最終更新日:
ChatGPTが登場してから2年が経ちました。今や生成AIはビジネスにとって欠かせない存在となりつつあります。
そんな生成AIには、TVCMの作成やプログラミングコードの生成といったさまざまな活用方法が存在します。そして、チャットボットもその活用方法の1つとして注目を集めています。学習した大規模データを元に自然な回答を行う生成AIは、チャットボットとの相性が非常に良いといえるためです。
そこでこの記事では、その生成AIを活用したチャットボットツール14個を機能や回答精度、導入のしやすさといった項目ごとに得点付けし、徹底比較していきます。現在、生成AIを活用したチャットボットの導入に迷っている方や、個人のワークフローに生成AIチャットボットを導入したい方におすすめの記事となっています。
また、すぐに利用可能な無料のツールも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
生成AIチャットボットとは
まず、ツールの比較をする前に生成AIチャットボットとは何かについて説明します。
前提として、チャットボットは「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、自動会話プログラムのことを指します。
そして、生成AIチャットボットとは、そのチャットボットにおいて生成AIを活用したものを指します。
ここからは、その生成AIチャットボットの仕組みや従来のAIチャットボットとの違いなどについてより詳しく解説していきます。
▼チャットボットについて詳しく知りたい方はこちら
生成AIチャットボットの仕組み
生成AIチャットボットとはいっても、チャットボット全体を生成AIが動かしているわけではありません。
生成AIはユーザーの質問に対して自然な回答ができるという強みがあるため、主に質問の受け答えの側面で使用されます。
それ以外の部分は、質問された部分の情報の検索システムなどが作動することによって、チャットボットとして成立しています。
従来のAIチャットボットや非AIチャットボットとの違い
それでは、従来のAIチャットボットや非AIチャットボットとの違いは具体的にどの部分にあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
-
AIチャットボットとの違い
一般的なAIチャットボットは、ユーザーが入力した内容を学習したデータに照らし合わせて適切に答えてくれるという仕組みです。学習データとして、あらかじめFAQなどを登録しておく必要があります。
一方、一般的な生成AIチャットボットはあらかじめFAQではなく、資料を登録しておけば回答を自然な形で回答してくれるというメリットがあります。中には、日本語の資料を登録するだけで、多言語の質問に応答できる生成AIチャットボットも存在します。
また、AIチャットボットは事前に決められた内容しか答えられないのに対し、生成AIチャットボットは事前に学習した膨大なデータから柔軟に回答できるため、突飛な質問にも対応できるというメリットもあります。
-
非AIチャットボットとの違い
一般的な非AIチャットボットは、チャットボットがユーザーに選択肢を提示し、その選択に応じた回答をするという仕組みです。これは、「〇〇には××と回答する」というシナリオを設定する必要があるため、非AIチャットボットはシナリオ型とも呼ばれます。
一方、一般的な生成AIチャットボットはシナリオを設定せずとも、資料などのデータをあらかじめ設定しておけば、そのデータに沿った回答を行なってくれます。そのため、シナリオを設定する手間が省けるというメリットがあります。
また、非AIチャットボットの場合、多くの質問パターンに回答するためにはその分のシナリオを設定する必要があります。一方、生成AIチャットボットはその工程が不要なため、時間や手間をかけずに幅広い質問に対応できるというメリットもあります。
パッケージ化タイプとユーザー構築タイプの違い
そして、生成AIチャットボットには「法人向けにパッケージ化されたタイプ」と「法人・個人のユーザーが自ら構築するタイプ」が存在します。
前者は、すでにサービス事業者が生成AIを活用したチャットボットを作成しているタイプで、利用者は1からチャットボットを構築する必要がないという特徴があります。
また、導入前後のサポートが充実している傾向があるため、チャットボットの開発・導入経験があまりないという利用者におすすめです。
一方、後者は法人・個人が生成AIを活用したチャットボットを自分たちで作成するタイプで、ユーザーがチャットボットを構築する必要があります。したがって、組織において利用する規模の生成AIチャットボットを作成する際は、開発の知識や技術が必要となります。その分、外注コストの軽減や構築ノウハウの蓄積といった内製化ならではのメリットも生まれます。
