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2018.02.01

第20回 Machine Learning 15minutes! NVIDIAの最新情報や自作の顔認識システム、モデルのデプロイ手法など

最終更新日:

2018.01.30  Reported by おざけん@ozaken_AI

おざけんです。

機械学習イベント:Machine Learning 15minute! (以下ML)が2018年最初の開催となりました。

今回も「やってみた事例」から「GPUの紹介」「AIとビジネスの話」など幅広いテーマが登場しました。

「Machine Learning 15minutes!」は、「機械学習」について「15分以内」で語るLTを6~9人程度で行い、DeepLearningや強化学習などの先端技術技術のビジネスへの応用例などを学び、様々な角度から機械学習についての知見を広げるイベントです。イベント終了後には懇親会が開催され、最前線の機械学習スペシャリストたちと人脈作りをすることができます。

Facebookのグループで情報発信も行っています。ぜひご参加ください。

最新のVoltaアーキテクチャとNVIDIA GPU Cloud

佐々木 邦暢(NVIDIA Japan)

NVIDIAの佐々木さんからは最新のNVIDIA VOLTA アーキテクチャとそれに対応したフレームワーク、そしてディープラーニングやHPCのコンテナを提供するNVIDIA GPU Cloudをご紹介いただきました。

VOLTAは全世代のNVIDIA Pascalのアーキテクチャの5倍以上の速度が出るそうです。TensorFLowやPyTorch、Chainerなどの各フレームワークにも対応しています。

またNVIDIA GPU CLOUD(NGC)は誰でもどこでもディープラーニングが実装できるようにしたクラウドプラットフォームです。毎月コンテナのアップデートが実施されたり、さまざまなディープラーニングの枠組みに最適化され、環境構築時間も大きく削減できるそうです。

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CrowdWorksにおける機械学習活用の取り組み

弓山 彬(CrowdWorks Inc.)

クラウドソーシングプラットフォームを提供するクラウドワークスは、依頼件数が増えることで、スパム投稿が増えたそうです。
スパム投稿が増えることで、目的の仕事を見つけづらくなったり、サービスとしての品質が低下する恐れがあります。

具体的にはサービスの意図に反するような投稿や、外部サービスの規約に反する投稿がスパム投稿に当たります。
クラウドワークスが、メディア媒体として価値が上がって行く中でスパムに狙われやすくなる、それにどうやって対抗するかが課題だったそうです。

従来は、違反報告や禁止ワードのチェックなどを行なっていたそうですが、辞書によるキーワード抽出などではなかなか難しく、すり抜ける技を使ってくるユーザも出てきます。そこで機械学習を使っていくのが有効ではないかと考え始めたのが機械学習活用のきっかけだったそうです。

機械学習を導入するにあたって。これまでユーザからのフィードバック情報を蓄積していたことがとても役立ったそうです。
教師データがあることや人によって判断基準がぶれにくいこと、判定基準が明確であることがキーになったそうです。

しかし、そう簡単に開発は進まず、試行錯誤は続いたそうです。なかなか精度が出ず、全部OKか全部NGになってしまうこともあったとか。

そこで使ったのがベイジアンフィルタだそうです。
今となってはベイジアンフィルタを使うことで、適合率や再現率が改善。従来検知できなかった種類の違反案件も大部分を検知することができたそうです。

これからは、どのような課題を解決したいのかを、しっかりと定義することが重要です。

PyTorchとCaffe2とONNXと深層学習モデルのデプロイについて

染谷 悠一郎(クックパッド株式会社)

深層学習を利用するプロジェクトにおいて、モデルのデプロイ作業がボトルネックになることがあります。

染谷さんは、このようなボトルネックを解消するための共通基盤のアイデアを説明し、関連する技術としてのニューラルネットワークの中間表現であるONNXを紹介してくださいました。

今、代表的なデプロイの手法は

  • アプリケーションコードへの組み込み
  • Python package化
  • API化

などがあり、それぞれメリット、デメリットがあります。

できあった深層学習のモデルはこの中のPython package化かAPI化をすることによって持ち出して他のプログラムに適用することができるようになりますが、いずれも手間がかかり、PoC(実証実験)で苦労してしまう点です。

