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株式会社日立ソリューションズは、デジタルツインで現実空間の建物や設備を仮想空間に再現し、xR*技術により建物や設備の維持管理の作業状況を可視化する「都市・建物向け xRトータルソリューション」を9月30日から販売開始しました。
都市・建物向け xRトータルソリューションは、地図や建物・設備のBIM、点群データなどを活用し、仮想空間に現実世界の空間情報とひもづいたデジタルツインを構築することが可能です。これにより、企業は建物や設備、人や物の位置・行動などをデジタルツインで、管理することが可能となり、仮想空間上で設備の維持管理作業を事前にシミュレーションし、現場のミス防止や障害発生を抑止するとともに、作業効率の向上を図れます。
また、デジタルツインに架空のオブジェクトをxR技術で可視化し、複数ユーザー間の共有やユーザーごとの表示制御が可能なため、作業者ごとの作業進捗や結果をリアルタイムに可視化でき、管理者は的確な指示を出すことができます。障害発生時には、他の作業者に警告アラートを通知し、労働災害の被害拡大を抑止することも可能です。
仮想空間に配置するオブジェクトは、ユーザーがドラッグ&ドロップといった簡単な操作で配置や移動、削除、サイズ変更を行うことができます。
開発の背景
このソリューションを提供するに至った背景として、5GやIoTの進展により、都市や社会インフラ、建物内の設備などを仮想空間に再現するデジタルツインに注目が集まっていることが挙げられます。デジタルツインでは、現実空間のさまざまな情報を可視化し、誘導や設備などの点検に活用することで、業務の効率向上と省人化を行うことが可能です。しかし、現実空間を仮想空間に再現し、業務に活用するためには、屋内外の地図や点群、BIMなどを活用した仮想空間の構築、現実空間や業務に合わせた仮想空間へのオブジェクトの可視化、外部システムとの連携など、高い技術力とシステム構築力が求められます。そこで、これまで培ってきた空間情報や画像認識分野での実績やノウハウを活かし、「都市・建物向け xRトータルソリューション」を販売開始する事となりました。
実際の業務に適用した場合の一例として、配管修理作業における活用イメージは次の通りです。
- 現実空間にルート案内を重ね合わせて、修理対象となる目的の配管まで作業者を案内することができます。
- 目視できる配管に加え、壁や地中の配管の中から、修理対象の配管を的確に見つけることができます。
- 仮想空間上で、配管を流れる物質や方向を表示し、修理前に配管を閉じた場合の周囲への影響をシミュレーションすることができます。
- 実際に配管を閉じた場合、仮想空間のデジタルツインでリアルタイムに配管の流れが止まったことを確認できるため、安全確認の手間を省くことができます。
- 作業者が作業状況を入力することで、管理者や作業者同士で遠隔からリアルタイムに作業状況を把握することが可能です。管理者は作業状況に応じた迅速な指示出しが可能となります。
- 万一の障害発生時には、仮想空間上でトラブル発生箇所をタイムリーに表示でき、管理者や付近の作業者に警告アラートを通知することで、他の作業者に危険が及ぶことを抑止することができます。
大学では広告や広報について学んでいます。
サッカーは見るのもやるのも好きです。
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