学びつづけるーー
人工知能(AI)をはじめとする新しい技術は、わたしたちの仕事や生活を便利なものにしてくれます。しかし、職業人としては、これまで以上に「学び」が求められる時代になったといえるかもしれません。内閣府の「人生100年時代構想会議」でも、就労者が何歳になっても必要な能力・スキルを身につける「リカレント教育」が重点テーマのひとつとして掲げられています。
そこで、ディップのサイコロLab.では「オトナの勉強実態調査」を実施しました。
インターネット調査で、20~59歳の就労者301名(女性93名、男性208名)から回答が得られました。
オトナは1日どれくらい勉強しているの?就労者の学習時間調査
全く勉強していない「0分」は全体の31%、役職別では「課長職以上」の64%が1時間以上確保している
出世するほどに学習時間を確保?
忙しいときは「学習時間0分」が50%
会社の風土が変わると思えば勉強する? 会社観と学習時間の関係
「会社風土は変化するもの」と思っている人がより長い学習時間を確保している
次に、「会社」をどのように捉えているかと学習時間の関係を分析しました。会社の捉え方は、 「その会社らしさは根本的なものなので、従業員が大きく変えることはできない」や「従業員が働きかけても、会社の風土を変えることはできない」といった会社の性質を8項目の質問で測定しました。
その結果、「会社風土は変化しないもの」と信じているグループでは「学習時間0分」という回答割合が約40%なのに対して、「会社風土は変化していくもの」と信じているグループでは約20%と大きなギャップがあることがわかりました。「会社は変わらない」と思っている人にとっては、学び続けることの価値が低くなってしまうのでしょうか。
よく「自分の仕事が会社に対して影響力を持つと自覚することが大事」と言いますが、それが意味することは「自分が会社の変化に影響力を持つ」ということなのかもしれません。もしかすると、「会社そのもの」が従業員によって変化し、成長していくことを事例とともにメンバーに伝えることが、学ぶ組織をつくる上で役に立つかもしれません。もちろん、今後さらなる調査が必要で、解釈には注意が必要です。