つまり、モデルのデプロイがボトルネックになっているようです。多くの深層学習のフレームワークが相互に互換性がない場合も多く、課題があります。

そこで染谷さんが紹介していたのはONNXです。ニューラルネットワークのオープンな中間表現定義だそうで、これを中間に置くことで異なるフレームワーク間でも相互に変換することができます。

モデルのデプロイには特性が異なる複数のフレームワークがあり、課題がありますが、染谷さんの紹介するONNXを試してみると課題解決が見えるかもしれません。

顔認識で出退勤する社内システム開発のなかで、得られたノウハウ

岡田 孟典(株式会社レッジ)

岡田さんはディープラーニングで顔を判別し、出勤/退勤を行う社内システムを社内で作った事例を紹介してくださいました。

ディープラーニングのモデルは作成時と現場での環境は絶対的に違うため、いかに現場にはやく出して現場にあった調整をするかが大事になってきます。

また、データ収集にもミスコミュニケーションが発生したため、指示の具体化などが必要だとおっしゃっていました。
そして、ユーザーは絶対に想定通りの操作をしないそうです。どのようにしたらユーザがスムーズにAIを使うことができるか、UXの設計をしっかりと考えていかなければなりません。

特に一般ユーザには「AIは賢い」という期待が強いです。確かにAIと聞くと「なんでもできそう」という期待感を持ってしまいがちです。
AIを開発するにあたっては、期待値調整の設計も必要になってきます。

全体をふりかえると、AIシステムの開発はいままで以上に複雑な構図になっています。「AI開発」「システム開発」「UX設計」の3者間の連携が今後大事になってくると最後に強調していました。

アンケートの回答データに機械学習(感情分析)を活用した事例紹介

三上 悟(株式会社 Emotion Tech)

三上さんからは感情分析の事例についてお話いただきました。
彼が働くEmotion Techさんは企業やサービスにおける顧客や従業員のロイヤリティの可視化を支援するサービスを運営しています。

その調査につかうアンケート内のフリーテキスト部分の膨大なデータをGoogle Cloud Platform(GCP)で機械学習を持ちいて処理したそうです。

従来は数千〜数万件の膨大なデータによって目視確認の限界などの課題がありました。

使ったのはGCPの中のCLOUD NATURAL LANGUAGE API。日本語に対応していることも使うことの決め手になったそうですが、商品に対する感情を把握したり顧客満足度を分析したりすることもでき、注目したそうです。

このツールを使うと、「ネガティブ」と「ポジティブ」の2つの分類だけでなくさまざまな感情分類をすることができるそうです。

詳しい結果などはスライドをご覧ください。

ビジネス側はどのように技術を選択するのか

佐藤 博(HERO Consulting Inc.)

佐藤さんは、ビジネスとしてAIの設計について発表されました。

多くのモノやサービスを購入するユーザはそのサービスを購入して真にやりたいことがあります。スキーをするにしても「恋人との出会いを探す」ための一つの解決策に過ぎないかもしれません。


だからこそ、先に市場、ユーザの真に求めていることを考え、そこに適切にテクノロジーを適用していくことが大事です。

そのために

  1. ユーザが本当にやりたいことは何か
  2. プロダクトは要求に応えているか
  3. どうすれば儲かるか

を考えなければなりません。

スライド内でビジネスモデルや具体的な事例が掲載されています。ぜひ参考にしてみてください。

1月の記事レポート

AINOW ディレクター 小澤健祐

私からは1月にリリースしたAINOWの記事を紹介させていただきました。

特にAmazonGoの記事を詳しく紹介。ぜひこちらの記事をご覧ください。

レジがない未来のコンビニ「Amazon Go」ついにオープン! 現地からレポート!

 

次回のMachine Lerarning 15minutesのお知らせ

第21回 Machine Learning 15minutes!
日時:2018/02/24(Sat) 14:00 〜 18:00
場所:ディップ株式会社(最寄り駅:六本木一丁目)

次回も豪華なゲストが登壇してくださる予定です。みなさんのご参加をお待ちしています。

2018.01.30  Reported by おざけん@ozaken_AI

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