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近年、あらゆる産業分野でデジタルによる変革が重要視されるなか、注目を集めているのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。
DXの推進により、私たちはDXについての知識・理解が求められるようになりました。
DXに関する理解の指標となるのが「DX検定」です。
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DX検定についてこのような疑問を持つ方もいるでしょう。そこで今回は、DX検定の概要、試験対策や取得メリットについて紹介します。
目次
DX検定とは？
DX検定は、日本イノベーション融合学会が認定する民間資格の1つです。DXへの理解度を測ることを目的とし、DXに関する知識が問われます。
また、日本イノベーション融合学会ITBT検定委員会によって次のように定義されています。
| これからの社会の発展・ビジネス全般に必要な、デジタル技術によるビジネスへの利活を進める人財のために、毎日爆発的に増加するバズワードを確かな知識にする、先端ＩＴ技術 トレンドとビジネストレンドを幅広く問う知識検定で、2018年7月に創設されました。 |
引用︰DX検定™(日本イノベーション融合学会＊ITBT(R)検定)
DX検定を取得するメリットは？どう活用できる？
企業へのアピールポイントに
多くの企業がDXを推進していますが、データの重要性を理解し、適切にデジタル技術と組み合わせ、企業を変革していく取り組みができるような人材を指す、DX人材の不足が課題となっています。
DX検定に取り組み、DXに関する知識を付けることは、企業へのアピールポイントとなります。また、DX検定には認定制度があるため、名刺やプロフィールへの記載も可能です。
▼DX人材について詳しくはこちら！
仕事の幅やキャリアアップの選択肢が広がる
DXはさまざまな分野で推進されているため、DX人材になれば活躍できる場が広がるでしょう。DXに関する資格は就職だけでなく、転職の際にも有効です。
また、自身のDXに関する知識をスコアにより可視化することで、DX人材としてのレベル・役割が認識できます。
企業での活用
DX検定は企業での団体受験も可能なため、DX人材育成の一環として活用する企業もあります。
社員のDXに関する知識レベルを測れるだけでなく、最新のDXトレンドを定期的に学習できる・DXに関心を持ってもらうきっかけになるというようなメリットもあるでしょう。
DX検定の受験方法
申し込みの流れ
DX検定の申し込み方法は、個人と法人で異なります。
- 個人
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- 法人
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参照︰「⽇本イノベーション融合学会＊ITBT®検定」2021
開催予定
DX検定は、1月・7月の年2回開催され、受験者は、指定日にWebで受験を行います。
次回の開催予定は、2022年1月が予定されています。(2021年8月時点)
例年、約4ヶ月から申し込みが開始するので、公式サイトをチェックし、余裕を持って申し込みましょう。受験料は、6,600円です。
DX検定の難易度は？
レベル認定
成績優秀者はレベルに応じた認定証が発行され、名刺やプロフィールへの掲載が可能となります。レベルの区分と第6回検定の合格率は以下の通りです。
| スコア | 認定レベル | 合格率(第6回検定) |
| 800点以上 | DXプロフェッショナルレベル | 約2% |
| 700点以上 | DXエキスパートレベル | 約7% |
| 600点以上 | DXスタンダードレベル | 約27％ |
第6回検定では、500点〜600点の割合が約30%と最も多く、平均点は513点でした。(参照︰『DX検定™』検定結果と検定概要について)
DX推進人材像との比較
日本イノベーション融合学会ITBT検定委員会は、IPA(情報処理推進機構)が定義した「DX推進人材像」とDX検定のスコアを比較して、「DX推進人材 推奨レベル」を定めています。
| 人材の呼称令 | 人材の役割 | DX推進人材 推奨レベル |
| プロデューサー | DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー | 850点以上 |
| ビジネスデザイナー | DXやデジタルビジネスを企画・立案・推進 | 800点以上 |
| アーキテクト | DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計 | 800点以上 |
| データサイエンティスト/ITエンジニア | DXに関するデジタル技術やデータ解析に精通 | 750点以上 |
| UXデザイナー | DXやデジタルビジネスに関するシステムユーザー向けデザインを担当 | 700点以上 |
| エンジニア/プログラマ | 上記以外のデジタルシステムの実装・インフラを担う | 650点以上 |
参照︰DX検定™(日本イノベーション融合学会＊ITBT(R)検定)
レベル認定のシステムやDX推進人材推奨レベルを見ると、600点以上の取得は資格として有効だと考えられます。
DX検定で問われることは？
試験内容
