシステム開発は、技術者だけでなく、ビジネスマンも主役となって、双方的に取り組んでいく必要があります。
AI人材が不足していると多くのメディアで取り上げられています。しかし、AI人材は不足するものではなく、創出するものだと考えています。
岩崎弥太郎やウォール街の例を参考に、類似人材累計をAI人材へと転移させる発想が必要です。
AIでできるのは、分類や応答、可視化です自社内で独自にデータを蓄積している領域が成果が出しやすいです。
AIはまだプロダクトアウトな側面がまだ強いです。地道な文化づくりが必要です。
■AI専門メディア AINOW編集長 ■カメラマン ■Twitterでも発信しています。@ozaken_AI ■AINOWのTwitterもぜひ! @ainow_AI ┃
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