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近年、厚生労働省による働き方改革の推進で、テレワークを導入している企業が増加しています。
しかし、「テレワークを導入したものの生産性が上がらない」や「テレワークを導入したいけれど従業員の管理が難しい」など、テレワークについて悩まれている方が多いのではないでしょうか?
今回は、テレワークのデメリット(課題)とそれを解消するための対策について解説します。
テレワーク導入を検討されている方やテレワーク導入後に悩まれている方は、今回の記事を参考にしてみてください。
目次
テレワークとは
テレワークとは「Tele=離れた」と「Work=働く」を合わせた造語で、在宅ワーク(在宅勤務)・モバイルワーク・サテライトオフィスの3つの総称です。
- 在宅ワーク(在宅勤務): オフィスに出社せず、自宅で勤務すること
- モバイルワーク: 顧客先や移動中の車内など、本来勤務するオフィス以外の場所で勤務すること
- サテライトオフィス勤務: 本社や本部と離れた場所に設置されたワークスペースで勤務することで、一時的な利用を目的としている
テレワーク導入により、従業員側は移動時間を短縮できるほか、ワークライフバランスを実現できます。また、企業側は従業員の交通費やオフィスの空調・照明のコストを削減できます。
テレワークのデメリット
テレワークの導入にはメリットがある反面、厚生労働省の「平成27年 JILPT 情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査」で多くの課題(デメリット)が挙げられています。
厚生労働省の調査の結果、特に大きな課題(デメリット)は以下の通りです。
- 仕事とプライベートとの切り分けが難しい
- 長時間労働になる
- 労働時間の管理が難しい
- 進捗管理が難しい
- 情報セキュリティの確保が難しい
- コミュニケーション不足
テレワーク対策でデメリットを解消
コミュニケーション不足への対策
テレワークでは、対面よりもコミュニケーションが減ることで、従業員同士の団結力がなくなり生産性が低下してしまいます。
その対策方法は、テレワークでもコミュニケーションをとりやすい環境を作ることです。
コミュニケーションをとりやすい環境を作るためには、気軽にメッセージを送れるチャットツールや仕事上の情報共有がしやすい社内SNSの導入をおすすめします。
労働状況を正確に管理するための対策
テレワークにおいて、管理側は従業員の労働状況を管理しにくいのが現状です。そのため、従業員の長時間労働につながる恐れがあります。
そのような事態を避けるには、以下の対策が挙げられます。
- 就業規則の周知を徹底させること
- 規定時間になるとツールのアクセス制限される設定すること
- 勤怠管理・労務管理システムを導入して従業員の労働状況を一目で分かるようにする
正確に進捗管理するための対策
テレワークになると、従業員が「今、何しているか」「どこまで仕事が進んでいるのか」を把握するのが難しい状況です。
その対策は、業務の進捗状況を可視化・共有することです。
エクセルで進捗管理するより、工数管理・プロジェクト管理ツールを用いて進捗管理することをおすすめします。
工数管理・プロジェクト管理ツールには、作業分析やさまざまな角度からの集計機能などのあるため、エクセルでの進捗管理より生産性が向上します。
情報セキュリティを確保するための対策
テレワーク導入のにおける1番の課題は、情報セキュリティの確保です。
テレワークでは公共Wi-Fiの利用により情報漏洩のリスクが高まるため、外部から機密情報を守るための万全なセキュリティ対策が必要です。
そこで、リモートアクセスツールの利用をおすすめします。
リモートアクセスツールでは、通信環境の整備とセキュリティ対策ができます。
テレワークの対策ツール6選
チャットツール
チャットツールとは、PCやスマートフォンを用いてリアルタイムでコミュニケーションをとれるツールです。社内はもちろん、社外とのやり取りにも利用できます。
メールのような形式的なやり取りではなく、実際に会話するような感覚で気軽にやり取りできるのが特徴です。また1対1だけでなく、グループ機能を使って複数人でコミュニケーションがとれます。
気軽にやり取りできるチャットツールでは、素早く情報共有できるため業務効率が上がります。しかし、過度なコミュニケーション量になると集中力が低下してしまうため、注意が必要です。
社内SNS
社内SNSとは、社内利用向けのSNSです。社内での情報共有やコミュニケーション促進を目的とした企業で多く導入されています。
社内SNSの基本機能として、以下の機能があります。
- 気軽にやり取りできるチャット機能
- かんたんに反応できるスタンプ機能
- 部署や目的別にグルーピングできる機能
- さまざまな形式のファイルをアップロードできる機能
社内SNSでは、普段接触しないような社員同士や部署横断でのやり取りができます。そのためテレワークでも、会社の組織として一体感や新しいアイデアが生まれやすくなります。
勤怠管理システム
勤怠管理システムとは、出退勤の記録や休暇の申請・記録、シフト管理などの勤怠業務を支援するシステムです。
タイムカードやエクセルでの記録ではなく、PCのログインやスマートフォンなどで記録できるため、テレワークで活用できます。
また、自動で勤務時間の集計や給与計算できるため、勤怠管理業務の工数を削減できます。
労務管理システム
労務管理システムとは、以下の労務管理で必要な業務を自動化するシステムです。
- 労働時間の管理
- 社会保険や福利厚生の加入管理
- 労使関係管理
- 給与管理
- 安全衛生管理
従来は、従業員ごとに手作業で法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)を作成し、関係機関への提出や社内での保管が必要でした。
しかし、システム導入により作成・申請作業が軽減され、テレワークでも従業員を管理しやすくなります。
工数・プロジェクト管理ツール
工数・プロジェクト管理ツールとは、プロジェクトの仕事量と担当人数を計算して工数を管理するツールです。
正確に工数管理することは、企業の利益に直結します。プロジェクトごとの作業量・人員を管理することで、課題を発見・解決しやすくなり、売上や利益率が向上します。
工数・プロジェクト管理ツールを利用すれば、テレワークでも働き方や進捗状況が可視化されるだけでなく、生産性向上への意識が高まります。
リモートアクセスツール
リモートアクセスツールとは、インターネットを通じ、離れた場所からでも社内のネットワークに接続できるツールです。
オフィスに設置されているPCの電源を入れておけば社外にあるPCも接続できます。そのため、テレワーク導入と同時にリモートアクセスツールも導入しましょう。
リモートアクセスツールにはセキュリティ対策もあり情報漏洩を防げるため、安心して利用できます。具体的には以下のようなセキュリティ対策があります。
複数の認証方式
- ユーザーIDとパスワード
- ワンタイムパスワード
- 生体認証
アクセス権限の設定
ユーザーごとに、ネットワークやアプリケーションレベルでのアクセス制限を設定できます。
まとめ
今回は、テレワークのデメリットと、それを解消するための対策について解説しました。
テレワーク導入を検討されている方やテレワーク導入後に悩まれている方は、今回の記事を参考に対策してみてください。