ただし、ツールによってはテンプレートが用意されているため、ほぼ手間いらずでチャットボットを構築できる場合もあります。さらに、ユーザー構築タイプの生成AIチャットボットは無料で利用できるツールもあるため、個人のワークフロー目的で手軽に利用できる点もメリットといえます。
主な用途・活用シーンと導入のメリット
生成AIチャットボットの主な用途・活用シーンは次の4つです。
①顧客問い合わせ対応向け
②社内対応向け
③マーケティング向け
④個人のワークフロー向け
それぞれの場面で導入するメリットもあわせて解説していきます。
①顧客問い合わせ対応向け
1つ目に挙げられる用途が「顧客問い合わせ対応向け」です。
例えば、製品に関するWebサイトの問い合わせページやLINEのお問い合わせアカウントに生成AIチャットボットを活用するというケースです。
こういった利用方法によって、対応可能件数の増加や対応負担の軽減、そしてそれによる有人対応の品質向上などのメリットが生まれます。さらに、多言語に対応できる生成AIチャットボットも存在するため、インバウンド向けサイトなどでもメリットが享受できます。
また、なかには有人対話のログから自動でFAQを作成する生成AIチャットボットも存在するため、従来のチャットボットと比べても負担が軽くなるといえるでしょう。
②社内対応向け
2つ目に挙げられるのが「社内対応向け」です。
例えば、社内の規則やシステムについて問い合わせる従業員向けヘルプデスクにチャットボットを設置し、疑問の解決に繋げるというケースです。
こういった利用方法によって、顧客への問い合わせ対応と同様、対応可能件数の増加や対応負担の軽減、そしてそれによる有人対応の品質向上などのメリットが生まれます。
ただ、生成AIには事実ではない回答をそれらしく答えてしまうハルシネーションというリスクが存在し、チャットボットが誤った回答をすると業務のオペレーションや事務作業に支障をきたす恐れがあります。そこで、そのリスクを軽減する対策として「読み込ませたPDFやExcelなどの文章を元に回答を行うRAGという機能」を備えた生成AIチャットボットが登場しました。
したがって、社内対応向けはもちろんのこと、先ほど紹介した顧客対応向けでもRAGの機能を備えていることが生成AIを活用したチャットボットには重要であるといえます。
③マーケティング向け
3つ目に挙げられるのが「マーケティング向け」です。
例えば、Webサイトなどにチャットページへの遷移を促すポップアップバナーを設置し、チャットボットとやり取りしながら申し込みや購入に繋げるというケースです。
こういった利用方法によって、顧客接点の増加や人的コストの削減、サイトの離脱防止(CV改善)に繋げられるというメリットが生まれます。
また、なかにはチャットデータを分析し、レポーティングする生成AIチャットボットも存在するため、自社のマーケティング戦略における顧客調査にも活用できるでしょう。
④個人のワークフロー向け
4つ目は個人のワークフロー向けです。
例えば、議事録などから情報を抽出したい場合、RAGが実装してあるチャットボットテンプレートにその議事録を読み込ませ、チャット形式で議事録の情報を聞いていくというケースです。
こういった利用方法によって、本来であれば長い時間がかかる作業を効率化できるというメリットが生まれます。さらに、読み込ませた文章の翻訳や感情分析なども効率化できます。
また、個人のワークフロー向けの生成AIチャットボットは、主に先ほど紹介した自身で構築するタイプのチャットボットであるため、ユーザー自身の目的に沿ったチャットボットを構築できるというのも大きなメリットです。
各ツールの検証方法
ここからは、各ツールの評価を行なっていくにあたり、評価項目や評価基準、順位付けのルールについて触れていきます。
評価項目と基準
評価を行なっていくにあたり、生成AIチャットボットの選び方のポイントとして重要な次の3つの項目を挙げました。
主に公式サイトに以下の記述がある場合、評価点が上がっていくという仕組みです。
評価項目 | 評価基準 |
①機能 | 機能数はもちろん、RAGやFAQ自動生成機能などの重要な備わっているか |
②回答精度 | 精度の高い生成AIを活用しているか、回答精度の向上機能があるか |
③導入のしやすさ | 導入前のサポートやトレーニングが手厚いか、導入後の運用サポートが手厚いか、セキュリティ対策の機能があるか、ユーザーが構築する場合は構築が容易か |
順位付けのルール
ここからは順位付けのルールを説明します。
まず、ランキング作成にあたり、先ほど紹介したパッケージ化タイプとユーザー構築タイプの生成AIチャットボットを同じ基準でランキング付けしています。
