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2020.01.21

【初心者向け】AIプログラミング入門 – 学習の流れとおすすめの勉強方法5選

最終更新日:

「自分でAIを作ってみたい」と思ったことはありませんか?プログラミングでAIを作ることは決して難しいことではありません。

Pythonというプログラミング言語のライブラリ機能を駆使することで、誰でも簡単にAIを実装できるようになります。さらに学習を進めることで、オリジナルのAIサービスを開発することも可能です。

この記事では、「AIプログラミング入門」として、初心者向けにAI・プログラミングの勉強方法を紹介していきます。

プログラミング学習を始めるメリット

まず、AIを勉強するためにプログラミング学習を始めるメリットは何なのでしょうか。

AIをプログラミングで再現することで、AIに対する知識や理解が深まることは言うに及ばず、プログラミングというスキルを習得することにはさまざまなメリットがあります。

初心者でも始めやすい

AI開発で主に用いられる言語はPythonです。Pythonはシンプルな構文と外部ライブラリが充実していることによる多機能性に定評があります。

そのため、Pythonはプログラミング初心者におすすめの言語です。「プログラミングは難しそう」というイメージを持っている方はPythonに触れてみることをおすすめします。

プログラミング知識は応用が利く

プログラミングを学習することで、例えばアプリケーションを作成するスキルを身につけられます。そうすることで、個人でもAIとアプリケーションを結びつけた新たなWebサービスを開発できるようになります。

このように、複合的なプログラミング知識を応用させることで、AIサービスやAIツールを自分で作成することが可能です。

資格を取得すれば、スキルの証明になる

プログラミングを学習して資格を習得すれば、自分のスキルを証明できるようになります。プログラミングに関連した資格を評価対象に採用している企業も数多くあるため、自身のスキルアップを採用や転職に結びつけることにもつながるでしょう。

学習の流れ

AIをプログラミングによって学習するメリットを確認したところで、次はその流れについて紹介していきます。まず入門編として、プログラミングの基本の学習から始めましょう。

プログラミングの基本を学習する

先述のように、AIを開発するうえで主に用いられる言語はPythonです。

他の言語ではR言語やJuliaが用いられることも多々ありますが、構文や仕様がやや複雑です。また、特にディープラーニングの分野ではPyhtonにアドバンテージがあると言えます。

Pythonの特徴

出典:https://www.python.org/community/logos/

Pythonの特徴は文法がシンプルであることや、表現が簡潔で見やすいことなどいくつか挙げることができますが、最大の特徴は外部ライブラリが充実していることです。

このように豊富なライブラリを用いることで、数値計算や画像処理、ゲームやアプリの開発など幅広い用途でPythonを活用することができます。

Pythonの基本文法

プログラミングの基本文法は、四則演算や変数概念、条件分岐(if文)やループ処理(for文、while文)といった基本から積み重ねて勉強することが大切です。

Pythonは基本文法がシンプルであり、かつ豊富な教材が揃っているため速習も十分可能です。

以下は私のおすすめの教材です。オンライン講座・youtube動画・本といった様々なアプローチで繰り返し学習することで知識を定着させられるでしょう。

AI Academy のPython講座

入門Python 3(Bill Lubanovic 著)

伊沢剛氏の「Python入門講座」

Numpy, Pandas, matplotlib

出典:https://numpy.org/, https://matplotlib.org/stable/gallery/misc/logos2.html, https://pandas.pydata.org/about/citing.html

Pythonの基本文法を習得したあとは、数値計算やデータを可視化するライブラリを学習しましょう。これらのスキルは、データをAIにかける前の「前処理」と言われる段階で有効です。

私は最初に学習するライブラリとして、NumpyとPandas, matplotlibの3つをおすすめします。

  • Numpy:ベクトルや行列の演算といった数値計算のためのライブラリ
  • Pandas:データ操作や統計的特徴を把握するうえで便利なライブラリ
  • matplotlib:グラフ描画ライブラリ

Numpy, Pandas, matplotlibの扱い方は、Chainerチュートリアルのコラムが参考になります。

  1. NumPy 入門 — ディープラーニング入門:Chainer チュートリアル
  2. Pandas 入門 — ディープラーニング入門:Chainer チュートリアル
  3. Matplotlib 入門 — ディープラーニング入門:Chainer チュートリアル

