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2018.10.10

AI利用で450億円の経費減のケースも!「ものづくり×AI」の実態に迫る!

最終更新日:

こんにちは!さとしです!!

この記事では「ものづくり分野」に注目します。今回は”ものづくり”の中でもとくに製造分野に着目していきます。製造分野は日本GDPの2割弱を占める基幹産業です。他の産業への波及効果も大きい領域になっています。世界に目を向けると主に米国やドイツが国をあげて政策を進めているのが印象的です。

具体的にはIndustrial 4.0やIndustrial Internet に代表されるAI・IoTによる生産性向上、在庫削減などの生産革新を進める動きが進んでいます。

ディープラーニングに代表される機械学習技術は特に「画像認識」技術が活用されています。今までの統計的手法ではうまく認識できなかった画像の認識技術が進化したため、不良品や故障の検知や、ロボットへの組込みなどさまざまな面で浸透が進んでいます。

ものづくり分野においても、画像認識技術が特に活用されています。この記事を参考にものづくり分野、特に製造業に関するAIの活用の参考にしていただければ幸いです。

(1)開発設計

開発段階ではAIをCAD(Computer Aided Design)やCAE(Computer Aided Engineering) に適用してより一層の設計コストの抑制、品質やスピードの向上に繋げようとしています。CADとはコンピュータによる設計図作成ツールのことです。

これまでは手作業でCADなどを利用して設計の試行錯誤をしていました。かつて人の手で設計図を作っていたものをコンピュータを利用しすることで比較的効率的に作成することが可能になっています。

そのCADにAIの技術を導入することでさらなる効率化が進んでいます。コンピューターに何通りもの設計案を試行錯誤させ、その結果を設計者が見て不十分なら再考させ、良ければ採用することができます。これを「コンピュテーショナルデザイン」といいます。AI技術の導入で人の思考の限界を超え、人が思いもつかないようなデザインを導き出す可能性が非常に高いそうです。

例えば、オートデスク社が販売および、無料体験版を配布している”Fusion 360”はデザインから製造まで全行程を行うことができる、オールインワンパッケージという形式で配布しています。コンピュテーショナルデザインを含めた開発設計の部分にとどまらず、包括的に製造現場全体を刷新していく可能性が垣間見れる一例です。

また、これまでは「コンピュテーショナルデザイン」によって導かれたデザインが物理的に生産不可能であるためAIベースのCADより導かれたベストデザインを断念することも多々あったのが、“3Dプリンター”や“産業用ロボット”の進歩によってより一層「実現が可能となっているようです。以下の引用は「3Dプリンター」と「コンピュテーショナルデザイン」によって従来のポールジョイントの形の概念を覆した新たなポールジョイントの写真です。

(2)生産過程

生産過程というのは設計図を元に実際に製造する場面のことです。

現在、設計や生産プロセスで集めた経験データに基づく生産の効率化、自動化が進んでおり、中には生産に関する機能をまるごとプラットフォームとして提供するサービスも増えています。

「生産過程」において”AI”は人間と真に協動するロボットの実用化のために利用されているようです。

これまでコンピュータは人間がインプットされた範囲でしか活動することができませんでした。しかし、アメリカ版Engadgetの記事によると、ロチェスター大学とMITでデモされているようにAIを導入することで人間から指示を受けられ、新奇の状況にも混乱することなく対処できるロボットを作ることができ、製造現場でロボットが混乱して人間と衝突する、といった事故が起きる可能性が限りなく減っていくといいます。

さらに昨今はAIをコンピュータに導入する手順が非常に簡易になっているため、高い技術力を持つエンジニアがいなくてもAIをものづくりの分野に導入することが可能になってきているそうです。

例として、アメリカの”Rethink Robotics社”はユーザ(導入側)がロボットに行わせたい作業を直接教えることで、専門的な知識なしに設定が可能なロボットを作成することが可能なプラットフォームを作成しています。

また最近話題の“MUJIN(ムジン)”もロボットの脳みそ部分にあたるOSとして”MUJIN”のコントローラーを使用。全ての動作を教えなくても例えば掴み方を指示するだけで、ランダムに積まれた荷物をさまざまなルートでピッキングするようになるのです。