点数の出し方としては、①機能、②回答精度、③導入のしやすさの3項目をそれぞれ10点満点で評価し、その合計得点を総合評価とします。
また、今回のランキングは法人において生成AIチャットボットを導入するケースを想定して作成しています。ただ、ユーザー自ら構築するタイプは個人で利用できるツールもあるため、気になる方はツールごとの詳細解説もご覧ください。
【全14ツール】おすすめ生成AIチャットボットランキング
それでは全14ツールのランキングを紹介します。それぞれのツールの総合評価はもちろん、用途や費用も掲載しています。なお、それぞれのツールの詳細は次の章で解説します。
ちなみに用途の項目は、顧客=顧客問い合わせ対応向け、社内=社内対応向け、マーケ=マーケティング向け、個人=個人ワークフロー向けとなっています。
順位 | ツール名 | 機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ | 総合評価 | 用途 | タイプ | 費用 |
1位 | KARAKURI chatbot | 10/10 | 10/10 | 10/10 | 30/30 | 顧客 | パッケージ | |
2位 | SELFBOT | 10/10 | 10/10 | 9.5/10 | 29.5/30 | 顧客、社内 | パッケージ | |
3位 | OfficeBot | 9/10 | 10/10 | 10/10 | 29/30 | 社内 | パッケージ | |
3位 | PKSHA AI ヘルプデスク | 10/10 | 9/10 | 10/10 | 29/30 | 社内 | パッケージ | |
5位 | BOTCHAN AI | 9/10 | 9.5/10 | 10/10 | 28.5/30 | 顧客、社内、マーケ | パッケージ | |
6位 | Dify | 10/10 | 8/10 | 10/10 | 28/30 | 顧客、社内、個人 | ユーザー構築 | |
7位 | ChatPlus | 10/10 | 9/10 | 8.5/10 | 27.5/30 | 顧客、社内、マーケ | パッケージ | |
8位 | Dialog Play | 10/10 | 9/10 | 8/10 | 27/30 | 顧客、社内 | パッケージ | |
9位 | AIチャットボットさくらさん | 9/10 | 8/10 | 9.5/10 | 26.5/30 | 顧客、社内 | パッケージ | |
10位 | GPTs | 9/10 | 8/10 | 8.5/10 | 25.5/30 | 顧客、社内、個人 | ユーザー構築 | |
11位 | Copilot Studio | 9/10 | 6/10 | 9/10 | 24/30 | 顧客、社内 | ユーザー構築 | |
12位 | EventechBot | 9/10 | 8/10 | 6.5/10 | 23.5/30 | 顧客 | パッケージ | |
13位 | Coze | 10/10 | 10/10 | 3/10 | 23/30 | 顧客、社内、個人 | ユーザー構築 | |
14位 | 社内GPT | 5/10 | 6/10 | 7.5/10 | 18.5/30 | 社内 | パッケージ |
各ツールの詳細解説
ここからはパッケージ版のランキングで紹介した各ツールの詳細解説を行なっていきます。
1位 KARAKURI chatbot
KARAKURI chatbotは、カスタマーサポート向けの生成AIチャットボットです。機能は「チャットボットから人へスムーズに繋げる」や「OpenAI社のGPTを活用し、AIの教師データを自動生成」など、大きく10の機能が備わっています。そして、RAGの機能も備わっているため、ハルシネーションリスクを対策できる点が強みといえます。
回答精度は精度を上げるために重要なトレーニングの仕組みの特許を取得しています。さらに高い精度に到達するまで伴走する仕組みとなっているため、導入して終わりでは無いのが特徴です。
導入のしやすさも非常に高評価です。顧客の目的・課題に合わせてチャットボットの構築やトレーニングを行ってくれるためです。また、導入後の運用サポートも手厚いといえます。具体的には、導入時に設定したKPI達成に向けて、専任の担当者が定期的にレポーティング・改善提案を行うといったサポートが受けられます。
費用は公式サイトに公開されていないため、気になる方はKARAKURIの公式サイトから導入のお問い合わせをしてみてください。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
10/10 | 10/10 | 10/10 |
2位 SELFBOT