データの前処理を学習する

実際にAIを開発する場合、取り扱うデータに上述のライブラリを適用して「前処理」を行う必要があります。前処理としてのデータ処理は以下のような流れで行われます。

具体的なデータ処理の仕方を学ぶには以下の教材が参考になります。

Pythonによるデータ分析入門(Wes McKinney 著)

Data Analysis with Python – Full Course for Beginners

AIライブラリを学習する

では、いよいよ実際にAIを作成してみましょう。PythonではAIライブラリを用いることで、誰でも簡単にAIを実装できます。

AIには大きく分けて機械学習と、より複雑なディープラーニングの手法があります。機械学習一般でよく用いられるライブラリは「scikit-learn」です。また、より複雑な処理を必要とするディープラーニングの実装では「TensorFlow」というライブラリがよく活用されていられます。

scikit-learn

出典:https://scikit-learn.org/stable/about.html

scikit-learnには、大抵の機械学習アルゴリズムが収録されています。機械学習のアルゴリズムは、数学的にかなり複雑で難解な仕組みを採用しているのですが、scilit-learnではそのようなアルゴリズムを短く簡潔なコードで実装できます。

また、学習・教育用のサンプルデータが付属している点もscilit-learnの魅力です。これにより学習者は、scikit-learnの公式サイトや教材を参照しながら機械学習アルゴリズムについて理論的かつ実践的に学習できます。

書籍では、「Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践」がおすすめです。機械学習の理論からライブラリの使い方まで網羅的にわかりやすく説明されています。

また、機械学習分野でおすすめのyoutube講座は以下の通りです。

Able Programming氏の「機械学習講座」

Python for Data Science – Course for Beginners (Learn Python, Pandas, NumPy, Matplotlib)

TensorFlow

出典:https://www.tensorflow.org/?hl=ja

TensorFlowはディープラーニングを含めた機械学習サービスで活用されているライブラリです。層を重ねたニューラルネットワークを採用するディープラーニングは、理論的にとても複雑な手法ですが、TensorFlowではそれを比較的簡単に実装できます。

Tensorflowの公式チュートリアルでは、Google Colaboratory 上でディープラーニングの実装を簡単に学習できます。特にMNISTという手書き文字のデータセットは、ディープラーニングを学習するサンプルデータとして有名です。

TensorFlowを用いたディープラーニングの実装を扱う教材のなかで、おすすめのものは以下の書籍です。

scikit-learn、Keras、TensorFlowによる実践機械学習(Aurélien Géron 著)

データベースの操作を学習する

AIの基本的な実装を学習したら、データベースの操作の学習へと移りましょう。AIはしばしば巨大なデータ群、「ビッグデータ」を取り扱います。データベースの取り扱い方を学習するためには、SQLを習得する必要があります。

SQL

SQL言語はデータベース言語(厳密にはプログラミング言語ではない)のなかで最も有名な言語です。SQL言語を用いることで、データの作成や更新、検索といったことができます。

最近では、RDBMSあるいはNoSQLによって管理されるSQL言語から脱却したデータベースシステムが主流になりつつあります。しかし、SQL言語を学ぶことはデータベースシステムの基本を学習することに繋がります。SQL言語の学習を通して、データベースシステム自体への理解も深めていきましょう。

クラウドを学習する

AIの実装や、さらに進んでAIサービスを展開する場合、「クラウド」を利用することがあります。各企業が提供している「クラウドプラットフォーム」とは、データやアプリケーションの保存、操作・実行をweb上で行うことができるサービス基盤です。

各サービスは仕様やAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などに依存してさまざまな利点・制約があるため、自分の目的に合ったサービスを選ぶ必要があります。

AWS・GCP・Azure

出典:https://aws.amazon.com/jp/activate/logo-guidelines/, https://cloud.google.com/press?hl=ja, https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/architecture/icons/

Amazonが提供している「AWS」、Googleの「GCP」、Microsoftの「Azure」、これらは3大クラウドサービスと呼ばれます。これらのクラウドの特徴として、機械学習サービスに非常に力を入れていることが挙げられます。

おすすめの勉強方法5選

次に、AIをプログラミングで学ぶためのおすすめの勉強方法を紹介します。特にPythonを用いたAI学習の教材は豊富にあるため、自分にあった勉強方法を探ってみましょう。

