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こんにちは、AINOW編集長の亀田です。
本日は、日本では唯一ディープラーニングの省電力化で注目を浴びているLeapMind社へ遊びに行ってきました。
LeapMindはGPUを含む高い処理能力や大容量メモリーを前提としたこれまでの深層学習と違い、小さなチップ内で精度を落とさずに必要となる計算リソースを減らすことに取り組むスタートアップです。
この技術は本当に注目ですよ!
最近は下記のようなイベント等でも登壇実績多数、大変注目されておりますね。
経済誌『Forbes Japan』 2017年1月号の「世界が注目!期待のスタートアップ日本の50社」
http://forbesjapan.com/magazines/detail/59The Deep Learning Market Map: 60+ Startups Working Across E-Commerce, Cybersecurity, Sales, And More
https://www.cbinsights.com/blog/deep-learning-ai-startups-market-map-company-list/AIでビジネスのカンブリア大爆発を起こすLeapMindの野望
http://www.newsweekjapan.jp/yukawa/2016/11/aileapmind_1.php低消費電力の深層学習で新分野開拓、日本のLeapMindがシリーズAで3.4億円の資金調達
http://jp.techcrunch.com/2016/08/24/leapmind-raises-340m-yen/
目次
LeapMind、ディープラーニングチップ向け開発環境「Blackstar SDK」を8月から提供開始
そして、先週4月20日には、エッジコンピューティング向けディープラーニング開発環境「Blackstar(ブラックスター)SDK」の提供開始日が告知されました。今回は「Blackstar(ブラックスター)SDK」の開発背景と今後の展開をインタビューしておりますので、お楽しみください!
ディープラーニングを身近で使えるレベルに落とし込む為のチップ開発
亀田
松田さん
ディープラーニングの省電力化とは、どんな工夫をしているのか?
亀田
松田さん
松田さん
現状のGPUなどはパワフルではあるが、消費電力やコストが高く、身近で使えるというレベルに落とし込むことは難しい。そこで弊社ではFPGAに目をつけました。固定小数点演算が扱えて、GPUやCPUに比べて消費電力を抑えられることがその理由です。これによって、GPUより省電力で高速な処理が可能になると考えています。現在はFPGAをアクセラレータとし、CPUと連携させることで、複雑なディープラーニングの行列計算を効率よく計算させることに成功しています。
松田さん
具体的な手法を1つ挙げると、float 32bitで表現されるものを、二値化し0と1だけで表現できるようにしたり、ということを行っています。XNOR-Netとか有名です。
図:Blackstar(チップ)環境
亀田
松田さん
専用のチップで実現する未来の生活はどうなる?
亀田
松田さん
「Blackstar」が生活に溶け込んでくると、今までは不可能だったこんなことも可能になりそう。
例えば、冷蔵庫に「Blackstar」搭載した場合、冷蔵庫の中身を画像認識することで、残りの食材で作れる料理のレシピを提案してくれたり、常備しておきたい食材や調味料がなくなった時にAIが購入してくれるといったことも可能になりそうですね。
生活シーンの中でも重要な、テレビに搭載されると顔認識や感情認識、家族構成も把握できるようになり、番組の提案だけでなく、様々なマーケティングにデータが活用になりそう。
誰もがディープラーニングを使えるプラットフォームの登場
亀田
松田さん
「JUIZ APP STORE」とは?
身の回りのあらゆるデバイスを一元管理するためのプラットフォーム。 IoT時代に突入し、あふれるアプリケーション、複雑につながりあうデバイスの数々を、一つのプラットフォーム上で管理することができる。ディープラーニング専用チップの「Blackstar」を用いることでJUIZに登録されたデバイスにディープラーニングを行わせることができる。
自社でオーダーメイド開発を進める一方、JUIZプラットフォームの企業利用による2つでマネタイズを展開していくとのこと。専門領域で活躍する企業を巻き込み、ディープラーニングの実生活利用の促進を図っていきたいそう。
LeapMindは異文化交流が盛んなこんなオフィス
最後にオフィス見学をさせていただきましたよ。
社内には外国人リサーチャーの方が多く働いており、技術力の高さを実感しました。
そして、足元には組み立て中のディープラーニング専用のGPUサーバーも。
最新技術に関する勉強会も実施されていました。
こんなに魅力的なLeapMindでは、各職種で人材募集中とのこと。
気になる職種があったら、こちらからお問い合わせください。
まとめ
「Blackstar(ブラックスター)SDK」のリリースが待ち遠しいLeapMind社ですが、お話を伺っていると、益々ディープラーニングが身近になる実感が湧いてきました。まだ、特定の分野でしか活用されていないディープラーニングですが、チップのリリースに伴い、身近な家電でもディープラーニングが利用できると世界が変わる期待でワクワクしてきます。引き続き、新しい情報がリリースされたら記事にしていきますので、今後の動向に注目ください!