SELFBOTは、顧客問い合わせ・社内対応両方に活用できるRAGを備えた高精度な生成AIチャットボットです。機能は「RAGを用いて読み込ませた資料を元に回答する機能」や「管理者の『こう答えてほしい』を叶える回答コントロール機能」、「社内データを学習したAIを、SlackやTeamsのメンバーとして追加可能な機能」などが備わっています。
精度はGPT-4oを標準搭載しており、ベクトルとワードのハイブリッド検索による高精度のRAGにより、あらゆるドキュメントやサイトの情報に基づいた回答生成が可能です。難しい設定を行わなくても即座にハルシネーションを抑えた正確な情報提供が可能となっています。
導入のしやすさも非常に高評価です。独自のインデックス化とチューニング技術により高い精度のチャットボットを構築してくれる上、電話番号/メールアドレス/クレジットカード番号が入力された場合は質問を送信できないように制御でき、セキュリティ面も安心です。導入後のサポートも専任スタッフがサポートする仕組みであるため、手厚いといえるでしょう。
費用は公式サイトに公開されていないため、気になる方はSELFBOTの公式サイトから導入のお問い合わせをしてみてください。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
10/10 | 10/10 | 9.5/10 |
3位 OfficeBot
OfficeBotは、社内外の問合せ削減や情報共有の効率化を実現する生成AIチャットボットです。機能は「様々なレイアウトのOfficeドキュメントからPDFまであらゆる社内資料をそのまま活用できる高性能なRAG」が備わっています。
回答精度は、画像やレイアウト認識、AI OCRなどの仕組みを用いたデータの前処理により、高精度な資料の読み取りが可能となっています。そして、最新のGPT-4oや、Azure AI Searchとベクトル検索、セマンティック検索といった手法を採用しているため、網羅的な検索と正確な応答が可能なことも高評価です。また、生成された回答のプロセスの可視化ができるため、より信頼性を高めて利用できます。
導入のしやすさも非常に高評価です。導入から全社公開に至るまで、カスタマーサクセスチームのサポートがついているためです。具体的には、現状の課題をもとに目標を設定し、OfficeBotの機能・運用方法など目標の達成に必要なノウハウの提供を行なっています。また、運用サポートとしてテクニカルサポート窓口への質問やトラブルへの対応が可能な体制が整っています。
費用は、組織の規模や利用人数にかかわらず固定制の料金プランとなっており、キャンペーンを利用することで初期費用10万円・月額 5万円~利用できます。詳細な費用は公式サイトからお問い合わせください。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
9/10 | 10/10 | 10/10 |
3位 PKSHA AI ヘルプデスク
PKSHA AI ヘルプデスクは社内問い合わせの効率化に特化した生成AIチャットボットです。機能は、社内ドキュメント検索(RAG)による自動回答の機能を備えています。また、「FAQによる自動回答」「社内ドキュメント検索による自動回答」「有人応答への連携」「対話ログからのFAQ自動生成」まで、問合せ対応業務を一気通貫で管理可能です。
回答精度は有人応答ログからAIがFAQを生成し、自動応答割合を向上するサイクルのため、チャットボットを利用すればするほど自動応答の精度が高まっていくというものです。
導入のしやすさは非常に高評価です。チャットボットの構築はもちろん、「利用開始時の定期的な導入サポート」もあるため、導入の経験がなくとも導入可能といえます。導入後のサポートの非常に手厚く、「問合せデータの分析と改善施策の提案」といったサポートがあり、導入後も継続した機能改善が見込めます。
費用は公式サイトに公開されていないため、気になる方はPKSHAの公式サイトから導入のお問い合わせをしてみてください。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
10/10 | 9/10 | 10/10 |
5位 BOTCHAN AI
BOTCHAN AIは、生成AI搭載でオンライン接客の自動化を実現するツールです。機能は「問い合わせ型のチャットボットと違い、生成AI搭載のチャットボットがオンライン接客を自動化してくれる」というものです。お客様の声を学習し、自動で話題ごとにレポーティングする機能も搭載されています。
回答精度は、ハルシネーション検出機能があるほか、ナレッジデータにない発言はしないようにコントロールできるため、誤った回答が少ないというメリットがあります。