オンライン教材を利用する

オンライン教材は誰でも手軽に活用できる勉強方法の一つです。例えば、「AI 入門」というキーワードで検索することで、さまざまなAI学習教材にアクセスすることができます。

フリーの教材

機械学習ライブラリの公式チュートリアルでは、ライブラリの使い方を学びながら同時に機械学習の理論や仕組みを学習できます。有名なものは、Chainerの公式チュートリアルです。

他にもyoutubeには体系的なAIの解説動画が多数アップロードされています。例えば「freeCodeCamp.org」というyoutubeチャンネルは、プログラミングや機械学習のチュートリアル動画を提供しているサービスとして有名です。

オンライン講座

オンライン講座のメリットとして、学習計画や勉強の順番を自分で決めなくてよいという点があります。AIのプロフェッショナルが考え抜いた学習手順が提供されているので、独学でも安心して学習を進められます。

個人・法人に向けたオンライン講座として有名なサービスはAidemyやUdemyです。隙間時間に自分のペースで学習を進められるため、特に社会人から人気のサービスです。プログラミングやAIの基本から応用まで多種多様な教材が充実しています。

また、オンライン講座のなかでも無料で利用できるものは多数存在します。例えばCourseraでは、無料で世界中の大学が提供する授業を受けることが可能です。他にも、KIKAGAKUというサイトは、AIのオンライン講座を無料で提供しています。

書籍で独学する

オンライン教材による学習だけでなく、書籍による学習も並行して進めるといいでしょう。さまざまなアプローチで繰り返し勉強することで、知識の定着を図ることができます。

信頼できる最新の専門的な情報を得るためには、主に洋書や英語論文を読む必要があります。中でも「O’Reilly Japan」という出版社の書籍は、PythonやAI・機械学習系の翻訳書に力を入れているためおすすめです。

コンペティションに参加する

ある程度AIの知識が身についたら、次は実践の段階に行きましょう。データ分析のコンペティションに参加することで、データの種類や量に応じたAIの実装の経験を積むことができます。

Kaggleとは

出典:https://www.kaggle.com/

Kaggleは世界最大のデータ分析のコンペティションです。常にいくつかの大会が開催されていて、誰でも手軽に参加できます。

他の参加者の解答例を参照することで、自分にはない知識を身につけられます。また、参加者同士が交流する掲示板は、質問や情報交換などが活発に行われているので、参考になるでしょう。

Kaggleで勝つデータ分析の技術』という書籍には、AIによるデータ分析の実践的な知識やテクニック、思考法が多数収録されています。

資格に挑戦する

出典:https://www.jdla.org/

AIの仕組みを学習するために資格の勉強をするのは有効です。プログラミングでAIを実装する問題が試験に出題される資格は難易度の高いものが多いですが、AIの理論や仕組みの概略を理解するためにG検定やE資格を受験してみるのもいいでしょう。

G検定

G検定は、JDLAが運営する検定です。機械学習やディープラーニングの基礎的な知識だけではなく、AIの歴史や社会的問題などの幅広い問題が問われます。

E資格

E資格は、JDLAが運営するエンジニア向けの資格です。JDLAが認定したプログラムを試験日の2年以内に修了していることが受験の条件となっています。

その他の資格

Pythonを用いたAI(データ分析)関連の資格として有名なものは「Pythonエンジニア認定データ分析試験」です。また、他にも「AI実装検定」やAWS, GCPといったクラウドサービスが主催する試験などがあります。

▼AI関連資格について詳しくはこちら

大学で勉強する

大学・大学院の「情報学」系や一部の「工学」系では専門的なAIの知識を学習できます。また、「言語学」系や「論理学」系の分野でもAIの仕組みは専門的に取り扱われます。

AIが専門でなくても、例えば実験や統計処理で機械学習の手法が必要になることがあります。大学・大学院に進学することで、AIの最新の研究や高度な内容の手法に触れることができます。

まとめ

このように、AI・プログラミングの学習にはさまざまな勉強方法があります。独学が得意、書籍を読むのが好き、高度な内容であっても興味を持つことができるなど、自分の特性にあった勉強方法を模索してみましょう。

今回はPythonを主にプログラミング言語として紹介しましたが、他にAIに活用されているR言語やJuliaなどの言語の勉強に手を出してみるのもおすすめです。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分の開発したいAIにあわせてプログラミング言語を選んでみるといいでしょう。

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