あのヒュージャックマンがロボットに視覚を使って学習させていた「リアルスティール(米)」のようなことも実現可能となっているのです。すごい進歩ですよね。

(3)スマートファクトリー

今回取り上げている「AI×ものづくり」分野のなかで忘れてはいけないのが製造過程を大きく変え得る「スマート・ファクトリー」ではないでしょうか。多くの製造業の企業において、グローバル化に伴い、従来の生産方法では国際競争を勝ち抜くのが厳しくなっているのが現状です。

また現在、日本の製造業は”人手不足”に悩まされています。経済産業省が発行した2018年度の「ものづくり白書」では人材確保において、「ビジネスに影響が出るほど深刻なもの」と回答する企業が全体の32.1%(2017)にものぼり、前年の22.8%(2016)から大きく増加しました。ものづくりの基盤とも言える”人材”が不足している企業にとってロボットなどの導入はコスト高ですが導入する価値の高いものとみられているのです。

TOYOTAが「トヨタ生産方式」によって成功している「マスカスタマイゼーション」はドイツが進めている「インダストリー4.0」にも含まれる“製造業における理想の一つ”ですが、「トヨタ生産方式」はただ製造過程を改善したものではなく、営業や物流といったその他の要因も複雑に絡み合っており、真似をすることは難しい生産方法です。

そこで「スマート・ファクトリー」の形成が今注目を浴びているのです。

消費者のニーズを反映して、製造現場である工場が自立して稼働することができれば先述の問題の解決にも繋がる可能性があります。その実現にはAIが欠かせません。スマートファクトリー的な代表例を2つ挙げたいと思います。

1つ目が世界45カ国に展開しているFAやロボットを生産するファナックです。
周知の通り、ファナックは売上高営業利益率が40%越えしている超効率的企業です。ファナックはAIアルゴリズムで有名な “Preferred Networks”などと提携し、ファクトリーオートメーションやロボットへのAI活用を進めており、2017年10月には「FIELD system」をリリースしました。「FIELD system」とはAIとIoTを活用した製造業向けのプラットフォームです。

以下が参考記事です。

 日経ビジネスオンライン
黄色い最強製造業、ファナックの謎 知られざる注目企業で記者が見た驚きの光景
https://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150604/283890/?P=1
米国の「物言う投資ファンド」、サード・ポイントが株式保有を発表して以来、株式市場ではファナックの一挙手一投足に注目が集まる。一体どんな会社なのか。記者が潜入した。

2つ目がナイキです。ナイキは現在、15カ国、50万人弱ものの工場労働者を抱えるグローバル企業ですが、2017年に米フレックスと提携して製造の自動化推進をしています。

ナイキがフレックス社へ北米における売上高の30%に当たる生産量を移譲すると、なんと人件費と材料費で4億ドル(450億円)の削減が見込めるだけでなく、生産自動化により目まぐるしく変わる顧客ニーズにより早く対応することを可能にします。

従来、リードタイム(受注や発注から納品までにかかる時間)は3〜4ヶ月ほどかかったのが、自動化によって3-4週間まで短縮できるそうです。スマートファクトリーのおかげで現在進んでいる靴のファストファッション化にも柔軟に対応できるようになるのです。

 日経ビジネスオンライン
ナイキの生産自動化がアジアに与える衝撃 アジアでは6割近い雇用が失われるとの指...
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/108556/102900021/
米ナイキがコスト削減と顧客のニーズに迅速に応えるべく生産工程の自動化に力を入れている。この動きは靴だけでなくアパレル全体に広がる可能性があり、その場合、東南アジアでは現在の雇用の6割が消えるとの見方もある。

(4)まとめ!

今回はものづくりの中でも「製造分野」にフォーカスして書きました。

コンピュテーショナルデザインをはじめとしてAI技術のものづくり分野への応用例は少ないので、これからの動向にも注目です。

また「ものづくりの日本」と言われた時代もあるほど日本にはものづくりの文化が栄えています。スマートファクトリーなどを導入することの価値は高いとわかっていても、旧来の機器との関係や、データの収集、標準化、活用方法の確立など、難しいものばかりです。

しかしTOYOTAが独自の生産方式で成功したことからも製造方法の革新は今後、日本のものづくり企業にとっても必ず必要です。

写真利用pngtree.comのグラフィックス

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