導入のしやすさは非常に評価が高いです。事業者が生成AIと企業データを掛け合わせたチャットボットを開発することに加え、デモBOTを発行し、7つのリスクカテゴリーを元に回答品質を確認するため、品質が担保されているためです。また、運用のサポートとしては専任のカスタマーサクセスが 2名つき、蓄積されたコミュニケーションデータを継続的に分析・改善施策立案 /実行へ伴走するため、非常に手厚いといえるでしょう。
費用は要お問い合わせなため、公式サイトから導入のお問い合わせをしてみてください。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
9/10 | 9.5/10 | 10/10 |
6位 Dify
Difyは業務プロセスのAIに向けたAIアプリケーション開発ツールです。機能は、ユーザー自身がプログラミングなしの直感的な操作で生成AIチャットボットを作成可能な機能が備わっています。また、生成AIチャットボットにRAGを入れ込むことも可能なため、幅広い用途に用いられるのもメリットです。
回答精度は、入れ込む生成AIをGPT-4oやGPT-4o miniなど自由に選択できるため、高い精度が期待できます。ただ、ユーザーが構築するタイプの生成AIチャットボットの回答精度は、ユーザー側の構築方法などにも依存するため、精度を意識した構築がより重要となります。他の比較対象にも同様のことがいえます。
導入のしやすさは、非常に評価が高いです。操作が直感的でわかりやすいため、法人における導入はもちろん、個人で手軽にワークフローを効率化したい人にもおすすめです。
費用はプランが4つあり、それぞれ異なります。1つ目はサンドボックスプランで無料となります。2つ目はプロフェッショナルプランで月額59ドル (年額590ドル)です。3つ目はチームプランで月額159ドル (年額1,590ドル)、4つ目はエンタープライズプランで費用は要お問い合わせとなります。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
10/10 | 8/10 | 10/10 |
7位 ChatPlus
機能は生成AIを搭載した「AIプラン」だと「Q&A生成機能」や「多言語対応機能」など約5,000種類の機能が搭載されています。そして、RAGも備わっているため、高評価です。
回答精度は「ChatPlus独自AIが『幻覚 (ハルシネーション)』を制御しており、ChatPlus測定値で正答率が98%」と非常に高いといえます。
導入のしやすさは評価が高いです。専用サポートチームが支援する上に、非常に幅広い業界に対応可能であるためです。導入後のサポートは、導入から運用まで専任サポートチームが支援するため、基本的に手厚いです。ただ、シナリオ作成からカスタマイズまで、チャットボットのプロにお任せする「エキスパートサポートプラン」はオプションのため、全て任せるのであればこのプランに別途入る必要があります。
費用は複数のプランがありますが、生成AIを搭載した「AIプラン」は月契約170,000円/月、年契約150,000円/月(別途AIエンジンの利用料)となっています。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
10/10 | 9/10 | 8.5/10 |
8位 Dialog Play
Dialog Playは業務チャットボットを作成できるプラットフォームです。機能は「RAGが実装されたチャットボットをコード不要で作成できる機能」が備わっており、社内の勤怠システムや基幹システムとも連携可能なチャットボットを作れるのが特徴です。
回答精度は「問合せ内容からより近い答えを返し、またその結果から回答精度をスコア化しメンテナンスの効率性を高める機能」が備わっているため、効率的に精度が高められます。
導入のしやすさは評価が高いです。利用者自身でチャットボットを作成するタイプではありますが、プログラミング不要で目的に合わせたカスタマイズも随時できるためです。導入後のサポートは事業者への問い合わせが可能など、不明点の解消に繋げられる仕組みになっています。
費用は、月間のメッセージ無料送信件数が10万件のADVANCEプランの場合、月額15万円(税別)となっています。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
10/10 | 9/10 | 8/10 |
9位 AIチャットボットさくらさん
AIチャットボットさくらさんは企業の方はもちろん、自治体の方にもおすすめの生成AIチャットボットです。機能は通常のチャットボット機能に加え、「生成AIを活用したFAQの自動作成機能」が備わっています。また、シナリオ作成などをせずPDFをアップロードするだけでFAQが作成できるのが強みです。
回答精度は応答の自由度を調整可能な機能が備わっており、学習した情報のみで正確に答えるといったモードも選択できるため、誤った情報を出力しないようにする方法が選べます。
