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人事や情報システム関連の社内のお問い合わせ、Webサービスやアプリケーションのユーザからのお問い合わせなど、近年では電話を通してサポートを行う企業が増加しています。
特に大企業であれば全国各地の従業員からの人事やシステム関連のお問い合わせに対応したり、膨大なユーザを抱えるサービスであれば、使い方などについてのお問い合わせが多く寄せられます。
電話対応の迅速化が求められる今、コールセンターなどの電話業務を行う企業の多くが、電話とコンピューターをつなげるシステム CTIを導入しています。
今回は、コールセンター業務の課題や、CTIシステムを導入するときに確認しておくべき機能やメリット・デメリットと選ぶ時のポイントをご紹介していきます。
目次
CTIとは?
CTIとは、Computer Telephony Integrationの略で、別々に進化してきたコンピュータと電話をCTIという技術で統合して、コールセンターのシステムを実現します。
CTIを導入することによって、顧客の電話番号に基づいた記録から顧客情報を検索してコンピューターの画面上に表示し、よりスムーズな顧客対応が可能となります。
CTIについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
なぜ求められるCTIが求められているのか
長い待ち時間
電話がつながっても、「もうしばらくお待ちください。」という自動音声が流れ、長時間受話器の前で待たされた経験はありませんか?
スムーズに進まない問い合わせに顧客やユーザ側もだんだん耐えられなくなり、顧客満足度が下がる可能性が生まれてしまいます。
オペレーターごとに違う仕事量
コールセンターの課題の1一つに「業務を効率化できない」ということがあります。
問い合わせの電話がひとりのオペレーターに集中しているのに、手が空いてるオペレーターもいる状況がコールセンターの中でよく発生します。
オペレーターの仕事量の違いは、仕事への意欲を削ぐと同時に、顧客を待たせる状況を生み出す原因となってしまいます。
顧客の情報を把握できない
顧客の情報が企業側にあるにもかかわらず、それを調べるのに時間をかけてしまうことがあります。
情報の検索性や閲覧性が低いと、担当者が変わったときに、毎回顧客情報を調べる必要がでてきます。
顧客側としては何度も同じ質問を繰り返されることになり、顧客満足度の低下につながります。
CTIを導入するメリット
業務効率化
コールセンターでは、その離職率の高さが問題になっています。属人的になりやすかったり、一日中電話対応をする苦労によって、離職率が10%以下のコールセンターは、全体の3〜4割ほどしかありません。
また、休む間もなく多くの電話が寄せられるコールセンターでは、オペレーターにかかる心理的なストレスも重く、大きな課題になっています。
CTIを導入することで、少しでも対応をスムーズに行えるようになり、業務効率化だけでなく、離職率を下げることにも繋がります。
参考:専門誌「コールセンター白書」
顧客満足度の向上
管理者だけでなくオペレーターもCTIを活用できます。
オペレーターが何人もいると、その中で顧客対応の能力の差が生まれ、それが顧客の流出につながることがあります。
CTIシステムを導入することで各オペレーターのスキルのギャップを埋めて、各々の顧客への応対品質を底上げします。
対応する基本機能
業務効率化
ポップアップ機能
電話番号をもとに顧客の情報を検索し、画面上に表示する機能です。
素早く、かつ簡単に顧客情報の把握ができるようになります。
モニタリング機能
オペレーターの通話内容や稼働状況をリアルタイムで把握できる機能です。
待ち呼数や放棄数なども即時にわかるため、的確なマネジメントできるようになります。
顧客情報の確認
顧客情報を把握した上で対応できるので、どのオペレーターでも一人ひとりの顧客にマッチした応対ができるようになります。
購買履歴やこれまでの経緯を踏まえて的確な提案が可能になり、顧客満足度の向上に繋がります。
顧客満足度の向上
着信履歴
着信履歴・通話履歴の情報を蓄積します。これにより、次回以降同じ顧客から受電連したときにスムーズな対応を実現します。
また、他の顧客の対応時にも、類似した対応事例として表示することで、スムーズな対応をする参考にすることができます。
通話内容の録音
顧客とのやり取りを漏れなく正確に保存する機能です。
すばやく的確にクレームの解決に貢献します。
電話調節機能
特定のオペレーターに電話が集中しないように電話対応をまんべんなく振り分ける機能です。
顧客の情報は電話が振り分けられた際に自動で転送されます。
人件費の削減
顧客情報検索をスムーズに行え、問い合わせ電話をまんべんなく振り分けることで、電話業務の効率化、コストの削減につながります。
CTI導入のデメリット
CTIシステムの導入費用が高い
CTIシステムにはさまざまな料金体系があり、中には導入費用が50万円もするものもあります。
自社に適していないシステムを選んでしまえば、大幅に料金がかさむ場合があります。
操作が難しい、慣れるまで時間がかかる
どれだけ高機能のCTIシステムを導入しても、それを使いこなせる人がいないと宝の持ち腐れになってしまいます。
簡単に導入できるCTIシステムが増えていますが、従業員数が少ない企業であればITの知識や技術を持つエンジニアが在籍していないケースもあります。
CTIシステムの知識がない状態で運用をはじめてしまうと、電話業務が非効率的になり、かえってコストが増えてしまいます。
選ぶ時のポイント
サポート体制
CTIの知識を持つ人がいない場合は、サポート体制が十分なシステムがおすすめです。
例えば、顧客の電話対応中にCTIシステムに不具合が発生した際に、トラブルに素早く対応しないと、顧客を待たせてしまう上に、悪い印象を与えかねません。
CTIシステムの中にはサポートをいつでも受け付けているシステムや、無料で提供されるシステムもあります。
業務に支障が出ないようにサポート体制を確認しておくことも大切です。
会社の規模を考慮する
会社の規模に適したCTIシステムを選ぶことが重要です。
例えば、規模が大きい会社であればユーザーの数に従って料金が決まるものではなく、定額制のシステムがおすすめです。
定額制であれば、ユーザーがどれだけ増えてもCTIシステムの運用コストが変わることはありません。
一方で規模が小さい会社であれば、ユーザー人数に従って料金が決まる従量課金制のシステムを活用すれば、無駄なくCTIシステムの運用が可能です。
まとめ
今回、CTIシステムのメリット・デメリットを紹介しました。
デメリットは存在しますが、選ぶポイントを理解しておくことで避けられるものばかりです。
無料ではじめられるCTIシステムの紹介ありますので、ぜひご覧ください。
CTIシステムのメリットとデメリットを理解して適切なCTIシステムを導入しましょう。