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2019年2月13日虎ノ門ヒルズでTHE AI 3rdが開催されました。
本記事では、登壇者のアローサルテクノロジーの久保田雄大氏、佐藤拓哉氏のセッションをご紹介します。
アローサルテクノロジーはオフショア開発、オーダーメイドシステム開発を経て、2016年よりAI導入の相談から実導入の支援まわりのコンサルティングを中心に事業展開しています。
今回の登壇では、リテラシーの低い弱者が強者になるためにはどのようにしてAI導入を進めていくべきか発表されました。
目次
1. 未来の時代の強者とは?
久保田さん
佐藤さん
久保田さん
佐藤さん
2. 今後重要になるリテラシー
今後重要になる「リテラシー」とは何か。
二人はリテラシーとは以下の三つに分類されると言います。
・情報 / 技術を適切に見極める
・情報 / 技術を適切に判断する
・情報 / 技術を適切に活用する
正しい間違っているではなく、「適切に」ということが重要です。
では、自らのリテラシーが低い、またはわからない時にはどうすれば良いでしょうか。
久保田さん
佐藤さん
3. 「AIリテラシー」に求められる条件とは
久保田さん
佐藤さん
AIエンジニアはデータサイエンティストと呼ばれることが多い中、一般社法人データサイエンティスト協会資料のなかでデータサイエンティストは三つの能力を兼ね備えることが必要だと二人は続けます。
しかし、この三つの能力だけでは不十分で、以下の項目のリテラシーが必要です。
最低でも下記の条件をクリアした人材が一社に集約していないと、複数の会社にコンサルや相談を並行することになり、ダブルスタンダードの板挟みになり話が進みません。
- 俯瞰的視座
- 高いコミュニケーション能力
- AI各分野の基礎知識(プログラム、統計、設計、etc..)
- 各技術難易度の理解
- コンサルティングノウハウ
- 異分野ネットワーキング
- 多業種にわたるビジネス経験
- 人間学の深い理解
4. 事業考案におけるCTOの必要性
現状として、会社にCFO(最高財務責任者)を置いたり、CFOサービスを使っている会社もあるかもしれませんが、CTO(最高技術責任者)を置いている会社はなかなかいません。
久保田さん
佐藤さん
CTO人材は非常に希少であり、かつCTOをやりたがる人は日本に少ないです。
AIエンジニア以上に今後奪い合いになっていくことが予想されます。
5. 正しい事業の整理と理解
事業のイメージとして、細かいタスクや業務で構成されていると考えることができます。業務やタスクを分解したときに、小さい歯車や大きい歯車として考えることができます。それがどう噛み合って動いていくかということを事業の整理として考えます。
歯車一つがタスクや人、システムと考えた時、ある歯車だけをAI化したとしましょう。AI化された歯車が10倍速になったとしても、果たして全体の生産性は上がるのでしょうか。これでは他と噛み合わなくなってしまいます。
佐藤さん
6. 既存事業をアップデートせよ
ではどのような手順で既存事業にAI導入するべきなのでしょうか。
久保田さん
AI導入の段取りとしては、以下の点をしっかり行うべきだと佐藤氏は続けます。
- 現在の事業モデルを正しく認識する
- 目標を設定する
(例 : 〇〇部門にAIを導入する××事業をサブスクリプション化する)- 逆算してマイルストーンを設定
- 必要なリソースの洗い出し
- AIリソースの技術・価格調査
- トータルコストの算定
重要なこととして、「計画」と「実施」は完全に分けて考えること、ヒト・モノ・カネ・ジカンというコストが各々どれだけかかるかまず把握することが重要です。
7. 事業にAIを導入する
業務の代替化を考えた時、AI導入には正しい実施順があります。
久保田さん
8. AI導入の障壁 Q&A
Q. お金がいくらかかるかわからない
A. だからこそ検討する、そのさきに費用感が見える
AI導入の最大の障壁として、お金の問題が考えられます。
AI導入にいくらかかるかわからない点が大きいかもしれません。
アローサルテクノロジーの答えは「だからこそ検討しましょう!」
久保田さん
Q. お金がないからAI導入は断念する
A. 弱者こそ痛みを伴う選択が能動的にできる
久保田さん
Q. 会社規模が大きくて先進技術に保守的な人が多い
A. 競合他社は待ってくれない、計画検討だけでも実施すべき
久保田さん
9. まとめ
総論として、以下の2点をまとめとして提案されました。
- AIリテラシーの高いパートナーを見つける
- 実施はともかく、最速でAI導入計画を立てる
今後弱者が強者になるためには、資本ではなくリテラシーを高くすることが重要になっていくでしょう。
リテラシーを高くするためにCTOの必要性や、AI導入には、まず計画をしっかり立てた上で、正しいフローで実施する必要があるでしょう。