導入のしやすさも高評価です。提供元がAIさくらさんを構築してくれる上、UIも直感的でITが苦手な社員も操作が容易なためです。また、導入後のサポートは専属のスタッフがついたり、利用促進の施策実施までサポートしてくれるため、非常に手厚いといえます。
これらを踏まえ、AIさくらさんは各項目バランスの取れた生成AIチャットボットといえますが、自治体向けにもサービスを展開する数少ない事業者であるため、自治体で導入を検討している人にもおすすめです。
費用はAIチャットボットさくらさんのサイトから料金表ダウンロードできるため、気になる方はチェックしてみてください。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
9/10 | 8/10 | 9.5/10 |
10位 GPTs
GPTsとは「目的・用途に合わせたChatGPTを構築できるサービス」です。機能は、ノーコード(プロンプトだけ)で自社のオリジナルのチャットボットを作成できるというものです。また、他者が作成したGPTsも利用可能であるため、自作しなくとも高性能なチャットボットが利用できます。そして、GPTsには「GPTs Actions」という機能があり、外部サービスともAPI連携できるため、RAGを用いたチャットボット作成も可能です。
回答精度は、GPT-4oやGPT-4を選択できるため、高い精度が期待できます。
導入のしやすさは高評価です。ノーコードで生成AIチャットボットを作成できたり、他者の公開するチャットボットを利用できるため、導入の敷居が低いといえるでしょう。
費用は、ChatGPTの有料会員である「ChatGPT Plus」であれば誰でもチャットボットが作成可能であるため、月額20ドルとなっています。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
9/10 | 8/10 | 8.5/10 |
11位 Copilot Studio
Copilot Studioは、「自社の目的・用途に合わせた生成AIチャットボットを開発できるサービス」です。機能は、Power Platform 上で動くノーコード・ローコードで生成AIチャットボットを作成できるというものです。業務アプリやデータベースと連携し、RAGを活用した生成AIチャットボットの作成も可能です。
回答精度は、2024年6月時点でGPT-3.5 Turboが採用されているため、一定の精度が期待できます。将来的にバージョンアップされる可能性もあるとされています。
導入のしやすさは評価が高いです。ノーコード・ローコードでチャットボットが構築できることに加え、ユーザーのデータがLLMの学習に用いられることはないため、企業導入のハードルも低いといえるためです。
費用は、月額200ドルとなっており、法人向けの料金設定となっています。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
9/10 | 6/10 | 9/10 |
12位 EventechBot
EventechBotは、多言語への問い合わせ対応に強みを持つ生成AIチャットボットです。機能は「従来のチャットボット機能に加え、単一のソース(日本語)だけでも多言語でのチャット対応が可能な機能」が備わっているのが特徴といえます。
回答精度はGPT-4を使用しているため、比較的高精度です。さらに任意のデータを学習させられるため、ソースに基づいた回答が可能です。
導入のしやすさは、提供元がおよそ2ヶ月で運用開始できる目安を提示しているため、おおむね評価が高いといえるでしょう。導入後のサポートは、オプションで専門スタッフがSlackにて常時サポートする体制をとることも可能で、必要に応じて手厚くできます。
費用は「スタンダードプラン:初期費用100万円、年間費用120万円」「eventosプラン:初期費用60万円、年間費用120万円」「カスタマイズプラン:お見積もり」となっています。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
9/10 | 8/10 | 6.5/10 |
13位 Coze
Cozeは、AIチャットボット作成に特化したツールです。機能はDifyと同様、ユーザー自身がプログラミングなしの直感的な操作で生成AIチャットボットを作成可能な機能が備わっています。RAGを入れ込む機能も備わっているため、Difyと近いツールといえます。
回答精度は入れ込む生成AIをGPT-4oやGemini 1.5 Proなど自由に選択できるため、高い精度が期待できます。また、Cozeには長期記憶機能が備わっており、ユーザーとの過去のやり取りを踏まえたチャットが行えるため、より回答の満足度も高めることができます。