制限時間は60分で、120問の選択問題が出題されます。
出題分野
DX検定の出題範囲は、ビジネストレンドと先端IT技術トレンドの2つで区分されます。
- ビジネストレンド
| 大分類 | 中分類 |
| 次世代ビジネストレンド | 社会イノベーション
科学技術イノベーション |
| 戦略・理論 | ビジネスイノベーション
理論・方法論 |
| 業務 | プロセスイノベーション |
| 商品 | プロダクトイノベーション |
| サービス | ビジネスモデルイノベーション |
| IT機器 | IT機器・サービスのイノベーション |
- 先端IT技術トレンド
| 大分類 |
| ロボット・スマートマシーン |
| AI・ソフトウェア |
| IOT・ハードウェア |
| ビッグデー・データサイエンス |
| クラウド・IT開発/運用 |
| サイバーセキュリティ・ネットワーク |
DX検定のサンプル問題
問題︰ブロックチェーンに関する以下の記述中の【A】と【B】に入る適切な言葉を選びなさい。
| ブロックチェーンは、【A】の元帳であり、2者間の取引を効率的かつ【B】な方法で記録することができ、改ざん困難な記録の方式として通貨以外への応用もある。 |
選択肢︰
①【A】オープンな分散型【B】検証可能
②【A】集中型 【B】検証可能
③【A】オープンな分散型【B】高速
④【A】集中型 【B】高速
答え︰①
引用︰DX検定™(日本イノベーション融合学会＊ＩＴＢＴ(R)検定)公式ホームページ
DX検定の公式ホームページでサンプル問題が紹介されているので、解いてみましょう。
DX検定取得に向けた3つの勉強方法
DXシラバスを参考にする
初めに、DX公式ホームページから閲覧できる「DXシラバス」を見ましょう。
出題分野が大分類〜小分類まで細かく書かれており、キーワードの具体例も載っているため、「何から勉強したら良いのか分からない」と思っている人は、シラバスを参考に関連キーワードについて学習することがおすすめです。
DX Studyを利用する
「DX Study」とは、DX人材を育成するためのeラーニング教材です。
DX検定に準拠していて、出題分野であるIT技術やビジネストレンドに関する必須用語の習得・理解力向上に最適な学習ツールです。
| 利用価格 | 10,780円 |
| 標準学習時間 | 20時間 |
| 収録用語 | 240用語 |
| 利用可能期間 | 3ヶ月 |
DX検定とセットで申し込むことで、割引価格で利用可能となる「DXリテラシー育成・認定パック」があります。
推奨書籍を読む
日本イノベーション融合学会が推薦図書としている書籍をレベル別に紹介します。
- DX検定を初めて受験する人向け
「DXとは何か？」といった基礎からDXに必要な知識やアクションを解説してくれます。図を用いた分かりやすさが特徴です。
- DX検定でレベル認定を目指す人向け
デジタルテクノロジーの影響力についてまとめた年鑑「インターネット白書」の最新刊です。コロナウイルスによって社会が変革するなか、インターネットがどのように活用されたのか学べます。
DXについて学べる書籍
- DX人材の教科書
日本の大手企業3000社以上にヒアリングを重ね、500社近くにDX人材育成サービスを提供する株式会社Standardの2人が、DX人材をテーマに解説した書籍です。
45個の業界別のDX事例も掲載されており、より具体的にDX人材について学べます。
- イラスト&図解でわかるDX~デジタル技術で爆発的に成長する産業、破壊される産業~
DXの基礎やデジタル時代におけるビジネスモデルについて学習でき、日本イノベーション融合学会が推薦する書籍の1つとしても紹介されています。
DX人材はなぜ必要か-顕著になるDX人材不足
DX人材とは、データの重要性を理解し、適切にデジタル技術と組み合わせ、企業を変革していく取り組みができるような 人材を表し、企業がDXを推進する上で必要な存在です。
しかし、「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」(2019年5月17日)を実施した独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によると、
| 全体として、いずれの人材についても、「大いに不足」という回答が最も多くなっており、DXの推進を担う人材に対する不足感が非常に強いことがうかがえる。 |
引用︰デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査
この結果から、DX人材の確保・育成が今後の課題となっていることが分かります。
▼DX人材について詳しくはこちら！
DXに必要な能力を高める3つの方法
DXについての知識や理解を深めるという点でも、資格の取得は有効です。
DX検定の他に、DX推進アドバイザー認定試験などがあります。AWS（Amazon Web Services）認定各種やITストラテジスト試験といったDXに必要なITの知識が求められる資格もおすすめです。
また、デジタル技術を使って新たな価値の創造を実現するためには、発想力を磨くことも大切です。転職など実務経験を積むこともDXに必要な能力を高める手段の1つです。
まとめ
DXを推進する上で、DX人材は必要な存在です。DX検定では、ビジネストレンドやIT技術など、DXに関する知識が求められるため、検定に挑戦することでDXに必要なスキルが身に付きます。
書籍や学習ツールを活用し、DXへの理解を深めましょう。