導入のしやすさは直感的に生成AIチャットボットが構築できるため、個人のワークフロー効率化目的では非常に高評価です。ただ、法人向けの導入はセキュリティ面などに課題があるため、難しいといえるでしょう。
費用はフリープランが無料、プレミアムライトプランが9ドル、プレミアムプランが19ドル、プレミアムプラスプランが39ドルとなっています。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
10/10 | 10/10 | 3/10 |
14位 社内GPT
社内GPTは、社内用のChatGPTを導入してくれるサービスです。機能は「Slack上でChatGPTのボットが回答を行ってくれる」というものです。社内対応向けではありますが、RAG機能がないため、あくまでChatGPTとして使う場合におすすめです。
回答精度は「2023年4月現在、『gpt-3.5-turbo』のモデルを採用している」と明記されています。ただ、gpt-4やAzure OpenAI Serviceにも対応可能とのことです。
導入のしやすさは評価が高いです。AWSサーバーの構築やSlackのボット設定を代行してくれるため、導入のハードルが非常に低いといえます。導入後の運用サポートは、オプションで運用まで行ってもらうことも可能です。
費用は初期費用20万円+1000トークンあたり0.002ドルなので、他の生成AIチャットボットと比べても安価なのが特徴です。
機能 | 回答精度 | 導入のしやすさ |
5/10 | 6/10 | 7.5/10 |
活用シーン別おすすめ生成AIチャットボット
ここからは活用シーン別のおすすめ生成AIチャットボットをご紹介します。
顧客問い合わせ対応向け
顧客問い合わせ対応向けのおすすめ生成AIチャットボットは、「KARAKURI chatbot」です。
先ほどご紹介した通り、ツール自体の性能の高さはもちろん、各種CRMツールとのデータ連携などカスタマーサポート領域に特化した生成AIチャットボットといえるため、カスタマーサポート向けチャットボットを探している人にピッタリのツールといえるでしょう。
社内対応向け
社内対応向けのおすすめ生成AIチャットボットは、「SELFBOT」です。
先ほどご紹介した通り、社内対応向けの生成AIチャットボットにはRAGの機能が欠かせません。それを踏まえた上で、SELFBOTはより高性能なRAG機能を備えています。そのため、社内における生成AI活用がなかなか進まない大きな要因である「回答精度が低い」という課題を克服できるツールであるといえるでしょう。
マーケティング向け
マーケティング向けのおすすめ生成AIチャットボットは、「BOTCHAN AI」です。
BOTCHAN AIは、一般的な問い合わせ対応の生成AIチャットボットとは違い、オンライン接客の自動化を行なってくれるツールです。したがって、サービスの売り上げや継続率、CVR向上といったマーケティングに特化したチャットボットをお探しの方にピッタリのツールといえるでしょう。また、マーケティング目的はもちろん、顧客問い合わせ対応や社内対応にも対応しているのも特徴です。
個人のワークフロー向け
個人のワークフロー向けのおすすめ生成AIチャットボットは、「Dify」です。
Difyは、直感的なUIや高性能な生成AI、RAGといった機能を備えており、誰でも簡単にワークフローに取り入れられる手軽さが魅力です。さらに、無料で使用できるプランもあるため、生成AIチャットボットを試してみたいユーザーにピッタリのツールといえます。
まとめ
今回は「生成AIチャットボットとは何かについて」や「主な用途と導入メリット」、そして「おすすめ生成AIチャットボットランキング」などを紹介しました。
ランキングを踏まえつつも、実際に生成AIチャットボットを導入する際には、個々のツールの強みや弱みが目的に合っているかを見極めることが最も重要です。
また、今回紹介した生成AIチャットボットランキングには入りませんでしたが、生成AIチャットボットを内製開発したい場合などは、OpenAI APIやGemini API、Claude APIといったLLMのAPIを活用することで、大規模な利用も可能なチャットボットが作成できます。そうした内製開発の生成AIチャットボットは自由度が高いため、目的や組織にフィットしたチャットボットを開発したい場合におすすめです。
そして、今後の生成AIチャットボットには、アシスタントとしてあらゆる業務や消費者行動をサポートすることが期待されます。今後、LLMやRAGの精度がさらに高まるにつれ、生成AIチャットボットの回答精度も高まり適用範囲が広まると考えられるため、ビジネスパーソンはもちろん、消費者にとっても目が離せません。